hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

ジャクソン・ブラウンに乾杯

かつてはロック・ヒストリーものがよく(WOWOWなんかで)放映されていたように思う。最近そういう番組に出会わないのは僕のチェックが甘いせいなのかな。

 

 

家にあるDVDを整理していたら、イーグルスのヒストリー番組を見つけた。以前イーグルスの記事を書いた時にふれた番組である。これはもう1度観ておいた方がよかろうと思ったが、やはり観てよかった(まだ前半しか観てないが)。彼ら(イーグルス)は長い下積みを経てデビューにこぎつけたことがよく分かった。そしてジャクソン・ブラウンも登場していた。

 

 

お互いが下積みの時、グレン・フライのアパートの地下にジャクソン・ブラウンは住んでいたという。その時の思い出をグレン・フライが語っている。

 

 

(概要)「朝9時からベッドの下(ジャクソンが住んでいた地下室)からピアノの音が聴こえるんだ。1番をず~っと弾いている。何回も何回もね。しばらくすると静かになり、ケトルのピーっていう音が聴こえる(コーヒーブレイクしながら歌詞を考えているんだろう)。そのあとはまたピアノだ。午後になると今度は2番を何回も何回も弾いているんだ。彼は自分が納得するまで何日も何週間も弾き続けるんだ。ベッドの下(の音)から多くのことを学んだよ」

 

 

これを聞いて、「すげーな、ジャクソン」と思った。プロになるってこういうことなんだ、と思った。この番組を観て以来早くジャクソン・ブラウンを聴きたいと思いながら今日まできた。今日は思いっ切りジャクソン・ブラウンを聴く日にしよう。

 

 

僕が持っているのは3枚目の「レイト・フォー・ザ・スカイ」(1974)、5枚目の「孤独なランナー」(1977)と2005年に発表された「ソロ・アコースティック第一集」だ。今は「レイト・フォー・ザ・スカイ」を聴いている。

 

 

以前に「英米生真面目対決」と題してポール・ウェラージャクソン・ブラウンについて書いた。ここでは生真面目だよなぁ、2人ともという趣旨で書いた覚えがある。

 

 

「レイト・フォー・ザ・スカイ」発表時は26歳とまだまだ若かったジャクソン・ブラウンだが、生真面目な歌い方とともに若干の疲れというか徒労感のようなものも滲ませた声を聞かせてくれる。たとえごきげんなロック・ナンバーであっても思いっ切りはじけて歌っているようには聴こえない。

 

 

5枚目の「孤独なランナー」の1曲目はタイトル曲(Running on Empty)だ。元気のよい曲であるが、何か自分に言い聞かせて歌っているようにも思える。調べてみよう。

 

 

「この歌は人生を道に、自分をランナーに例え、ツアーに明け暮れる空しい旅を続けるジャクソン・ブラウン自身の心情を歌ったものである」

 

 

俺の車輪の下を流れていく道路を眺めながら 

いろんな夏の草原のように過ぎ去った年月を振り返ってみる

1965年、その時俺は17歳で101号線を北上していた

今俺はどこを走っているのか分からない

ただ走り続けるだけさ

 

   走り続けるのさ(空しいままに)

   走り続けるのさ(ただやみくもに)

   走り続けるのさ(太陽に向かって)

   (でも遅れちまってるけどね)

 

 

君の愛を失わないように できることはやってるよ

生き残るためにやるべきことと混同しないようにしないとね

1969年、その時俺は21歳でその道が俺の進むべき道だと思った

いつの間にその道が今自分のいる道に変わったのか分からないけどね

 

   走り続けるのさ(空しいままに)

   走り続けるのさ(ただやみくもに)

   走り続けるのさ(太陽に向かって)

   (でも遅れちまってるけどね)

 

 

 

この調子で5番まで歌っている。やはりジャクソン・ブラウン、疲れてるじゃないか。でも現状は厳しくてもやり続ける所存なんだね、ということがビンビン伝わってくる。こんな風に歌われちゃあみんな盛り上がるはずだ。浜田省吾も大分彼に影響を受けたんじゃないかなあ。

 

 

「ソロ・アコースティックVol.1」はジャクソン・ブラウンがアコギ1本あるいはピアノだけで歌い演奏するライヴ盤である。客との掛け合いも収録されているし、笑い声も起きている。よかった、ジョークも言えるんだ。57歳のジャクソン・ブラウンは自身のアコギとピアノだけという素のままでコンサートをしていた。ライナーノーツを読むと彼は「何が起こるか分からないから面白いんだ。自分がどこに行くのか感じるままにやるだけ。そのことが音楽を新鮮にしてくれる」と語っている。

 

 

 

そして今。偶然にも我が家のハードディスクにベストヒットUSAジャクソン・ブラウン特集」という番組が保存されていた。昨年の4月にどうも来日していたみたいだ。ウィキでも近影を見ることができるが、いい感じでおじいさんになっている。盟友のデヴィッド・リンドレーの死もあってジャクソン・ブラウンは彼についてもコメントしていた。でも元気そうで何よりだ。「歌詞を一番大切にしている」という言葉が印象に残った。

 

 

1970年代初頭にロサンジェルスに集まってきたミュージシャンの中で今でもコンスタントに活動しているのはジャクソン・ブラウンくらいなのかな。イーグルスも散り散りになったし(再結成して2018年に北米ツアーをしていた)、リンダ・ロンシュタットは長い闘病生活を送っている。ベストヒットUSAのインタビューでは「体に気を遣っている。肝臓もきれいだよ」と語っているようにまだまだ元気に活動しそうだ。

 

 

彼が元気なうちにアルバムを少しずつ聴いていこう。

 

 

 

それでは。