hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

フォーハンドレッド外伝④(チアイの妖精日記)

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再会してからずっと気にかかっていたことがあった私。でもあなたは鈍感だから気づかない。遠回しに遠回しに聞いていたら、あなたは、「ああ、セックスしていないってこと?」って一刀両断にバッサリ切るから超どもってしまった。「だって俺、こんなに太って…

フォーハンドレッド外伝③(チアイの妖精日記)

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「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」か。昔読んだなあ。タナカさんは、私が来るまでよく本を読んでいる。年末に思った「鈍い男!」だけど、考えてみれば私は「不器用な妖精」。鈍い男と不器用な妖精が語り合う。最悪だ。でも、タナカさんなりに…

フォーハンドレッド外伝②(チアイの妖精日記)

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今日、部屋に入ったら、ちょうどいい暗さだった。タナカさん、本当は明るいところが好きなのに。そういう心配りにクラッとする。この前からいろいろなことを相談しているけれど、今日も相談してしまった。「俺の場合は・・・」って今日も真摯に考え考え答え…

フォーハンドレッド外伝①(チアイの妖精日記)

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ふぅ。やっと『俺』が私に会いに来てくれた。1年ぶりかしらね。あなたに招かれたのは。 『俺』と初めて会ったのは、夏の終わりだった。名前はタナカさん。小学校の先生をしている。あの時は痩せこけた身体をしていたな。それに妙に切迫感があった。でも不思…

再会と別れ最後

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朝の5時30分に私は目覚めた。2週間ぶりに途中覚醒のない眠りだった。横にチアイはいない。もう帰ったのだろうか。それにしてもなぜ、チアイは人間の姿になって、昨夜のようなことをしたのだろうか。私への憐れみか。それとも慰めか。どちらにしてもそこ…

三回目  再会と別れ①

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あれから2週間が過ぎた。私はまた酒を飲むようになっていた。心のどこかでもう一度チアイに会いたい、と思いながら。 17時30分。さあ、宴会の時間だ。 コン、コン、コン、とノックの音が三回聞こえた。チアイ?いや、この音はチアイじゃない。もっと現…

一番にこのブログを読んでもらいたい人

一番にこのブログを読んでもらいたかった人、それは僕の従妹だ。もうこの世にはいない。亡くなってどれくらいたつだろう。最後に会ったのは、2017年7月12日だった。 全身ガン?で闘病していた従妹はいつ電話しても明るい口調で逆に僕の方を励ましてくれてい…

僕はこっちタイプ

また傲慢なものの言い方になってしまうかもしれないけれど。 東書のわり算の筆算の単元でこんな問題がある。「76まいの色紙を、3人で同じ数ずつ分けます。1人分は何まいになって、何まいあまりますか。」 目標は「2位数÷1位数(余りありで、各位ともわりきれ…

過去Ⅱ-最後

「その年で教頭先生は異動した。4年目は、自分が頑張るしかないんだと思いながら仕事をしてきたよ。あんな体験をさせてくれた教頭先生がいなくなったからといって、今までの俺に戻るなんて考えられなかった。でも1学期でついにガソリン切れの車は止まって…

過去Ⅱ-③

「3年目。6年、学校研究、児童会。昨年度と同じだがクラスが違う。ボスは以前健在だったが、自閉スペクトラム症の子は、昨年度から特別支援教室に在籍していた。俺の、俺達職員のしたことはまず『ほめシャワー』だ。子ども達のどんな小さな事でもとにかく…

過去Ⅱ-②

「2年目は、6年生を担任をしろと言われた。そして研究主任、児童会の担当もしろと言われたよ。どういうことか分かる?一言で言うと学校全体を動かせってことだ。児童会の仕事は大体分かるよね。研究主任は・・・、学校の校務分掌の中では職員は大きく分け…

過去Ⅱ-①

「昨日は、俺がいろいろな欺瞞を感じながらも、周りから認められたいって思っていたところまで話したんだね。」「ええ。それに気づいてあなたは自己嫌悪に陥っていた。」「そう。だけどね、4校目に赴任した学校で俺に大きな転機が訪れたんだ。その話をする…

400ーチアイとの会話Ⅲ―最後

「そうそう。こんな感じ。」 「そうなったらそこで考えればいいと思ったんだ。でもスズカが結局同じ形になるって言ったからバラバラに囲む子はいなかったな。なるべく規則性のある囲み方をしてほしかったのは事実だよ。だから最初に簡単なドット図を提示して…

400ーチアイとの会話Ⅲ―③

「まず本時のねらいのこと。『俺』は、同じまとまりを使って考えること、そしてそれを1つの式に表すことの2つをねらいとしていたわね。」「うん。」「本来ならねらいは1つが妥当だと思う。本時はとにかくまとまりを意識して計算することが一番のねらいだ…

400ーチアイとの会話Ⅲ―②

「シンヤさんへの支援は、私が見たところ2回あったわ。式を解読する時、『自分が考えた式でやって』って言ったでしょ。あれでシンヤさんは安心して取り組むことができたと思う。それにリレー方式で3こを囲んだ時の順番もあなたはシンヤさんのことを考えて…

