「クリムゾンキングの宮殿」再聴 ~軌道修正~

「え?宮殿の音が悪い?私はそんなことはないと思いますよ。フルートとかメロトロンの音色が、すごく柔らかくて良い音だし、ドラムも目の前で叩いているかのような臨場感があると思います。なんでそう感じたのか、不思議なくらいです」

 

 

 

2週間ほど前に、「レコードは『これで最後』くらいの気持ちで聴くぞ!とりあえず『クリムゾンキングの宮殿』はもう聴かなくていいや」みたいなことを書いたら、JUNさんから上記のコメントが返ってきた。

 

 

そこで、ここ数日毎日「クリムゾンキングの宮殿」を聴いているわけだが、その前にそもそも何でこんな風に思ったのかを書いておこう。

 

まず僕は、1曲目の「21世紀の精神異常者」(←今でもこのタイトルで通用するのかな?)に過大な期待をかけすぎていたようだ。もっとギターがギャンギャン鳴ってドラムがズシンズシンと腹に来るサウンドだと勝手に思っていた。

 

 

そういう腹づもりで聴いてみて「あれっ?ドラムの音がしょぼくないか?ベースの音小さいんだけど」となったわけである。そこから少しネガティブな気持ちでアルバム全部を聴くことになった。これが一番の原因である。

 

 

もうひとつは、アンプに対する小さな不満である。真空管アンプに変えて音が良くなったのは分かった。しかしどうもパンチが感じられない。特にベースの音が小さくない?と思うことがしばしばあった。そういう気持ちでこのアルバムを聴いていたことも原因の一つである。

 

 

そんでJUNさんからのコメントの後に返信しようと思ったのだが、なかなかそうもいかず、取り敢えずもういっぺん聴いてみようか、となり繰り返し聴くようになったというわけである。

 

 

繰り返し聴いているうちにどうなったのかというと、「ちょっと判断するのが早すぎたな」となった。「21世紀の精神異常者」、素晴らしいじゃないか。特に途中の間奏がすごい。どの楽器も他の楽器と戦いながらも息はピッタリである。ヴォーカルのとんがり具合もズシンと心に響く。

 

 

続けて静かな「アイ・トーク・トゥ・ザ・ウィンド」もしみじみといい。そこからの「エピタフ」の始まり方は最高に美しい。もうウットリである。

 

 

とか書いているうちに、「俺、このアルバムについて記事を書いたような気がするぞ」と思って調べてみたら確かにあった。そしてちゃんと「いい」と書いているじゃないか。うーん・・・去年の夏と今年の夏とで、何か変わったのだろうか。変わったのはスピーカーとアンプか。まあ、いいや。その記事にはB面の「ムーンチャイルド」の間奏が果てしなくツライ、これがプログレの試練かと書いてある。

 

 

hanami1294.hatenablog.com

 

その「ムーンチャイルド」の間奏は、確かにツラかった。しかし、だ。何回も聴いているうちにそれも心地よくなっちゃったんだよね。不思議だ。

 

 

こうなるともうあとは最後の曲だ。勿論いいに決まっている。最後の最後までくどい終わり方が素晴らしい。これぞプログレだって思っちゃう。

 

 

というわけで、さようならするはずだった「クリムゾンキングの宮殿」をJUNさんのおかげで救出することができた。いやー、久しぶりに同じアルバムを何回も聴いちゃったよ。

 

 

そうなるとどうなるか。「『これで最後のつもりで聴く』という聴き方」を軌道修正せねばなるまい。最初はネガティブな印象を持ったとしても、そのアルバムの素晴らしいところを見つけるつもりで聴いた方が僕の人生も豊かになる。そうだそうだそうしよう、と今は思っている。何しろ僕は所謂ロックの名盤と言われているアルバムばかりを購入しているのだから絶対に近いほどいいに決まっている。

 

 

この勢いでブルース・スプリングスティーンの「明日なき暴走」も聴いてみよう。これはJUNさんと話した時に僕が「『明日なき暴走』ってなんか、今イチピンとこないんですよね」と言ったらJUNさんも「スプリングスティーンのレコードの音質は良くないよね」と言っていた作品である。どうなるか試してみる価値はあるな。

 

 

 

というわけでJUNさんのコメントに感謝、である。

 

 

 

それでは。