hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

インド新婚旅行記その4

妻が発熱。よほど気を張っていたのだろうか。心配になった僕は医者を呼ぼうと言った。しかし異国の地で医者にかかるのは嫌だと妻は言う。とにかく様子を見ることにした。しかし朝になって昼近くになってもすっきりしない様子だった。

 

もう一度妻に医者にかかろう、と強めに提案すると妻も同意してくれた。さぁ、僕の出番だ。フロントに行って説明しなければ。例によってブロークンな英語で「マイワイフキャッチアコールド、ゴホンゴホン、シーニーズアドクター」などとジェスチャーを交えながら話すと割とすぐに理解してくれた。

 

しばらくして医者が来た。昨日までに接したインド人はみんな日本人のことを食い物にしている人ばかりに思えていた僕は不安だった。そこへ医者がやって来た。やはり、というか当然典型的なインド人顔だ。大丈夫だろうか。「やぶ」じゃないだろうか。そんな人に妻が診察されるのはなんだか複雑な気持ちだった。

 

まあそんなことを思っても仕方がない。ここは日本じゃない。この医者に任せるしかない。

 

喉を診て、心音を聞く。当たり前の光景だ。まあ、大したことないだろう、一日ゆっくり静養しなさいと言われ(言われたような気がした)、薬を処方された。この日は一日ホテルでゆっくり過ごすことになった。妻はしきりに外に行けば?と言うが新婚旅行なんだし、ふらふら単独行動することは慎んだ。

 

しかし、小さいけど確かな幸せがあった。夕食である。僕達は何も言わずとも悟っていた。インドで食べる料理はカレーでなくても全部がカレー味であることを。僕は毎日タンドリチキンを食べていた。アジアといえばチキンだ。何処に行っても本当に美味い。しかしカレー味やタンドリチキンに飽きていた僕は、この日の夕食にスタッフドトマトを選んだ。それが激うまだったのだ。って言ってもそんなもの食べたのは初めてだったけれど。これはカレー味のしない本物の(多分)スタッフドトマトだと思う。海外旅行で食べた美味い食べ物ベスト5には入るな。因みに1位はタイと中国国境の町で朝食べた粥である。あれは忘れられない。2位はタイの辺鄙な遺跡の近くでテントを張って経営していた店で食べたフライドライス(チャーハン)である。3位はベトナムのスプリングロール(春巻き)4位は邪道だがバリの日本食レストランで食べた鯖の塩焼きだ。

 

そして次の日、妻は何とか元気になっていた。熱も下がっていたので、外へ散策することにした。そしてガンガー(ガンジス河)を見に行った。残念ながら沐浴しているところは見られなかった。子ども達が高いところから飛び込んで遊んでいるだけだ。それにしても大きい河だった。これは河か?というくらい大きく水量がある。水は濁っている。足を水につけたい欲求を抑えながら僕たちはぼうっとガンガーを見ていた。ガイドブックの「地球の歩き方」(まだあるのかな?)には絶対沐浴しないように、と書いてある。でもあわよくば、と僕は思っていた。どちらからともなく帰るか、という段になって写真を撮っていないことに気づいたので撮ろうとすると、好奇心ありありのインド人男性がこちらに近づいてきて撮ってくれた。また何か言われるかな?と思ったが、何も言わずに元いた場所に戻っていった。その写真は今もリビングに飾ってある。

 

そろそろヴァラナシを離れる時期かな、と僕は思った。