只今10時20分。さっきまで昨日の出来事を引き摺っていた。今はそれほどでもない。
午前3時に目覚めて、さて、レコードを聴いてみるかという気持ちになった。しかし最近聴いてきたものは聴く気がしない。もっとギザギザしたヤツを聴きたい。そう思った僕は久しぶりにイギー・ポップの「イデオット」を聴いてみることにした。
A面を聴いてみた。悪くない。悪くはないがもうひとつ物足りない。そこで今度は「欲望」(これもイギー・ポップ)を聴いてみた。こちらもA面だけ聴いた。うーん、もっとギザギザしたものってなかったっけ?
「そうだ、ミチロウだ。遠藤ミチロウの声が聴きたい」。そう思った僕は、ザ・スターリンの「フィッシュ・イン」をかけてみた。これだよこれ。こういうささくれだった音が今の自分のピッタリだなと思った僕は、そのままB面も聴いた。
通して聴いているうちにこのアルバムを買った時のことを思い出した。そういえば初めて(店で買うんじゃなくて)注文したレコードだったよなあ。金沢で最初に住んだアパートで聴いたっけ。1曲目からノックアウトされたよなあ。こんな歌である。
「廃魚」
腐った魚が食いたくて おまえはうろつく
空気に触れさせないで 足あとが残るから
腐った魚の目の裏に おまえは生み落とす
腐った魚の目の裏に 玉子を生み落とす
空気に触れさせないで 息が出来ないから
空気に触れさせないで 息が、息が出来ない
そのまま行方知れず そのまま行方不明
もう「廃魚」っていうタイトルから痺れたね。それにしても当時はかなり否定的な気持ちで過ごしていたということがよく分かる。一番聴いていたのがザ・スターリンだったからなあ。「これしかない!」ってな気持ちだった。
このアルバムをもう1回聴いているうちに、妻が起きてきた。そうだ、妻への感謝の言葉を書いておかねば。
昨晩帰ってきた妻は(事故ったという連絡はもう済ませてあった)、「大変やったね」と言い、少しだけ事故のことに触れてからは、いつも通りその日に会った出来事を話すだけだった。気が滅入っていた僕は少し救われた気持ちになった。
とかなんとか言ってるうちに、向こうから電話がかかってきた。昨日僕は、必要があって(書類作成のために相手の職業と年齢を訊かなければいけなかった)電話をかけたが、つながらなかったのだ。
相手は改めて「昨日はすみませんでした」と言ってきた。やはりそう思っているのか。よかった。そして要件だけ話して電話を切った。
それで少し安心したのだろう。ちょっとスティーヴィー・ワンダーを聴いてみようかという気持ちになった。2作品を聴いて、その後エヴリシング・バット・ザ・ガールを聴いて、エルトン・ジョンを聴いた。だいぶ落ち着いてきた僕であった。
保険屋との勝負は来週から始まるだろう。僕は4:6で分かりましたと言うつもりはない。タフな1週間になりそうな予感がしている。それにしても悲しいのはお金である。あっちの修理代は保険が効くが、僕の車は自腹になる(こんなことになるとは・・・)。還暦記念ギターは遠くなったな。
それでは。
やっぱりミチロウはかっこいい。