hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

久々に感じた熱量

最近のテレビ番組での食レポを見ると、出てきた食べ物を見て「これは間違いないやつですね」と言うのをよく聞く。同じパターンとして「これはやっちゃいかんやつですね」などいといろな場面で「やつ」が使われているような気がする。

 

僕は「自分的には」の「的」の使い方からもう「う~、だめ」となっちゃう方なので(「なので…」も嫌いだ)、「やつ」も気になる。「ワード」と言う言葉にも今イチのれないし、「逆に…」も何が逆なのかよく分からない。「基本、・・・」は反則だ。と考えていくと「持ってる」「はずい」「エモい」と止まらなくなってきた。一方で「キラーチューン」「アンセム」「紐づける」「フェーズ」といった大人が使う言葉も気になる。

 

これが「日本語が豊かになる」ということだろうか。僕は「今どきの言葉にはついていけん」人になったのだろうか。

 

ということで最近若者と話した時のことを書こう。

 

水曜日の放課後のことである。6年2組の担任(26歳)が僕の教室へやって来た。「先生、昨日はありがとうございます」と言って。滅多にここへは来ないのにまたどうして、と思って聞いてみると、授業に初めと終わりにやる挨拶の指導をしてくれたことに対する礼らしい。「ああ~、何だかちょっと『はい』っていうタイミングが遅いと思ってね。これは誰かが最初に言うのを待っているな、これじゃあ卒業式の練習の時大変だろうな、と思って指導しちゃったよ」と言った。

 

彼は「そうなんですよ。実はたっぷりと子ども達に言ったんです。こんなんじゃ君たちの思ったような卒業式はできないよって。そうしたらhamani先生にも言われたって」と言った。

 

「俺が言ったのは、『みんな誰かが言うだろう』って思ってない?ってことと、だから『はい』が『い』に聴こえるよ、『は』が聞こえていないって言って『そんな気持ちで卒業式をするつもり?』って言ったことだけだよ」

 

と言いながら黒板に書いて説明した。すると彼は、「それなんですよ。先生は前にもトラブルがあった時に、黒板に書いて子ども達に話していたでしょ?それが子ども達にも伝わりやすくていいなと思いました。僕もやってみたいのですがなかなかできません。」と言う。

 

そこで僕は、その他にもいろいろなアイディアを彼に話した。それを聞いて彼は、「そうなんですよね。僕の場合、とにかく声を出せっていうことしか言えてないから子どもも変わっていかないんですよ」と言う。そして今の子ども達の現状や自分のしたいことを熱く語り始めた。隣のクラスに対する(対抗、まではいかないだろうが)意識もあるようだ。

 

「でも俺が君の年の頃には、そんな熱量はなかったぞ。今そう思っているだけでもすごいと思うし、伝わっている子もいると思うけど」

「そうですかねー。」

 

(僕はここら辺から「これはブログに使える」と思ってしまっていた。最近の悪い癖だ。常にブログ方面のことにアンテナを張り巡らせてしまっている)

 

だから、さっき言ったアイディアをより具体的に彼に言うことにした。(←嫌らしいね、全く)

 

「俺だったら、タイミングを見て『じゃあ一人でも言えるぞ!』っていう人いない?って聞くな。あのクラスなら〇〇さん、〇〇さんあたりが自分はできるって言うだろう?それで言わすんだ、みんなの前で。もしかしたら事前に呼んで先生の思いと、こうしようと思うんだけど力を貸してくれない?って粉をまいておくかもしれない」

 

「それでみんなの前で言わせて評価する。他に挑戦する人がいないか聞く。いたらやらせる。いなかったら、最初の『どんな気持ちで卒業式をしたいのか』に戻る。そして例えば『〇〇さんに弟子入りしろ!それで声を張って出せるようにしてこい!』って言うな。2、3人は名乗りを上げるだろう。そうしたらすぐに『〇〇室で練習してきなさい』って言う。」

 

「そしてまた同じように□□さんに弟子入りする人いない?って聞く。今度はもっと多いだろう。3,4人くらいかな?それで『君たちは□□室で練習だ。必ず5分後に戻っておいで』と言うな」

 

「2つのグループが戻ってきたらみんなの前で言わせる。そしたらその子達はかなりの確率で声の出し方が変わってるよ。それを評価したうえで、また、そこを起点として全体に広めていくんだ」

 

「俺も機会があったら指導したり評価したりするよ」と言い、この話は終わった。1時間ぐらい喋っていた。何とか子ども達の今の姿を変えたいという気持ちと、僕から何かを引っ張り出したい気持ちが感じられた。久々に若者の熱量を感じられた時間だった。