hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

400ーチアイとの会話Ⅱ―②

「うん。その頃はまだ元気だったから。また今度話すよ。」
「それからもう一人のトモフスキーだけど、この人にも大きな影響を受けてるよ。」

 

「『後ろ向きでOK』っていう曲があるんだ。みんなが俺にもっと前向きに考えようよって言うけど、あなたが言う前向きって何?あなたが後ろ向きって言うこっちの方がホントは前向きなんじゃない?っていう曲なんだ。」
「あー、『俺』が好きそうな曲ね。」
「チアイ、だいぶ俺のことが分かってきたようだね。女々しいようで、実は男らしい歌だと俺は思ってる。他にも考えさせられる曲がたくさんあって、それが50歳を過ぎた今でも名曲をたくさん作り続けているんだ。そこがすごい。」


「もう一つすごいなって思うところは、SNSやレコード会社?今は何て言うんだ、CD会社?に頼った活動をしていないところだ。トモフは最初カセットテープの手売りから活動を始めたんだ。そして、レコード会社を通してデビューしたんだけれど、数年後には自主制作レーベルを作ってそこからCDを発売するようになったんだ。それも手売りで。注文したら本人直筆の宛名でCDやDVDが送られてくるんだ。録音もほとんどが自宅録音。今の時代でプロのミュージシャンが、そんな活動をしているのはすごいことだと思うし、俺はそこにトモフの気概を感じるな。これこそインディペンデントっていうか。」

 

「だから学校では自分とトモフを勝手に重ねて、畳1畳分でいいから自分の居場所を作ろうって思いながら仕事をしてたんだ。」

 

「優れたロックミュージシャンは、肉体性と知性のバランスが絶妙ってさっき言ったけど、トモフの肉体性は『ひとりトモフスキーライブ』で発揮されていると俺は思っているんだ。」


「どういうこと?」

 

「普段トモフはバンドでライブしていたんだけれど、1996年12月に渋谷公会堂で初めて『ひとりトモフスキーライブ』をやったんだ。今までバンドでやっていた人が一人でライブをやる、今となっては珍しい事じゃないけど、当時は一人でどうするんだろうって思ったよ。

そしたら、まず『メトロノフスキー』が登場した。単なるメトロノームなんだけどね。それに人格を与えて『メトロノフスキー』だ。それに合わせて演奏するわけだ。

あとは、『トモフスキー2号』も出てきたな。事前に自分の演奏を撮影したものをプロジェクターに映し、それに合わせて本人の1号が歌うわけだ。最近では、バスドラとギターを同時に演奏して歌うこともある。今じゃループステーションなんて便利なものが使われているけれど、その発想の源はトモフにあると思うな。こういうことにトモフの肉体性を感じるんだ。」