hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

冬眠日記その55 ~Hanami’s キッチンの巻~

立春もとっくに過ぎたというのに冬眠日記と称するのもどうかと思うくらい昨日今日と天気がいい。今日は、料理を作りながら音楽を聴き、その合間に本を読んでいた。只今15時30分、一応完成としておこう。今日のディナーはカレーだ!

 

僕が作ることができる料理は限られている。カレー、シチュー、おでん、ぶり大根、ねぎチャーハン。以上だ。最初に書いた3つは今の時期は数日持つから(どんな鍋を使ってるんだ?)、妻からは喜ばれる。そして2人とも毎日同じメニューでも苦にならないたちだ。数日前からカレーかシチューを作りたい気分だったから妻に材料を買っておいてもらった。(←自分で買うことはできず、「カレーでもシチューでもいいから材料買っといてくれない?」とも言えずにメモだけ書いてテーブルに置いておいた。何故言えないかは今は書けない)

 

朝起きて、ぼぅっとして、妻が仕事に出かけてからギターの練習をして、「よしっ、作るぞ」となった。11時頃だったかな。

 

まずは玉ネギだ。2つキッチンにコロッと置いてあったが、これじゃあ足りないので物置からもう2つ持ってくる。ざくざくと切ってフライパンで炒めようと思ったら、ないじゃないか、大きいフライパンが。多少ピキッと来たが、堪えて小さいフライパンで半分ずつ炒めることにした。20分程弱火で炒めてから、もう半分と入れかえた。これも20分ほど炒め、その後最初の玉ネギと合体させた。そこからさらに20分。その間に牛肉を炒め、赤ワインで煮込む。少し水を足してからさらに煮込んで、玉ネギを投入だ。細目に灰汁を取ることも忘れないぞ。

 

次は何だ。ジャガイモとにんじんか。僕はジャガイモが煮崩れするくらいが好みなので少し細かめに切る。にんじんは嫌いだ。しかし妻のために入れなければいけないので、出来得る限り細かく切る。そしてこの2つも鍋に投入だ。あとどうする?ブイヨンも入れとくか。

 

灰汁を取りながら様子を見る。少しキッチンから離れることができるな。

 

ああ、そうだ。玉ネギを根気強く炒める時にはレゲエがピッタリくることが分かった。いつ終わるとも知れない玉ネギ炒めとレゲエのいつまでも続くかのような麻薬的なリズムが妙にマッチする。これからは煮込み料理の時はレゲエに決定だ。

 

煮込んでいる間に読んだ本は村上春樹の「1Q84」だ。昨日買ってきた。2009年に出版されてすぐに読んで以来だからおよそ13年ぶりになる。BOOK1とBOOK2は土日にベッドに転がり1日中読んで読了したことを覚えている。BOOK3を読んだ時の状況はよく覚えていない。それにしても村上春樹の長編を読んでいる時はどこかに連れて行かれるように一気に読んでしまうのだが、読み終えるとちゃんと現実の世界に戻ることができる。だけではなく、「もうしばらく村上作品は読まなくていいや」と思ってしまう。そして本を売ってしまうわけだが、ある日突然、ホントに突然痛烈に猛烈に読みたくなってしまう。というわけで、文庫本を買うことになってしまう。毎回おんなじだ。ちょっと調べてみよう。

 

~「ニューヨーク・タイムズ」2011年10月23日号が行ったインタビューに対し、著者は、本書は短編小説「4月のある晴れた朝に100%の女の子に出会うことについて」(1981)から派生した作品であると答えている。「基本的には同じ物語です。少年と少女が出会い、離れ離れになる。そしてお互いを探し始める。単純な物語です。その短編をただ長くしただけです」村上は刊行直後のインタビューで「ほぼすべての登場人物に名前を付け、一人ずつできるだけ丁寧に造形した。その誰が我々であってもおかしくないように」と答えている。(ウィキより)~

 

そうなんだよな。「ほぼすべての登場人物に名前を付け、一人ずつできるだけ丁寧に造形」する。これが僕にはできないんだよな。「1Q84」の序盤を読むとほんとに青豆と天吾のことを丁寧に書いているのが分かる。しかも話もちゃんと進めている。最近お話のようなものを書いていると数日前に記したが、やはり人物に漢字で名前は付けられないよ。何とか絞り出してもカタカナ表記になってしまう。それに固有名詞もなかなか使えない。例えば「アパホテルに泊まった」とは書けない。「ホテルに泊まった」止まりだ。地名なんて以ての外だ。人物の造形なんて大それたことに挑戦するのは少し早過ぎるのかもしれない。

 

いかん、本に熱中していたらカレーが煮立っちゃう。そろそろ様子を見にいかねば。灰汁を再び取り、いよいよルゥの登場である。僕は特にルゥに対するこだわりはない。ないがちょいと高めなフレークタイプのものと、普通のルゥ(バーモントカレーみたいなの)を2箱使っている。フレークタイプのものを最初に入れてゆっくりかき混ぜる。いいね。カレーを作ってる気分になる。これは割と早くに溶けるのでいよいよ箱もののルゥを投入するか。これは包丁で細かく切って投入だ。1箱入れてゆっくりとよ~く混ぜて様子を見る。ここからがいつも勘でやっているのだが、僕はついつい多目にルゥを入れがちだ。だから2箱目は少しずつ入れる。今日の僕の舌は、2箱目は半分だけでOKと告げていた。それはそうなんだけど、もうひとつパンチが足りない。どうしようか。少しだけ考えて僕は冷蔵庫にあったビーフシチューのルゥを2欠片入れることにした。これであとは微調整だ。

 

今日はリンゴを入れてまろやかさを出そう。さくさく。すりすり。よし、投入。うん、まろやかになった。次はケチャップとソースと醤油を用意した。今日の気分でジャバジャバと入れる。うーん、まあまあかな。どうする?一応ニンニクも買っておいてもらったんだけど。とはいえ今まで入れたことはないんだけどね、ニンニク。今日は入れてみる気分になったので、2欠片おろして入れてみた。うーむ、なかなか複雑な味になったな。でも悪くないぞ。あとは圧力鍋に入れておけばOKだ。あー腹減った。カレーだけ食べちゃおうかな。いやここは我慢のしどころだ、と思っていたら妻が帰ってきた。「うーん、いい匂い。ごはん、炊く?」。ぜひぜひ。というわけで17時10分、無事カレーライスを食べることができた。しかし、とことんカレーというやつは失敗しないものですな。微調整という名の実験をしてもおいしいもんはおいしい。

 

 

というわけで「Hanami’s キッチン」を終わります。ちなみに僕の作るカレーはシャバシャバです。そういうのが好みなんだ。