ビョークは知人に紹介してもらった。初めは「セルマ・ソングス」(2000)だったと思う。それまでビョークの存在は知ってはいたが、僕のアンテナには引っかかってこなかった。そして「セルマ・ソングス」を聴いてもピンとこなかった。しかし、この作品はビョーク主演の映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のサウンドトラックでもあった。早速映画を観ていたく感動した(いや衝撃を受けた、かな)僕は、もう一度「セルマ・ソングス」を聴いてその素晴らしさにやっと気づいた。
こうしてビョークとの付き合いが始まった。しばらくは、「セルマ・ソングス」収録のお気に入りである「I’ve Seen It All」「New World」を聴いていたが、早速検索活動開始だ。といっても当時のことだから、CD大人買い作戦を決行することにした。
そこでひっかかったのが1st「Debut」(1993)、3rd「Homogenic」(1997)である。しかし、最初「ヒューマン・ビヘイヴィア―」はよく分からなかった。「人類の振る舞い」って何だろう、と訳詞も読まずに聴いていたが、だんだんとビョークの歌声に惹きつけられるようになった。しかし一番はやはり「ヨーガ」だった。いくつもヴァージョンが発表されているがどれを聴いてもいい。
ビョークの動物的な声とエレクトロニックな音楽が見事に融合している(三流記事みたいな表現だな)。
初めてリアルタイムで買ったのは、「ヴェスパタイン」(2001)だったと思う。「ヒドゥン・プレイス」「ペイガン・ポエトリー」をよく聴いた。その後、「メダラ」(2004)「ヴォルタ」(2007)と追いかけてみたが、初期の瑞々しさの方に惹かれていた僕はそちらばかりを聴いていた。「レオン」にビョークが流れた時はびっくりしたな。
それからスマホ時代に入り、追いかけてはみたのだが、どうもピンとこなかった。しかし2015年発表の「Vulnicura」は何だか気になる作品だった。特に「Mouth Mantra」という曲を大いに気に入った。そこで同年に発表されたライブも聴いたが 1曲目が「Mouth Mantra」でしかも「おおっ」という出来で、僕は大いに満足した。ビョークにはストリングスもよく合っている。
映像でビョークが海辺で無邪気に小さな機械をいじっている姿を観たことがある。その様子は何だか神々しかった。常に何か面白い音がないかを探している巫女のようだった。
今ではたまにしか聴かないけれど、聴いたら一気に「もっていかれる」よ。