hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

漫勉neoを観ているかい?

NHKで放送されている「漫勉neo」。浦沢直樹プロデュースのこの番組はとてもためになる。どんな仕事をしている人にも面白く観ることができるはずだ。

 

これでシーズン3になるが、浦沢の漫画に対する思いは並々ならぬものがある。だって普通こんな番組作らないよ。でもこれが浦沢らしさなのかもしれない。漫画界きっての重鎮になっても、面白いことはないか常に探している姿勢が素敵だ。浦沢だからこそ思いつき、実現できた企画だろう。浦沢のやっている歌と漫画をコラボさせたライブも興味深い。

 

おっと、どんな番組かを書かなきゃな。こんなのである。浦沢が気になっている漫画家にオファーし、どんな風に漫画を描いているかを4つの定点カメラで撮影する。それを見ながら当事者の漫画家と対談をする、というとてもシンプルな内容の番組だ。

 

お決まりの最初のナレーションは、「この番組では、普段立ち入ることができない漫画家の仕事場に密着し、創作の秘密に迫っていきます。仕掛け人は浦沢直樹さん。」「今回は執筆の現場に3日間密着することができました。撮影された映像を観ながら浦沢さんと対談します」

 

画面は、ひたすらペン先を映して絵が生まれるところ(これが素晴らしい&Gペン丸ペンカリカリいう音がたまらなく気持ちいい)と、対談をしているところ、ほとんどそれだけと言ってもいい。

 

どちらの場面もいつも興味深く見てしまう。特に漫画に対する造詣が深い浦沢は、さらにこの番組に出演する漫画家の研究も徹底してやったうえでこの番組に臨んでいる。そして漫画家よりも先に映像を観てさらに理解を深めて対談している。

 

そこでの質問はとても鋭い。かなりディティールに拘った話もよく出てくる。今回(3回目:すぎむらしんいち)は「耳」だった。そして浦沢らしい言葉で(まぁ行ってみれば訳知り顔で)「『耳』ってね・・・」と定義するというか説明していくのだ。こういうのって漫画家も嬉しいだろうなって思う。また、「ベテランになればなるほど、誰も何も言ってくれなくなるので、自分で駄目出しを積極的にしていかないと駄目ですよね」など、視聴者に当てはまることも言う。そしてとにかく話を転がすのが上手い。

 

「漫勉」。老いも若きもためになる番組だ。次回は巨匠星野之宣だ。僕は、早く諸星大二郎山岸涼子が出演してくれないかと願っている。