「突っ込んで聞く力」が弱くなっている

木曜日に「割合」の授業が終わった。最後の時間は「どちらの包帯の方がよくのびるといえますか」という問題を倍を使って解決するものであった。

 

「Aの包帯は30㎝→60㎝」、「Bの包帯は15㎝→45㎝」に伸びる。どちらも差が30㎝だということに目を付けた児童が20数人、倍に目を付けた児童が9人であった。差に目を付けた児童は当然「のび方は同じ」と考える。しかし、ある子が、「もとの大きさが違うんだから・・・」と言った時、僕は反射的にその子に「ストップ!」と言い、他の子に「今何て言った?」と尋ねた。他の子はちゃんと聞いていて発言を再現することができた。ここまではよかった。しかし僕は「そうだよね」と言って、続きを言わせた。ここが大問題だ。

 

その時僕は「もとの大きさが違う?へぇー。」あるいは、「えっ?そうなの?」とみんなに問いかけるべきだった。そうすると、「だって・・・」という言葉が生まれたかもしれない。前に出て説明する子もいたかもしれない。

 

そうすることで、何となく分かっていたことが、はっきりと分かることに繋がると思う。差で考えていた子は何となくけむに巻かれた気持ちで倍の考えに切り替えたはずだ。失敗した。ずっと「割合」の学習をしてきたので、差で考える子がいても、「あっ、そうか」と納得するもんだと薄っすら考えていたのが甘かった。

 

今の僕に足りないのは「突っ込んで聞く」ことだった。しかし「突っ込んで聞ける」のは、その教材のことをかなり分かっていないとだめだ。

 

でも今の自分に足りないところが分かっただけでもよしとするか。