只今15時過ぎ。我々は今、讃岐のホテルにいる。そう、昨日の計画通り、いや計画以上の動きを見せ、こうやってベッドに寝そべってキーボードを叩いているのだ。但しお腹はパンパンでもう動けない。
最初に妻の助けを借りて必要な事項を書いてしまおう。今日かかったお金は全部で30828円。内訳は高速道路の料金が12910円、ガソリン代4618円、ホテル代12000円、うどん代3店舗で2450円、雑費868円である。こうやって書いていると我ながら恥ずかしくなってくる。うどんの為に使ったお金が3000円かかっていないなんて。(妻の「うどんメモ」によるとそれでもここ10年でうどん代は随分と値上がりしたらしい)
ここまで頑張って書いてはみたが、少し眠りたい。ちょっと音楽を聴きながら目を閉じることを許していいただきたい。じゃあね!
結構寝てしまった。もうすぐ16時30分になる。急いでうどんの旅の模様を書き留めておこう。まずは・・・朝からだな。
朝3時。僕はスッキリと目覚めた。コーヒーを淹れ(いつもより少な目)、しばらくしてから妻を起こしに行った。妻がすぐに行動してくれたので、4時には家を出ることができた。長い長いうどんの旅の始まりだ。
グーグルマップによると6時間半で目的地の坂出市に着くらしい。僕は妻と話し合って第3のルートを取ることに決めた。敦賀から若狭舞鶴道に入り、そこから山陽道で岡山を目指すルートだ。これは昔先輩教諭に教えてもらったものである。我々は途中3回の短い休憩を取り、見事グーグルマップの予定通りに坂出市に着くことができた。つまり10時半には現地に着いたのだ。お見事である。あっぱれである。さて、1店目はどこにする?
道中、早く着きそうだと分かった時点で難度の高い(←営業時間が11時半~12時半と限られている)「日の出製麺所」に場合によってはチャレンジする?という話はしていた。それに坂出ICに近い。11時半開店だが、早く着いても待っていよう、と話し合った。「日の出製麺所」には10時40分に着いた。店の前には3人立っていた。僕たちは4番目だ。こんなに早く並ぶのは初めてである。よしっ、レッツゴーだ。
誘導係の人が親切に駐車するところを指示してくれる。車を停めて早速並ぶ。これから小1時間並ぶわけだが、都会の人はへっちゃらだろう。けれど、田舎者の僕にはつらい修行だ。しかし、思ったより早く店の人が出てきて「用意が出来次第開店しますね」と言って、注文を取り始めた。
その結果、11時には店に入っていた。ほどなく僕たちのうどんもやって来た。妻は小の熱いの、僕は大の釜玉の熱いの、である。僕らはガシガシとうどんを食べた。
そうそう、讃岐のうどんの注文の仕方というのも書いておこう。まず「熱いのか冷たいのか」を言う。それから量だ。大体は「小(1玉)、大(2玉)、特大(3玉)」である。オプションとして最近は釜玉もポピュラーである。これは釜揚げうどんに生卵を絡ませたものだ。
僕らは4番目だったが、後ろには長い長い行列が出来ていた。店内はぎゅうぎゅう詰めで僕たちは焦って(別に焦らなくてもいいんだけど)うどんを食べる。この戦いのような食べ方を1店目からするのは初めてだったので、妻は少々テンパっていた。食べ終わって「ちょっと一息つかせて」と言ってきた。僕はもちろんその言葉通りにしたが、心の中では次の店をどうするか算段していた。「がもう」はどうだろう?
妻に「『がもう』、まだ間に合うと思うんだけど」と言ってみた。妻はしばし考えた末に「分かったよ、行こう」と言ってくれた。これは異例なことである。僕たちの今までのうどん旅行は、夜に坂出に着き、まず一般的な「岡泉」と言う店でまったりとうどんを食べ、その日を終える。そして次の日の朝イチで「がもう」に行く。そして2店ほど行ってから「日の出製麵所」に行く(長い行列ができている)、というパターンだったからだ。最初に「日の出製麵所」、次に「がもう」なんてはじめての試みだ。
まあ、しかし、とにかく我々は「がもう」を目指した。こういう時にグーグルマップが威力を発揮する。大体の時間が分かるから行くか行かないかを決めやすいのだ。時間は十分あった。そして結果的に「がもう」に行ったのは大正解だった。明日から休業することが分かったからだ。明日に回さないでよかったよ。だから「がもう」の前にできている長い列の最後に並んでも苦にはならなかった。
妻は例によって「熱いのの小」、僕は「熱いのの特大」を注文した。さあ、お腹はパンパンになってきたぞ。でももう2店行けそうだ。「どうする?どこに行く?」と妻に尋ねると、「やまうち」と「なかむら」が近いと言う。ちょっと待ってと言って両店を調べると「やまうち」が休業日なのが分かった。「なかむら」に決定だ。
それにしても、ほんの数年前だったら、僕たちは「やまうち」に行って「ああ、やられたぁ、休みかよ~」と言って、「なかむら」に向かったはずだ。今はそんなことはなくなった。何でもスマホで調べればどんなことでもスイスイと分かってしまう。まあ、時間のロスがないのはありがたいんだけどね。心の片隅で「失敗しない旅なんて・・・・」という声が聞こえないでもない。
「なかむら」での妻のお目当ては「ちくわの天婦羅」だった。うどん小の熱いのを注文してふうふう言いながら食べる妻。しかしその顔は冴えない。僕は何となく分かった。俺と同じことを考えているな。僕は「ちくわの天婦羅、今までと違うな」と言ってみた。妻は「そうねんて。ころもが今までと違う。それにちっちゃくなってる」と言う。僕も同感だった。
実は「がもう」でも同じようなことを思っていたのだ。「がもう」で僕の定番は「あげ」だった。あげを2枚のせて食べるのが僕の定番だったので、今日も同じようにしたのだが、うどんはおいしかったよ、もちろん。でも、あげの味が変わっちゃったんだよね。かすかに残念に思いながら食べたそのあとに「ちくわの天婦羅」だ。時は残酷だ。変わるものは変わるし、変わらないものは変わらない。
これで3店だ。妻はまだ行けそうだった。僕も昔だったら行っていた。しかし今日は僕の方から「今日はもう無理だな」と言った。「分かった」と言った妻と僕はこの地方で有名な本屋「宮脇書店」に行き、本を数冊買い、15時前にホテルに着いたのだった。
今、お腹は大分落ち着いている。ホテル横の居酒屋に行って少し飲み食いができそうだ。妻はベッドでグウグウ眠っている。17時も過ぎた。そろそろ記事をアップして次の行動に移ろう。
取り急ぎ今日の動きを書き留めてみました。長距離の旅って楽しいね。それに北陸と天気が随分違う。もうそれだけで気分がいいよ。坂出市内では窓を開けて車を運転したよ。それくらいいい天気だった。明日も晴れるといいな。
それでは、これで旅日記その1を終わります。バイバイ!