400ーチアイとの会話Ⅲ―①

「お疲れ様。」「うん。ありがとう。大体こんな感じでいつも授業をしてるよ。でも今日は充実感があったな。何言われてもいいや。どんどんダメ出ししてくれよ。」 「分かったわ。まず、一言で言うと子ども達が安心して学習に取り組めた授業だったと思うわ。」…

400ー授業Ⅱ-最後

「じゃあ先生が考えた式を今から書くね。」「7×7―6×4」「うん?何これ?」とスズカが言った。「スズカさんの気持ちが分かる人。」と聞くと、全員が手を挙げた。シンヤさんからどうぞと言うと、「ひき算があります。」「7のまとまりなんてありません。」…

400ー授業Ⅱ-⑤

「じゃあ、これで2つ解読したね。続けて下さい。」と言うと、レンが立って、「3×7+4=25の説明をします。」と言った。「こういう囲み方をすると、3このまとまりが7つできて、外側に、1こずつあまるから3×7+4になります。」と言い、マジックで…

400ー授業Ⅱ-④

「最初の問題で、どうすると分かりやすいって言っていたっけ?マナさん。」と聞くと、マナは固まってしまった。すると、ハジメが、「マナ、さっき俺が言ったこと言えばいいよ。」と助け船を出した。その励ましを受けてマナは、「囲む、だと思います。」と言…

400ー授業Ⅱ-③

「さあ、みんなどうしたい?」「先生、これがかいてあるプリントが欲しいです。」「分かったよ。」と言って、ドット図が書いてある紙を1枚ずつ配った。「何分ほしい?」と聞くと、5分、10分などがでたので、「自分達で決めなさい。30秒で。」と言った…

400ー授業Ⅱ-②

「じゃあ、次の問題にいくよ。これは何個?」また同じようにパッと次の図形を見せ、ゆっくり隠した。 「えー、もう1回見せて!」とみんなが口々に言うので、もう1度ゆっくり見せた。「これ、1,2,3,4・・・って数える?」「ううん。」「さっきの考え…

400 二回目 授業Ⅱ-①

次の日の17時30分。コン、コン、コン、とノックの音が3回聞こえた。昨日と同じ様に現実感のない音だ。 玄関へ向かい、ドアを開けた。チアイがいた。昨日のように私の顔の高さでふわふわ浮かんでいる。今日もOLスタイルだ。「こんにちは。」「こんにち…

葬式の時に流してもらう曲を考えてみた

やはり僕が死ぬと、葬式のようなものをするのだろうか。できるだけ簡素にしてくれと言っておこう。それと故人が愛した曲を流してくれと頼んでおこう。 何を流してもらうかな。 まずは、アーティストから考えてみるためにiTunesを開く。順番に書くと、エミネ…

400ーチアイとの会話Ⅱ―最後

「ミチロウとトモフスキーも聴きたいわ。」チアイならきっとそう言ってくれるだろうなと思っていたから、私はさっきから喋りながら何をかけようか考えていた。そしてそれは考えるまでもないことでもあった。遠藤ミチロウの「天国の扉」「音泉ファック」、ト…

400ーチアイとの会話Ⅱ―②

「うん。その頃はまだ元気だったから。また今度話すよ。」「それからもう一人のトモフスキーだけど、この人にも大きな影響を受けてるよ。」 「『後ろ向きでOK』っていう曲があるんだ。みんなが俺にもっと前向きに考えようよって言うけど、あなたが言う前向…

400ーチアイとの会話Ⅱ―①

チアイは、とてもゆっくり、私の書いた文章を読んでくれている。ふわふわ宙を舞いながら。その間に俺は、ジャスミンティーを入れた。ゆっくり飲みながらチアイが読み終えるのを待った。最後のページを読み終えると、チアイはテーブルに着地した。そしてにっ…

妄想小説~キヨシと俺:最後~忌野清志郎がキヨシローになるまで

家に帰ると、ヒサコが帰っていて晩ご飯を作ってくれていた。「おかえり、チャボ。練習どうだった?」「うん、バッチリだった。」「キヨシ君は?」今日の出来事を話すとうんうんと聞いていたヒサコが、「それでチャボはどうなの?」と尋ねてきた。もしかする…

妄想小説~キヨシと俺③~ 忌野清志郎がキヨシローになるまで

レコーディングは無事終わった。歌詞を変更しろとぬかすヤツがいて揉めたりもしたが、とにもかくにも後はリリースを待つだけだ。 そして今日は、練習の日だ。スタジオに入ると、キヨシもいた。たまげたのはその髪型だ。ディップをベタベタ塗りつけて髪の毛が…

妄想小説~キヨシと俺②~ 忌野清志郎がキヨシローになるまで

キヨシとは古い友達だ。何年前になるか、同じライブハウスに出演していたのをきっかけに少しずつ仲良くなっていった。楽屋で他のバンドの連中は、女の子や麻雀の話ばかりで、音楽の話はしていなかった。俺は、そういうのは嫌いだったし、好きな音楽のことを…

妄想小説~キヨシと俺①~  忌野清志郎がキヨシローになるまで

※以下の文はこの地球Aから少し時間軸のずれた地球A’で起こったキヨシローとチャボのお話です。この地球Aで起きたことと違うところが多々ありますが、ご容赦下さい。 「イエー、イエー、イエー、RCサクセションです。イエー。」「俺らのなー、ゴキゲンなラ…