昨日、プレイリストが復活して云々ということを書いたが、そのプレイリストは以下の通りである。
1 Bill Frisell「Magic」
2 Scrapomatic「Louisana Anna」
3 ポリス「ロクサーヌ」
4 Bill Jones「Mist Covered Moutains」
5 テデスキ・トラックス・バンド「Signs ,High Times」
今日はこれを紹介したい。
まずはBill Frisellの「Magic」だ。題して「仕事の手を止めさせる環境音楽」。
環境音楽って流しっぱなしにしていても、邪魔にならないっていうか、本を読んだり仕事をしたりできるものだと思っていたんだが。ある時この曲がいつの間にか僕の心の中に棲みついていたことを知って驚いた。いつ入って来たんだ?って感じである。これは仕事をしていてもいつの間にか音楽の素敵さ、摩訶不思議さに気持ちを持っていかれる。それはそれで嬉しいんだけどね。
昨日JUNさんがBill Frisellに反応してくれた。「Bill Frisellは何の曲を聴いているのでしょう。結構つかみどころのない感じのギタリストですが、私は83年のインラインっていうファーストアルバムが名盤だと思っていて・・・」と書かれているのを見て早速ファーストアルバムをチェックした。僕が聴いている「Magic」はインターコンティネンタルズと名付けられた6人組のグループが創ったアルバムである。マリ人のパーカッショニスト以外は全員弦楽器奏者である。ギリシャ人1,ブラジル人1,アメリカ人3(この中にフリーゼルが入っている)という編成なのだが、この多国籍感がいい。
インラインを今聴いているが、このファーストは音楽性は全然違うが、仕事の手を止めるという点では同じだ。しかし彼は膨大な作品を残している。それを見るとなかなか手が出ないもんだね。ゆっくりでいいから制覇していこう。
2曲目はScrapomaticの「Louisana Anna」。題して「どこの、いつのブルースマンだ?おい?生きてんの?」。つまりはかっこいいってことだ。調べてみるとデレク・トラックス・バンドにも参加しているらしい。ヴォーカルのマイク・マティスンとギタリストのポール・オルセンの2人組なのもいい。
3曲目は何故かポリスのデビュー曲「ロクサーヌ」。題して「何故今ポリスなのだ?」。ほんの時々僕にはポリス小ブームが来る。小ブームというのは、大ヒットした「シンクロニシティ」や「ゴースト・イン・ザ・マシーン」を抜いた1~3枚目までのプレイリストを作るにとどまるからだ。僕は未だに「シンクロニシティ」という超名作の良さが分からない。初期の荒々しいポリスの方がかっこよくないか?派である。それで1曲選べとなったら「ロクサーヌ」を選ぶ。ただし何故このプレイリストに入れたのかは不明である。知らない曲ばかりだったから知ってる曲を入れたくなったのかもしれない。それにしても何故ポリス?の答えは見つからない。
でも思い出したことがある(なんでポリスにこんな字数を使うんだ?)。渋谷陽一の「サウンドストリート」の「空耳コーナー」みたいなところにリスナーからこんな風に聴こえるとの投書があった。「『ロクサーヌ』を聴いていると「(大工の)ロクさん」を思い出してしまう」。この話を聞いた後の「ロクサーヌ」は最高だった。以来どうしても「ロクさん」を思い出してクスっと笑ってしまう。こんな名曲なのにね。
4曲目はBill Jonesの「Mist Covered Moutains」。題して「上高地の清流が聴こえる」。特に説明がいらない。それくらい彼女の声は澄み切っている。上高地に行くと決まって清流の音を聞きながらぼうっとしているが、それに近いものがある。
5曲目はテデスキ・トラックス・バンドの「Signs,HighTimes」。題して「空気の音が堪らない」。ギターから始まるのだが、ギターが空気を切り裂く。実際には切り裂いていないし空気の音も聞こえないのであるが、何もない無の状態からギターの音が聴こえると、実際には鳴っていない空気の存在を感じるのだ。それを「間」というのかもしれない。吉井和哉はソロアルバムのほとんどをアメリカで録音していたが、その「間」を求めていたのかもしれない。このバンドの「間」はかなり気持ちのよいものだ。こういうのってどうしようもない、「才能」というしかないものだろうか。