今日は、朝ウォーキングに行く前に1本吸った。動作としては棚から煙草を取り出し、吸って(根元まで吸った)、終えるとまた棚に戻しただけだ。3分程のあっという間の出来事だった。
とさり気なく敗北宣言をしたので本題に入ろう。ポール・マッカートニーである。彼のファーストアルバム「マッカートニー」をレコードで聴いたところ痛く感銘を受けたのでこのようなタイトルになったわけである。だから今日は途中でポールの悪口になっても最終的には素晴らしい作品だった、という風になる(はず)。
このアルバムの基本情報から書いていくか。
「マッカートニー」が発表されたのは、1970年4月17日。録音は1969年12月から1970年3月までである。アルバム発表の1週間前にポールはビートルズからの脱退を表明している(しかし、1969年9月20日にはジョン・レノンはビートルズから脱退する旨をみんなに伝えている。つまりビートルズは崩壊状態だった)。ここら辺はあんまり書き過ぎるとややこしいことになるのでこれ以上はよしておいた方がよさそうだ。
つまりポールはとことん疲れ、精神的に傷ついていた。スコットランドの農場に引き籠り、髭も剃らずに酒に溺れ、時にはヘロインにまで手を出したらしい。しかし妻のリンダに支えられ、立ち直り、自身初となるソロアルバムの制作を始めるのだ。それが1969年末のことだ。
1970年初めには本格的に録音を始めた。大部分はロンドンの自宅で制作されたが、一部の作業はロンドンのモーガン・スタジオで行われた。また3曲はEMI第2スタジオで録音された。全ての楽器をマッカートニーが演奏している。
このアルバムは全英2位を記録した。アメリカのビルボードでは3週連続で1位を記録することになる。しかし、だ。ここからは僕の勝手な妄想というか感想を書くことになるが、どうもいただけない、ということを最初に言いたくなる作品ではある。
なんでこのアルバムが1位になるのかが分からないのだ。ビートルズ時代(ついこの前のことだ)のようなキラキラしたキャッチーさは微塵もない。しかも半分はインスト曲だ。騙された気分になった人も多かったのではないだろうか。これが最初の感想。しかししかし、である。
録音が素晴らしいのだ。ひとつひとつの楽器がとんでもなく生々しく聴こえる。段ボール箱をたたいているようなドラムも、時にブンブン言っているベースも(もちろんギターもピアノも)音自体が素晴らしい。僕はまずそのことに驚いた。だから「きれいな水」なのだ。この音は、ポールの精神状態が決して良くはない時に録られたものだろうが、そんなことは関係なくいい音である。
次に曲のことも書いておこう。僕が気に入ったのはB面2曲目の「ママ・ミス・アメリカ」とB面最後の「クリーン・アクロア」だ。どちらもインストゥルメンタルである。意外なことにインスト曲がいいのだ。
「ママ・ミス・アメリカ」は4分程の作品で前半と後半に分かれているが、前半が特にいい。これをいつまででもやってもらいたいくらいだ。ちょっと聴いてみてくださいよ。「クリーン・アクロア」はその前に「メイビー・アイム・アメイズド」というある意味ポールらしいキラキラさが感じられる曲がある。これでアルバムは終わりかなって思ったらドラムソロみたいなのが4分程続く。これが「クリーン・アクロア」である。こっちも聴いてみてくださいよ。
この2曲が特に気に入っているのだけれど、もちろんアルバム全体を通して僕の好きな音だし、何回でも聴いていられる素敵なアルバムだ。だから聴いているうちに「体に沁みわたる」のだ。
しかし、ポールは何故このような曲に自分でOKを出したのだろう。ここで僕の妄想が広がる。もしかしたら、ビートルズのポールからの脱却を目指していたのかな。この曲達は僕に言わせれば「ポップ・アヴァンギャルド」(←僕の造語)のように聴こえる。コマーシャリズムの欠片も無い(さっき書いたかな)。でも「ポップ」でしかも「アヴァンギャルド」な作品、それがビートルズのポールから脱却せんとするポールの(無意識かもしれないが)作戦だったのかもしれない。
よく分からないが、この作品は今の若い人たちにウケているらしい。「ローファイ」とか「元祖宅録」とかそんなんで。桑田佳祐も評価していたぞ。
決して万人受けする音ではないが、ポールファンならみんなきっと聴いているはずだよね。僕としては俄然「マッカートニーⅡ」もレコードで聴きたくなってきた。
繰り返すが、あくまでレコードで聴くとこの作品の良さが分かると思う。だからサブスクなんかで聴いちゃだめだよ。
というわけで、また1から出直すことにします。(あ、最初に書いたことね)
それでは。