hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

400-授業Ⅰ-⑥

今黒板には、「自己決定」「合う」「勉強」「創る」の4つの言葉が書かれている。
「これで4つの言葉が出てきたね。もう2つ言葉を書くぞ。まず問題です。先生は最初みんなにある魚の名前のついた言葉を言いました。それは何でしょう。」

子ども達はぽかんとしている。
「じゃあもう1回言うよ。みんなは、どんな授業にしたいと思ってる?って聞いたんだ。」
「あっ」
と言うタケル。
「ほんとだ。魚だ。」
と言うスズカ。
「ねー、先生。ヒント言っていい?」
とスズカが言ったので、「いいよ。」と言うとスズカは、
「えーと、2文字です。」
と言った。するとタケルが、
「骨が太いです。先生、さっき言った先生の言葉をもう1回言って下さい。」
と言ったので、ゆっくりと少し大げさに、さっきの言葉を繰り返した。
「もう分かったかな。みんなで言ってごらん。せーの。」
「たい!」
「正解。」


私は黒板に「たい」と書いた。
「この『たい』を見つけることも先生は大切にしています。例えば今、スズカさんとタケルさんは答えを言いたかっただろ?君達が言いたいって思えた時、先生は『たい』を見つけたことになるんだ。みんなかあら『たい』が出てくる授業を先生はしたいんだ。例えば算数の授業だったら、どんな『たい』があるかな。」
するとすかさず、レンが、
「先生、みんなと話し合いたいです。」
と言ったので、
「おっ、さっそく『たい』を見つけたぞ。『話し合いたい』か。いいね。みんなで話し合ってごらん。ソーシャル・ディスタンスを忘れないでね。」


子ども達はお互い距離をとりながら自然に輪になっていろいろしゃべっている。意外なことにタケルが話を進めているようだ。それにしてもこの30分ほどでレンはのびたな。しばらくして、
「先生。言っていいですか。」
とタケルが言うので、
「どうぞ。」
と答えると、みんなで順番に
「計算したい」「図をかきたい」「隣の人と相談したい」「他の数字でやってみたい」「言葉で説明したい」「前に出て説明したい」という言葉が出てきた。
私は、黒板に大きく「たい」と書いた。
「先生、またみんなの素敵なところを見つけたぞ。1つは全員が発言したこと。それからもう1つは輪になって話し合っていたこと。みんなで話し合っているな、って思ったよ。」
「さあ、実は、『自己決定』『合う』『勉強』『創る』『たい』、この5つを実現するためにとっても大事なことがあるんだ。今みんながしていることです。」