昨日はとにかく「ポール!」って思って書いてしまったが、ああいうのを「筆が滑る」というのだろうか。調子に乗っていろいろ書きすぎた、いつもは何日か寝かすんだけどな、書いた文章は。それで推敲を重ねながら記事をアップするんだけど、昨日は勢いで書いてそのまま記事をアップしてしまった。それでは、「ヒストリエ」の最後、いきます。
第9巻
第74話~第76話「密命」
第77話~第78話「メランティオス」
第79話~第80話「カイロネイア」
ある日エウメネスは元老アンティパトロスに呼ばれ、ある「密命」を受けアテネに向かう。その密命とはあのフォーキシンを懐柔することであった。アンティパトロスは次の戦いではアテネに勝つことを予想していた。「その後のアテネ」をフォーキシンに任せたいと企てていたのだ。しかしフォーキシンは清貧の人でなかなか面会できない。エウメネスは得意の策と例の将棋を使ってフォーキシンから信頼を勝ち取った。しかしフォーキシンがエウメネスに会う気になったのはある信頼できる人物に頼まれたからだと言う。それが誰かを知りたいエウメネスが調査した結果、その人物とは・・・。あのカロンであった!
現在はメランティオスを名乗る彼と話した後、別れ際に「大いなる自由!おめでとう!メランティオス」と祝福するエウメネス。それに対し「ありがとうございます・・・!今は自由の軽さと重さ、存分に味わっております」と答えるカロン。カロンはエウメネスのことを自分の息子と思って生きてきた。どちらもかっこいい。しかしフォーキシンはアテネのデモステネスの言論に敗れ、アテネはマケドニア軍と戦うことになった。副将のアレキサンドロスといえば、フォーキシンが軍を率いていないことに怒り、悲しむ。が、それにもめげずにアレキサンドロスは1番手を志願する。いよいよカイロネイアで戦が始まる。
第10巻
第81話~第84話「カイロネイア」
第85話~第87話「王の左腕」
整然と陣形を作り動かすマケドニア軍。アレキサンドロスは、「抜けたら左ね」というシンプルな指示を聞き、突入する。しかし、彼には特別な才能があった。「ほんのわずか先が見える」ようなのだ。そしてどこが開くかを見切った彼は味方を置いて突進。その後鬼神のようにアテネ軍を蹴散らす。その後マケドニア軍は「本気」を出し、完全勝利を治める。長きにわたりエーゲ海を支配した「海上帝国・アテネ」はここに消滅した。
カイロネイアの戦いの前・・・。フィリッポスはアンティパトロスにエウメネスには「王の左腕」として育てようと思っていることを告げる。しかしそうなるためには一つ障害があった。エウリュディケである。結果としてエウリュディケは王の第7王妃となることに決まった。エウメネスはエウリュディケに自身の気持ちを伝えたが彼女の決心は固かった。すっかりやる気が失せたエウメネスだったが、何やら周りがざわついている。「王の左腕」とやらで。気になるけど「気にならない」と言い張るエウメネス。やっとメナンドロスに「王の左腕」とは「パルメニアン(軍の左翼)の後継候補」ということを知る。アレクサンドロスからも「将来の副司令官候補」と言われるがきっぱりと否定するエウメネスであった。
第11巻
第88話~第93話「心の座」
第94話~第95話「引っ越し祝」
第96話~第97話「オリュンポス処分」
第88話で一人の男が新しく登場する。名はパウサニアス。アレクサンドロスと瓜二つの顔を持つ男。しかし彼の顔にはライオンによってつけられたひどい傷が残っている。現在王の護衛兵になっている。
一方エウリュディケは、すでに王宮へと引っ越していた。しかしもう魔の手は伸びていた。それに気づいたエウメネスはフィリッポスに注進する。フィリッポスはオリュンポスの仕業であると見抜き、彼女を処分することに決めた。旅の途中で(オリュンポスはフィリッポスの気持ちに既に気づいていた)殺される目前のオリュンポスだが、あと一人の刺客を殺せば生き延びられる。しかしその一人はパウサニアスだった。アレクサンドロスと瓜二つの顔を持つ彼を見てオリュンポスは・・・。次、どうなるんだ?
「チェーザレ」の時代考証もすごいが、「ヒストリエ」もすごい。紀元前の話をよくあそこまで復元させたものだ。慌てないからゆっくり仕事を進めてもらいたい。
何だか試験みたいな日々だったな。しかしお話の概要を描く作業は頭の体操みたいで面白かった。