hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

「塩狩峠」三浦綾子

最近は、昔読んだ本の紹介期に入っているな。今回は三浦綾子である。花村萬月とは大違い、と思われるかもしれないが、彼も実はキリスト教と深い関係がある。

 

「氷点」「続・氷点」は、高校時代に読んで以来、度々読んでいた(かなり気合を入れて読まなければいけなかったけれど途中でやめるわけにはいかない小説だ)。

 

塩狩峠」は大学を卒業してから実家にあったのを発見して読んだと記憶している。

 

僕は別にキリスト教信者ではないし興味もそんなにない(一時期宗教って何だろう?と思いいろいろな本を読んだことがあるが)。この本もキリスト教が大きなテーマになっているが、僕が繰り返し読むところはそこではない。

 

僕が読むところは、主人公の永野信夫とその親友の妹ふじ子の淡いが芯の強い恋物語の部分だ。特に信夫が北海道に渡り、ふじ子と再会してから最後の結末までは今でも読む返すことがある。俗っぽいかな。

 

この時代の恋愛、しかもこの時代でのキリスト教という特殊な宗教、その上彼女は不治の病とされていたカリエスという病気、とくれば、べたべたな話なのかなと思いがちだが、この物語ではむしろ二人の関係は爽やかに美しく描かれている。

 

見舞いに行くたびに信夫の持ってくる花や果物を喜ぶふじ子。旭川に転勤になることをふじ子に告げた時の様子。そしてふじ子に結婚を申し込む場面。元気になってえんじの角巻を着て家に帰って来るふじ子の様子。こんな場面ばかり繰り返し読んでいる。

 

恋愛小説は読まないが、信夫とふじ子のような話ならいくらでも読みたい。