400

400 授業Ⅰ-④

他の子がうんうんと頷いたので、私は、「今、タケルさんは何て言ったの?」と聞いた。「俺から言うね、と言いました。」とハジメが言う。「そうだね。先生が何も言わなくてもタケルさんは自分から言ったんだ。これがさっき言った自己決定だ。ハジメさんもそ…

400-授業Ⅰ-③

子ども同士でやり取りすることを何回か繰り返してから私は、「2つ目の図でボール投げをした時にシンヤさんが困っていたら、ハジメさんが『誰でもいいんだよ』って言ってたの、素晴らしかったなぁ。マナさんとレンさんにも声をかけていたね。」「スズカさん…

400-授業Ⅰ-②

私の手の中にソフトバレーボールが現れた。 私は、「はいっ」と言っていきなりスズカにボールを投げた。スズカは、びっくりした様子だったが、上手くボールを取ることができた。「はいっ」と私はスズカの方に手を出してボールを返して、というポーズをとった…

400-授業Ⅰ-①

「それじゃあ、先生と同じ『タ』のつくタケルさんに号令を頼もうかな。」「えー、面倒くさいなぁ。」とタケルが言ったので、「これは、ここで1回しかしない授業です。君達とは1回しか授業はしない。先生は面倒くさい、って思ってはしない。もう2度と君達…

400-始まり②

400

山奥にいる森の中のキツツキがドアをつついているような現実離れした音だった。しかし確かにノックの音だ。私はしばらく待ってみたが、再びノックの音はしなかった。ドアを開けるか迷ったが、結局好奇心に負けて玄関に向かった。 ドアを開けるとそこには妖精…

「400」のリライト

400

今「400」を読み返してみると、かなり恥ずかしい。しかも今のこの状況に合っていない。当時(まだ昨年の秋のことだ)は一生懸命書いていたけれど加筆修正できるところはしていこうと思い立ちました。でももう「400」に書いてあるような授業はできないかもし…