「スナック キズツキ」は益田ミリによるマンガ作品。これを原作にテレビ東京系列「ドラマ24」枠で2021年10月9日から放映された。全12話。このドラマを見逃して残念な思いをしていた僕は、再放送されることを知り、喜んで観ている。何といっても主演、原田知世だからね。見逃すことは出来ない。1回目は残念ながら見逃した。パラビで観れば?なんなら全話観れば?ていうかなんでもっと早く観なかったの?と矢継ぎ早に言われそうなのだが、実はどうやって観ればいいのか今もってよく分かっていないのが現状だ。昨日の記事と同様に努力を怠っているのだ。だから2話から毎週地道に観ている。
お酒を置いていない変わったスナック「スナック キズツキ」。傷ついた人だけがたどり着けるこの店で、今宵も訪れたお客さんがため込んだちょっとした「傷」をスナックのママ・トウコが客と一緒に発散する、というコンセプトで毎回素敵な発散の仕方をトウコはお客さんに提供する。今までに観た発散の仕方を書いてみよう。おっと忘れちゃいけない。発散する前にはトウコさんが作る心のこもった絶品ドリンク&料理があるのだった。それを味わってリラックスしたからこそ、お客さんはトウコの提案に乗るのだ。まずは発散の仕方だ。
第2回:ロールピアノで本音
第3回:エアギターで吠える
第4回:4分の«即興朗読»で本音告白
第5回:しりとり人生相談?
第6回:懐かしディスコで«無敵»になる!?
第7回:昭和シャンソン熱唱!
どうも少し「傷ついている」人には本音を吐露させることが有効なようだ。そりゃそうだ。少しと言っても傷ついている人にはそんじょそこらの慰めの言葉なんか頭に入ってこない。トウコも安っぽい言葉は一切口にしない。だからこそ発散&本音の吐露が必要なのだろう。それにしても第2回でロールピアノをパッと出してポロリンとトウコが弾き、客に歌うよう促した時は驚いたものだ。なるほど、そういう手で本音を引き出し発散させるのか。これは原田知世の秘密めいたキャラにも合っている。と思って次回(ロールピアノをパッと出すと思っていた)を楽しみにしていたら今度はいきなり立ち上がってエアギターを弾こうと客に促す知世ちゃん。こ~れも可愛いぜ。こりゃ次回から楽しみになるな、と思っていたら今度は即興朗読ときたもんだ。という風に毎回趣向を凝らした発散の仕方が用意されている。それをいちいち知世ちゃんは可愛く演じるのだ。
僕の原田知世に対する熱い思いはこちらで!
そうだ。絶品ドリンク&料理のことも書いておかねば。第7回でお客さんはオレンジジュースを注文する。「了解」と言って(注文を受けたらトウコはいつもこう答える)オレンジとレモンをザクザク切る。そしてハンドジューサーって言うのかな?果物を挟んでギュッと絞るやつ。それでオレンジ果汁を絞り出し、氷を入れたグラスに注ぐ。そしてはちみつをほんの少し入れる。最後にレモンをキュッと絞って軽くステアして「今日もお疲れさん」(これもいつも言うセリフ)と言って出す。「いただきます」と言ってストローで飲むお客さん。「おいしい、すごくおいしい」と感動しながら頂くお客さん。(←こんな風に飲み物に感動するところから物語は動き出す)
こうしてジュースを飲みながら何となく喋っていると、ぐつぐつといい音が。意味ありげにトウコが鍋を見る。「今夜はちょっと冷えるらしいですよ」(トウコ)「ああ・・・おいしそうね」(客)「いかがですか?」(トウコ)「いただいてみようかしら」と客が言ってトウコが作るのがオニオングラタンスープ。飲み物と食べ物も書いちゃおう。
第2回:ラッシー&ミネストローネ
第3回:コーヒー
第4回:コーヒー&だし巻き卵
第5回:ホットココア
第6回:フレッシュりんごジュース
第7回:オレンジジュース&オニオングラタンスープ
どれも手の込んだ逸品ばかりだ。作るのを見ているだけでこちらも飲みたくなる&食べたくなる。オニオングラタンスープなんて食したことないのに、どんな味か食べてみたくなる。この飲み物&食べ物、そしてとっておきの秘策でトウコは客を蕩けさせる。客は満足して帰る。最終回はトウコ自身が客(?)になるみたいだから楽しみだ。30分の番組だから気軽に観ることができる。この点も重要かもしれない。
看板にキツツキが描かれたこの「スナック キズツキ」はもしかしたらこの冬一番のヒットかもしれない。パラビ、挑戦してみようかな?もう毎週楽しみにして観る時代じゃなくなったんだなー。