午前3時、昭和プロレスに思いを馳せる

1964年に生まれで今年60歳になる男にとって、1970年代のアントニオ猪木はヒーローだった。テレビで観る猪木の相手は大体が猪木よりも大きくて強そうである。そんで最初猪木は相手に押されているように見える(ホントはそうではなかったことを後で知るが)。しかし最後の最後でバックドロップなりブレーンバスターで勝っちゃう。タイガー・ジェット・シンというヒール(悪役)に対しては、正統的プロレスではない狂気的スタイルを見せて観客を熱狂の渦に巻きこんだ。

 

 

そんな風に自分の作った会社である新日本プロレスで絶対的なエースだった猪木だが、早くから自分が引退した後の新日本プロレスのことを考えていた。そして出した結論が「複数スター制」というものだった。つまり、猪木という巨大なカリスマの穴を埋めるには1人では無理だという考えだった。

 

 

猪木が目をつけたのは、藤波辰巳長州力佐山聡前田日明だった。

 

 

藤波辰巳は、ジュニアヘビー級として鮮烈なデビューを果たして、猪木に次ぐ人気者になった。引き締まった肉体と甘いマスクと確かな実力で男性ファンのみならず女性ファンも魅了した。

 

 

佐山聡は、猪木の格闘技路線の理解者として異種格闘技戦に出たり、猪木用のグローブを考案したりした。そして後にタイガーマスクとして全国を熱狂の渦に巻きこむことになる。

 

 

長州力は、ずっとくすぶっていたが、人気絶頂だった藤波辰巳に対して強烈な牙を剥き名を馳せる。その後維新軍団を作り、猪木や藤波に立ち向かう存在になる。

 

 

前田日明は、猪木に劣らぬ体格から猪木の正統的な後継者として期待されていた。その後ヨーロッパに遠征したりカール・ゴッチに師事したりして確かな実力をつけていく。

 

 

4人もの人気レスラーを生み出した猪木のプロデュース能力は卓越していた。それに加えて高田伸彦やら獣神ライガーやら次々と新たなスター候補生も生まれてくる。しかしどこかで歯車が狂った。

 

 

一番猪木に歯向かっていた長州は、本気で歯向かい新日本プロレスを飛び出してしまう。全国で一番人気だったタイガーマスクは「俺がやりたいのはこんなのじゃない」と言ってこれまた新日本を辞める。藤波辰巳は、ヘビー級に転向して伸び悩んでいる。前田日明はその時ヨーロッパにいた。どうしてこうなったのだろうか。

 

 

それは猪木の求心力がなくなってきたからだ。まずリング外で猪木は多額の投資をし(勿論お金は新日本から持ち出していた)、大失敗を繰り返してきた。それでも人気絶頂の新日本プロレスは回っていたが、やがてこれはおかしくないか?とレスラーたちは思うようになる。なんで俺達が汗水たらしてもたらしてきた儲けが、社長の一存で勝手に使われるんだ?おい俺らの給料上げろ、である。

 

 

もうひとつはリング上での圧倒的強さに翳りが見え始めたことだ。猪木の長年の夢であった世界の強豪を集めて強いものを決めるというIWGPという大会の1回目の決勝で猪木はまさかの敗北を喫した。相手はプロレス下手で力だけは強いというハルク・ホーガンである。この試合については諸説あるが、とにかく全国のファンの前で猪木は失神負けをするという醜態をさらしたのは事実だ。

 

 

新日本プロレスの社長とはいえ、お金は勝手に持ち出し、試合では相変わらずエースとして君臨しているじゃあ下の者は堪らない。結局次世代となるべき4人(プラス多数)は、新日本を飛び出したり戻ったりを繰り返した。それでも新日本プロレス全日本プロレスと並ぶプロレス団体として大きな存在だった。

 

 

 

4人になくて猪木にあったもの、それはプロレスの才能である。人々をハラハラドキドキさせ最後に見ているものの溜飲を下げる。そういう試合をさせたら猪木は天下一品だった。結局猪木は1960年代にデビューして、1998年(平成10年)の引退試合まで新日本に君臨していた(国会議員になるなどして試合数は激減していたが)。

 

 

小学校の頃に知り、働き出してからも見ていたヒーローのいいところもそうでないところも見ることができたことは幸せだったと思う。今、日常的に猪木のプロレスを見ることはないが、確実に僕の細胞を形作っている要素のひとつである。

 

 

 

 

とここまでが午前3時から書いた記事である。めでたしめでたし。頭を働かせることができたよ。今日はいい1日の始まり方をしているようだ。続きは午後に書くとするか。(BGMはビーチ・ボーイズの「エンドレス・サマー」)

 

 

 

 

妻を送り出してから、宅トレをして、何となくのんびりしていた。(いつものことか)

 

 

これから妻に「おいしい!」と言ってもらえるようなポテトサラダを作ろう。禁煙状況は徐々に悪化している。1日3本という最低ラインは超えていないが、今日は0本にするつもりだったのに、コンビニに行って煙草を買ってしまった。18日の診察日までに立て直さなければ。

 

 

 

それでは。