今日はご飯3杯でいきたい。となると、かなり自信を持ってお勧めできる楽曲にしたいところだ。というわけで昨日からさり気なく聴いているルー・リードの「パーフェクト・デイ」を紹介しよう。
昨日映画「パーフェクト・デイズ」でこの曲が流れていたと書いた。その時から頭の中で鳴り続けているんだよね。僕は、「パーフェクト・デイ」こそがルー・リードの楽曲で万人に受け入れられるだろう第1位の曲であると思っている。
初めて聴いたのは、高校時代だった。荒んだギザギザロックを追い求めていた頃だ。退廃とかSMとか煽り文句が凄かったアルバム「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ」(ルー・リードが在籍していたグループ)を聴いて今ひとつピンと来なかった僕は、もう一度賭けに出た。ルー・リードのソロ第2作目の「トランスフォーマー」を購入したのだ。「トランスフォーマー」のA面3曲目に配置されているのが「パーフェクト・デイ」である。
1曲目は景気のいいロックンロール(でもタイトルは「ヴィシャス」)で始まって、「うん、いい感じだな」と思っていたら、2曲目は少し静かになり、3曲目で「おいおい、ロックンロールはどこに行ったんだ」となった。でも、一聴してこの曲の虜になったんだよね。ルーの声質が十二分に生かされている。
特に声がよれて聴こえるところ(2回目のサビのところ)。あの暗黒大王のルー・リードの声がよれるなんて思いもしなかったもんだから驚いた。長らく「トランスフォーマー」で聴くべき曲は「パーフェクト・デイ」「ワイルドサイドを歩け」「サテライト・オブ・ラヴ」の3曲だと思っていたし、今もそう思っている。
でも「パーフェクト・デイ」が素晴らしいっていう話はほとんど聞かなかった。これが不思議だった。みんなはやはりルー・リードに暗黒大王を求めていたのかな。それとも密かに愛聴されていたのかな。
ネットで検索してみると、この歌の和訳が載っていた。遠慮しながら、ごめんなさいをしながら引用させていただこう。和訳したのは「放浪の向こう側」さんという人である。5年前のものだ。
ただただ完璧な一日だ
公園でサングリアを飲んで
そして、その後 辺りが暗くなって、僕たちは家路に着く
ただただ完璧な一日
動物園で、動物にエサをあげて
それから映画でも観て、そして家に帰る
ああ、なんて完璧な一日だろう
そんな完璧な一日を君と一緒に過ごすことができて僕はとても嬉しいよ
君は僕をかろうじて生かしてくれている
君は僕をかろうじて生かしてくれている
ただただ完璧な一日
問題はすべて置き去りにして
僕たちだけの、週末の楽しみなんだ
ただただ完璧な一日
君は僕が何者であるかを忘れさせてくれる
何だか自分が、誰か別の善良な人間のように思えたんだ
ああ、なんて完璧な一日なんだろう
そんな完璧な一日を
君と一緒に過ごすことができて僕はとても嬉しいよ
君は僕をかろうじて生かしてくれている
自分の蒔いた種は、すべて刈り取らなくてはいけない
自分の蒔いた種は、すべて刈り取らなくてはいけない
自分の蒔いた種は、すべて刈り取らなくてはいけない
自分の蒔いた種は、すべて刈り取らなくてはいけない
気になる箇所はいくつかある。まずは「君は僕をかろうじて生かしてくれている」だ。全くその通りだよ、ルー。俺もそうなんだ。妻が居なかったらなんもできない男なんだよ。いろいろ想像してみたんだけど(妻に先立たれた時のこと)、何回シミュレーションしてみても、僕はクズ人間になってしまうんだ。それなのに彼女にひどいことをしていることも事実なんだ。僕が先に死ぬことになった時には「ありがとう」なんて言えないな。「ごめんね」と言うしかない。
次は「自分の蒔いた種は、すべて刈り取らなくてはいけない」だ。これも今、正に直面していることなんだ。全く気づくのが遅い人間だよ、俺って。ルーに4回もこのフレーズを歌われた日にゃあ俯くしかないね。まだ20代だったと思われるルー・リードの歌詞にもうすぐ還暦を迎えようとしている男が打ちのめされているんだから笑えるね。でも死ぬまでにすべて刈り取らなきゃね。自分で蒔いた種だもんね。
あとは「君は僕が何者であるかを忘れさせてくれる/何だか自分が、誰か別の善良な人間のように思えたんだ」だな。ホントに困惑してるんだけれど、妻は僕のことを人間として結構評価してくれているらしい。そうじゃなきゃ一緒に暮らしてないか。まあ「善良」と言われたことはないけどね。
今日みたいな日に「ただただ完璧な一日」と歌われると、「そうだな」と思ってしまう。今日はそんな一日だった。
どうです奥さん?そろそろ聴きたくなりましたか?いっちょうYouTubeで聴いてもらいましょうか。いい歌ですぜ。
昨日の精神科受診で「寝てもすぐに目が覚めてしまう」と言ったら、主治医が新しい薬を処方しようとしたので慌てて「頓服は飲まないようにしてるんで、これから飲んでみます」と言った。これ以上眠剤を増やされちゃあ堪らんよ。主治医は「脳は休めないと」と言う。僕は休日出勤していたことは言わないでおくことにした。
それから「ここまで来たら、最後まで貴方に付き合うから」とも言ってくれた。きっと全てお見通しなんだろうな。僕のダメっぷりを。2週間後、もう一度受診をして冬休みに年休で凌ぐか、病休を取るかを決めることにした。
今日は妻と仲良く担々鍋を食べる予定だ。今から作ろうと思う。
今週は成績処理の毎日だ。テストの丸付けと児童を評価する日々が僕を待っている。成績を担任に渡せば一息つけるかな。
それじゃね。バイバイ!