「パーフェクト・デイズ」を2回観てきたよ

昨日今日と、早朝に金沢へ行って、映画「パーフェクト・デイズ」を観てきた。お客さんは少なかった。昨日は10人ちょい、今日に至っては5人だった。それも全員高齢者だ。ゆったり観ることができたのはいいけれど、ちょっと寂しい入りだった。若い人でも楽しめる映画だと思うんだけどな。

 

 

僕は、どうも気に入った映画に出会うと、時間が許せばもう一度観に行っちゃうタイプみたいだ。古くは「千と千尋の神隠し」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」、新しくは「ボヘミアン・ラプソディ」(←新しくないか)などだ。今回の「パーフェクト・デイズ」も気に入ったので今日観に行ったというわけだ。

 

 

何が気に入ったのかというと、一番に挙げられるのは音楽だ。僕の好きなルー・リードの「パーフェクト・デイ」が劇中で流れて、最後のエンドロールではその曲がピアノで奏でられる。もうそれだけで、ウットリしたよ。それにザ・キンクスの「サニー・アフタヌーン」やオーティス・レディングの「ドック・オブ・ザ・ベイ」が流れてくるんだもの、ワクワクしないはずがない。

 

 

次は、チャーミングなエピソードが多いことかな。特に女性と主人公の平山(役所広司)が絡むシーン。4人と交流する場面があったが、どのシーンも印象に残るものだった。若い女子2人は「どこからこんなに素敵な人を探し出してきたんだ」と思ったし、若さ故(なのかは分からないが)の切羽詰まった演技が素敵だった。また石川さゆり麻生祐未の2人も円熟の演技で好感が持てた。

 

 

そして平山の生活ぶりを淡々と描いて作られる映画の世界。これに心地よさを感じたんだろうな。だからもう一度その世界にどっぷりとはまってみたいと思ったんだ、きっと。

 

 

素敵な映画に出会った時の心地よさはテレビや動画では得られない何とも言えないものだった。これ以上書くと内容に触れることになるのでやめとこう。

 

 

なんて言っちゃってるけど、何て言うのかなぁ、僕には映画の評論はできないみたいだ(もちろん音楽についても同様だ)。昨日は妻と行ったんだけど、帰り道に困ったよ。「最後のあのシーン、貴方はどう解釈する?」なんて言うんだもん。僕はただただ受け身というか、ヴィム・ヴェンダース監督の作る世界に身を委ねて気持ちいいなあと思うだけだったんでね。

 

 

「俺、分析とかはできないんだよ。分かってるでしょ?」と言うしかなかった。でも昨日の妻は結構しつこかった。「あの『・・・・・』っていう言葉、どう思った?」とかいろいろ聞かれちゃったので、あれこれどうでもいいことを喋ってしまった。そして妻に明日も観に行くわ、と言うと「明日は何に注目して観るの?」と言われる始末だ。しょうがないので「セリフに注目してみる」とだけ言った。

 

 

帰ると早速妻からの質問攻めだ。「どう?気になるセリフはあった?」「いやあ、・・・てへへ」と誤魔化した僕だったが、一応何か言わねば、と思い次のように言った。

 

 

「リフレインの魔力が存分に発揮された映画だったと思う。平山の日常というかルーティンをこれでもか、というくらい克明に繰り返して見せる。そして、そのルーティンの中に誰かがちょっとしたさざ波を起こす。するととてつもなくチャーミングなシーンになるってことを感じたよ。そのさざ波の積み重ねで段々物語が盛り上がるところなんかはラヴェルの『ボレロ』みたいに感じたな」

「あとは、説明する場面が皆無だったこと。これは素晴らしかった」

 

 

これくらいで許してほしかったので、「そろそろ実家に行こう」と話を変えた。そして実家に行き、神棚をちゃんと新年用にして、母のベッドのマットの入れ替えをして帰って来た。そうだそうだ、世の中は大晦日なんだ。僕はこの4日はうどんうどん映画映画だったんですっかり今日が今年最後の日だということを忘れていた。昨日ブログに書いたはずなのに。この4日は遊び歩いてたんだな。スパッと仕事のことを忘れた楽しい年末だったよ。

 

 

というわけでhanamiのブログも今年最後となりました。仕事に関しては弱っちいことばかり書いてきたような気がするが、そんなことは横に置いておいて音楽生活がより豊かになったことを喜ぼうではないか。何の気なしにレコード生活に入ったのが2月の終わりごろか。それからは怒涛のレコード生活だったな。楽しいことが増えたという意味ではいい1年だった。

 

 

ああ、それからマリコさんのことも大きな出来事だったな。職場関係の人で、というか大学を卒業してJUNさん以外の人と好きな音楽について話すことができたなんて夢のようだったな。(←なんのことだか分からない人は「マリコさん」で検索してみよう!)

 

 

 

そういうわけで只今16時30分。僕の今年の時間はあと4時間ほどだ。目が覚めたらきっと新年になっているだろう。そろそろ記事をアップして、夕ご飯でも作るとするか。おっとその前に記録マニアの僕としては、一応これまでの記事数も書き留めておきたい。

 

 

2019年:16記事

2020年:342記事

2021年:324記事

2022年:235記事

2023年:326記事

 

 

今年326記事も書いたんだ。すげーな、俺。

 

 

 

そうそう、それから12月のアクセス数なんだけど、今までで一番多いんだよね。何でかは謎だけれど、とても嬉しいことだ。拙文に付き合って下さりどうもありがとうございます。

 

 

 

それでは。よいお年を。