hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

400ーチアイとの会話Ⅲ―③

「まず本時のねらいのこと。『俺』は、同じまとまりを使って考えること、そしてそれを1つの式に表すことの2つをねらいとしていたわね。」
「うん。」
「本来ならねらいは1つが妥当だと思う。本時はとにかくまとまりを意識して計算することが一番のねらいだったんじゃない?式が1つだろうといくつになろうと構わなかったんじゃないかしら。」


「この単元は、1時間目からずっと『~して1つの式に表すことができる。』っていう課題なんだ。だから本時も『1つの式で表す』ことは、子どもにとっては抵抗がなかったと思って2つのねらいにしたんだ。実際授業で課題を書くときも子どもから『1つの式』っていう言葉が出てきたし。本来ならねらいは1つっていうのは分かるよ。その通りだと思う。それにチアイの言う通り同じ数のまとまりを使って計算する、そして多様な考え方を引き出すっていうことが一番のねらいだったよ。でも、うーん、そう思うとやっぱり2つのねらいはおかしいか。これからの俺の課題にさせてよ。」


「分かったわ。じゃあもう一つ。授業はチャイムに始まってチャイムで終わるものだと思うの。でも今日は昨日と違って、あなたは授業を終わる時間を延ばしたわ。あれは良くないと思う。」
「そう、その通りだよ。一言も返す言葉がない。振り返りを書く時間だけ延ばしたんだけれど、今回は文章で振り返らせるんじゃなくて◎か○か△を選ぶ振り返り方にするべきだったと俺も思うよ。」
「そうね。そういう振り返り方もあるよね。じゃあ次は質問していいかな。」
「うん。」


「子ども達が自分で問題を解いていた時、どうしてあなたは見回らなかったの?普通、今子ども達がどこまでできているか確かめたり、分からない子に支援したりするんじゃないかな。」
「うん、そうだったね。今日はあえて机間支援はしなかった。シンヤを除いては問題を解決する見通しが持てていたからね。子ども達の思考を邪魔しないようにしたんだ。あそこでもし子ども達の様子を見に行くとすれば、それは授業者の思惑通りに授業を進めていけるように、子ども達がちゃんと書いているか確かめるためのものになる。それはしたくなかったな。それに机間支援をしなかったというけれど、俺がシンヤの様子だけは見ていたことに気づいていただろ?」
「ええ。あなたは、シンヤさんが立式するところまで見ていたわ。そうか。じゃあ、机間支援をするかしないかは、時と場合に寄るのね、あなたの場合。」
「そうだよ。」


「分かったわ。じゃあ次。多くの先生達はキッチンタイマーを使ってカウントダウンさせて、ピピピと鳴ったら『はい、時間です。』っていう使い方をしているけれど、あなたは違うのね。」
「だってカウントダウンしてピピピって鳴って先生がそこで子ども達に作業をやめさせたためしがないよ。そしてほとんどの先生はそのまま子ども達に作業をさせている。というか、先生が熱心に机間支援しすぎているからだと俺は思うんだ。だから時間を守れないんだ。俺は子ども達に時間を決めさせる。それで時間になったらきっぱりと区切り、作業をやめさせる。子ども達に責任を持たせるためにね。」
「そうね。確かに、自力解決の時、先生は必要以上に支援をしていることはあるわね。まだあるわよ。最初の問題を解く時、数学的で規則性のある囲み方はタケルさんの囲み方だったと思うの。でもハジメさんの囲み方も認めていたわ。そうすると、次の問題でバラバラにただ3こや4こを囲む可能性もあったわけじゃない?」
「例えばこういう風に?」
私は頭で想像した。すると思った通りの図が出てきた。

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