湖と島を1周

琵琶湖を1周しようという計画は何となく妻と話していた。しかし明日行こうかという時に僕たちは些細なことで喧嘩してしまった。次の日、どうしようと考えあぐねたが、昼過ぎに決心して「今から行くよ」と言った(いつも決心するのが遅い)。妻に異存はなかった。実家でママチャリを借りて、妻がママチャリ、僕はサイクリング用の自転車を使うことになった。車を借り、自転車を載せて琵琶湖北端の余呉に向かった。ここで国民宿舎に泊まり、次の日の朝に備えた。

 

次の日の朝、勇んで出発した僕たちだったがどうも走りの波長が合わない。そりゃ当然だ。サイクリング車とママチャリだもの。僕は彼女のペースに合わせてのろのろと走った。我々は西側から南に下り、東側に回る計画だった。その日はホントの琵琶湖の先っぽを周ることを諦め琵琶湖大橋を渡ることにして、ビジネスホテルを探した。思えばいつもこんなんだ。その時で何とかなると思って旅をしている。

 

その夜は二人とも大変だった。お尻がひどく痛い。あまりに痛いので「ちょっと見てくれる」と言って後ろを向いてパンツを下した。その途端妻は笑い出した。「何これ。真っ赤じゃない」というので、「じゃあ君も見せろよ。痛いんだろ」と言ったら確かにこれは笑っちゃうなってくらい真っ赤になっていた。お互い笑い合い、うつ伏せになって寝た。

 

次に日は痛さに慣れるまで大変だったり、僕の自転車がパンクをしたりで旅は難航したが、何とか日中に余呉に着くことができた。

 

 

 

次の年、「淡路島を1周しないか」と妻に提案した。妻に異存はなかった。昨年と同じスタイルで我々は旅に出た。淡路島北部(北淡)に車を停め、東側から南下した。琵琶湖と違って山が多く自転車から降りることもしばしばだった。しかしその後のダウンヒルは爽快だった。それを繰り返し、何とか南淡の町まで着いた。そこで民宿を探し泊まることにした。前回の経験を活かしお尻は温存できたが、身体じゅうが痛いと言い出した妻に僕は自己流のマッサージを施した。1時間くらいしたな。またその前にレストランで夕食を摂ったが、店の人は気さくで何かと話しかけてくれて楽しく時間を過ごせた。どうも北淡と南淡では島民性が違うようだな、と話し合った(違ってたらごめんなさい)。

 

次の日、快調に走っていたが、北淡に入ると昨日のように山道が多くなってきた。もう少しだと声を掛け合って頑張って根性で乗り切った僕たちは、最後に高級店に入り、おいしい魚料理を食べて帰途に着いた。

 

淡路島を走って思ったことは「匂い」だ。お香の産地で知られる淡路を走ると何とも言えないいい香りがしてくる。これは車の旅では気づかないことだ(実際何度も車で讃岐へ行くときに淡路の道を使ったがそんなことはなかったし、思いもしなかった)。また玉ネギの産地でも知られるが、収納の仕方が独特で観ていて面白かった。じっくり周りの景色をみられるという意味でもサイクリングの旅は楽しい。

 

しかしその後はお互いサイクリングをしようという話は出なかった。佐渡島あたりを1周するのもいいかな、なんて思っていたんだけどな。