「たま」については前々から書かねばならないと思っていた。そう。あの「さよなら人類」(1990)の「たま」である。「たま」はロックか?と書いたがこの答えは明白である。ロックである。世間の風に立ち向かっているからである。
僕が「さよなら人類」後のたまを知ったのは、友部正人と共演をした時(「けらいのひとりもいない王様」)だった。友部とはその後もメンバーが彼のライブに参加したりしていた。
次に知ったのは、トモフスキーと知久寿焼が2人で全国を回ってライブをしているという情報をどこからか知った時だ。
友部正人とトモフか。なるほど、それはいいアイデアだと思ったものだ。
そして最近では、原マスミの「人間の秘密」をユーチューブで観た時に共演したのを観た。これは素晴らしい共演だった。ばっちり原マスミと「人間の秘密」にマッチしていた。
大分前になるが、いつも観ている「関ジャム完全燃SHOW」で、「音楽史に残るワンヒットワンダー」という企画があった。そこで「たま」は取り上げられていた。「とにかくインパクトがスゴい!構成も衝撃の問題作」と紹介され、「若手バンドの登竜門『いかすバンド天国』から登場。«たま現象»と呼ばれる社会現象的な人気を獲得。」
「とにかく濃いキャラや不思議な楽器など当時から凄いインパクトで強烈に覚えていましたが、改めて聴くと、有名なサビ以外にも構成が凄くて『ボヘミアン・ラプソディ』みたいな組曲感もあり問題作だと思います」
「この頃から音楽の世界で『サブカル』っていう言葉がよく使われるようにいなりましたね。下北沢とか高円寺とかそういったところのカルチャーが局所的な若者文化じゃなく広がりを見せ始めたっていう時期かもしれません」と語られていた。
元メンバーの知久寿焼は、NHKの「ピタゴラスイッチ」「うたっておどろんぱ」「みんなのうた」「おかあさんといっしょ」等に楽曲提供・歌唱をしている。NHKはこんな危ない人をよく採用したものだと思うが、知久のボーカルは改めて聴くとやはりすごい力を持っている。
今回「ウクレレ・キヨシロー」の「ぼくの好きな先生」「ヒッピーに捧ぐ」を歌う知久寿焼を聴いたが、これはぜひ聴いておくべき曲だ。特に「ヒッピーに捧ぐ」は清志郎のとても個人的な歌にもかかわらず清志郎とはまた違った世界を見せてくれる。
「ピタゴラスイッチ」の「ぞうのあしおと係」「おとうさんスイッチの作り方」も聴いてみた。知久の少し童謡っぽい面が表れた確かにNHKでも流れそうな曲だ。
僕はたまの5th「ろけっと」の2曲目「月ろけっと」を聴いてトモフスキーを思い出した。しかしあのぶっ飛んだ歌詞は一体どこから出てくるんだろう。
もう1度書こう。たまはロックか?NHKにメンバーが出ていようが、世間の風に立ち向かう姿は変わらない。かなりロックだと言えよう。