hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

タイその2

壁画を見に行くところからだな。うーん、特筆すべきことはあんまりないんだけど、どうしよう。とにかく広い岩壁を眺めているのは僕達2人だけだった。

 

壁画を「ふーん・・・」と見ていると、さらに彼女から「すぐ近くに遺跡があります」(彼女の英語は敬語に聞こえる)と言われたのでアンコールワットみたいなのを連想しながら行った。確かに石で作られた遺跡で観光客もたくさんいた。

 

僕が一番驚いたのはこの遺跡は国境を跨いでいたので2国(タイとカンボジア)の軍人がいたことだった(このことは前に書いた)。銃を持った複数の軍人がいるだけでビビったが、両国の軍人が談笑していることにも驚いた。どこもかしこも国境が緊張状態にあるわけではないことを知った。

 

その後だだっ広いところに簡素な日除けのテントを張ってあるだけのレストランに連れていかれた。「これは、不味い料理しかないよなあ」と思わざるを得ない店構えだった。「こういうときはこれしかない!」と「フライドライス(炒飯)」を注文した僕は一口食べてビックリ仰天した。今までいろいろな所で食べてきた中で一番の美味しさだったのだ。いやあ、世界は広い、と思った次第だった。

 

そんなこんなでその後、予定通り小学校に連れて行ってもらったし、彼女の家にも連れて行ってもらった(昨日のお父さんが出迎えてくれた)。そのことにも触れたいのだが、ここはちょっと時を戻してみよう。

 

前の晩、タクシーで連れて行ってもらったところは、まあ可も無し不可もなしという中級ホテルだったが、ディスコのようなところから大音量で音楽がかかっていた。「チャラチャラしてるなあ」と思ったが、外に出るのは億劫だったのでホテルのレストランで夕食をとることにした。

 

僕を給仕してくれたのは、若くて新人の匂いがプンプンする女性だった。この子を見るのが面白くて楽しくて結局このチャラいホテルに3泊もすることになったのだ。

 

「何がお勧めかな?」と僕が聞くとあたふたして「ジャストアモーメント」と言って厨房に聞きに行くわ、持ってきたビールをこぼしそうになるわで満足に給仕できない。そのたびに「ノープロブレム」と言う僕に申し訳なさそうに笑う彼女の笑顔は素敵だった。

 

なんだか女性との関わりばかり書いているが、そうなのだ。今回の旅は女性との関わりが多かった。もうひとつあるが、それは今度書くとしよう。(←こっちはかなり生々しく哀しい)

 

「今日はどこに行ったのですか?」と尋ねる(給仕は残念だったがとても人懐っこい人だったのだ)彼女にあそこへいってどうしたとか僕なりのブロークンな英語で喋り、彼女も「うんうん」と頷いている。結構な時間喋っていたが厨房から呼ばれたので引き返した彼女は何だか僕のことを話しているようだ。時折「キャー」と笑い声が聞こえてくる。

 

これは明日もここで夕食だな、と思った僕は次の日、遺跡や小学校に連れて行ってくれた女の子に丁寧にお礼を言って料金を払い、その足で例のレストランに入った。

 

他のお客さんの給仕をしていた彼女が僕に気づいた。にっこり笑って挨拶すると、素敵な笑顔が返って来た。しかし厨房に戻ってからなかなかテーブルの方に来ない。様子を窺っているとどうも他の女子から「あなた、昨日のお客さん来たわよ、早く行ってらっしゃい」「えー、恥ずかしい」みたいな(あくまで想像ですよ)会話をしているのが聞こえた。まあ、とにかくキャピキャピした雰囲気が伝わってきた。

 

しかしなんだかんだ言って僕のところに来た。昨日と同じビールを頼み、「今日のお勧めは?」と聞くと「〇〇は食べましたか?」「いや、食べたことない」「それじゃあ今日は〇〇にしましょう」と言うではないか。何だ、ちゃんと客にお勧めできるじゃないか。それからまた料理を持ってくるごとに今日はあそこに行った、それからこれを買ったなどと喋っていた。僕は昨日より彼女と仲良くなった気分になって長居してしまった。

 

30過ぎの観光客とレストランで(多分)バイトしている10代の女性。日本でそんなシチュエーションだと、なんだかスケベ臭いが、外国でもおんなじだ。本当は次の日チェックアウトの予定だったが、フロントに行って「もう1泊させて下さい」と頼んだ僕はきっと舞い上がっていたのだろう。

 

最後の夜も楽しい時間を過ごして、気持ちよく別れた、ということにしておこう。

 

と、これで終わったら何かあったように思われるか。何かあったらここまで書けないよ。一人旅なんてこんなものですよ。