先週の話である。
「今年はクリスマスケーキがあるといいなぁ」という何気なく言った僕の一言は、瞬時で却下された。「今、いくらすると思ってんのよ。勿体ない」と言う妻に向かってそれならばと、「じゃあ23日にショートケーキでお祝いするのは?」と畳みかけ、やっとケーキ論争に終止符を打つことができた。
僕は、勇んで結婚記念日に行くケーキ屋さんに行った。そしたらショーケースの中には、もうクリスマス用のホールサイズのケーキしか陳列していないではないか。この店は小さな店で、しかも先客がいた。このまますごすごと帰るわけにはいかない。そう思い、「これください」と言ってしまった。

しっかし4号のケーキってこんなに小さいんだ。昔はもっとでっかいケーキが普通にあったよなあと思いながら店を出た。妻に叱られるかな?まあいいや、自分のお金なんだし。と思いながらも、最近の食品の小型化っていうの?そういうのを考えていた。
例えば何だろう?お菓子とか?カントリーマアムのサイズがちっちゃくなったことは知っている。それにこんぶの佃煮(分かるかなー)の量が異様に少なくなっているのも知っている。物の値段が高いのは分かっているが、昔を知っている僕としては高くてもいいからそんなショボい量で売らないでくれーと思ってしまう。
昨日はここまで書いて挫折した。書いている途中で晩御飯を食べたからである。やはり記事は一気に書かないと勢いがなくなるね。
ホントは何を書きたかったのかというと、木曜日にカレーを作ったことだ。僕がカレーを作る時は、大量に作る(鍋2つ分)。そして朝から晩まで只管カレーを食べ続ける。なんで木曜日にカレーを作ろうと思ったのかというと、冬休みに入った妻対策である。いつもは19時過ぎに帰宅するので、それに合わせて夕食を作っていたが、冬休みは定時をちょっと過ぎた頃に帰って来るだろう。その時焦らないですぐに出すにはカレーが最適だろうと思ったからである。これで4日間はカレー決定である。勿論カレーうどんも作れるようにしておいた。

しかし「作ろう」から「食材を買いに行こう」まで時間はかかった。何とか昼過ぎに買い物に行くことができ、その日の夕食に出すことができた。一番時間がかかり且つ最も重要な作業である「玉ねぎをじっくりじっくり炒めてペースト状にする」ことは、40分で挫折した。

カレーを煮込んでいる間に読んだのが「ティーンズ・エイジ・ロックンロール」(熊谷達也著)だ。「オヤジ・エイジ・ロックンロール」は読んだことがあるが、先日この本も出版していることが分かって焦った。「オレ、こんないいブツを長年見逃していたんだ」。

その思いは、読み進むにつれ深まっていった。いやあ面白い。最近青春モノについて記事を書いたような気がするが(←もう忘れている)、この本も僕を楽しませてくれた。
“2010年、宮城県仙河原市。中学時代から続けたバンドが解散した匠は、高校の軽音楽部の扉を叩いた。失意も一転、部長の美少女・遥にひとめぼれ。彼女への恋心をきっかけに、少年は一つの目標を見つける。「このまちに初めてのライブハウスをつくろうー」地元の縁を巻き込みながら交差していく遥の過去と匠の未来。そしてあの春がやってくる”(BOOK☆WALKERからの引用)
こんな感じのお話である。おっと思い出したぞ。この前読んだ青春モノは同じ作者の「バイバイ・フォギーデイ」だった。「バイバイ・フォギーデイ」より、少しだけ主人公は年下である。その分幼い感じがするが、基本的にいい人である。熊谷達也の作品には、僕の知る限り基本的に主人公はいい人である。そして彼の傍には必ずいい感じの女性が現れる。
この作品では、軽音楽部の部長である遥だ。彼女は、実はわけありで歳は同級生よりいっこ上である。こういう設定だったら熊谷達也は思う存分彼女を魅力的に描くことができる。頭が良くて、楽器は何でもできて、行動力もある。しかも過去にツラい体験をしたことを未だに引き摺っている。実に僕好みである。
高嶺の花とも言える遥を前にした匠は、おどおどしながらも自分の意見を素直に言う。こういう真っ直ぐな少年も熊谷達也の得意とするところである。読者は、如何にして彼が遥の心を射止めるのかに集中して読むことができる。
その射止め方が、青春なんだよなあ。もう一人魅力的に描かれている千里という女性が上手い具合に遥の前で匠にコクらせるのだ。こういうのって高校時代に多かれ少なかれ経験している人はたくさんいるだろう。そういう人の「こうなってほしい」という気持ちに真正面から取り組んだ清々しい小説だった。
青春モノなんて書いている時点で、おっさんかおじいさんなんだろうな。これを書いた熊谷もいいおっさんだったろうし、読者もそうだろう。そう思うと青春モノというジャンルは、高齢者向けのものなのかもしれない。そりゃあ若者は、おっさんが書いた同世代の物語なんか読まないよな。
そんなわけで昨日のうちに読んでしまったが、青春モノに対する渇望は止まっていない。そこで僕は、映画でなんかいいのないかなーと頭の中を検索してみた。そして見つかったのが「ビリギャル」(2015)という作品だ。
“名古屋の女子高に通うお気楽女子高生のさやかは、全く勉強せず、毎日友だちと遊んで暮らしていた。それを案じた母は、さやかに塾に通うよう言いつける。彼女は金髪パーマにピアス、厚化粧にミニスカートのへそ出しルックで渋々塾面接に行き、教師の坪田と出会う。そして彼の励ましで慶應義塾大学合格を目指す”
こんな感じの話である。この作品もゴールが見えているので、安心して観ることができた。何よりさやかを演じた有村架純が魅力的過ぎる。ギャルになり切った姿、その後性根を入れかえてマジで慶應合格に向けて努力する姿。どちらも可愛すぎる。
僕がなんでこの作品を思いついたかというと、有村主演の「ちひろさん」(2023)という映画を最近観たからだ。元風俗嬢で、今は弁当屋で働いているちひろさんは・・・と書くと長くなるのでやめるが、遅まきながら僕も有村架純の魅力にやられてしまったからだ。いやー、いいよねぇ。これから有村架純が出ている作品を探す旅が始まりそうだ。
とここまで書いたところで妻が帰ってきた。僕は今からご飯を炊き、サラダを作り、彼女と今日会ったことを穏やかに話すことになるだろう。
次の記事は、ヴィンテージ・トラブルというバンドについて書きたいと思っている。
それでは。