hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

トイレに行くのが怖かった

本を読んでいてトイレに行くのが心底怖ろしかったのはスティーヴン・キングの「シャイニング」を読んだ時である。読んでいたのが深夜だったのもよくなかった。

 

初めて僕がキングの本を読んだのは、文春文庫で出版されていた「ペット・セメタリ―」である。「あまりの恐ろしさに発表を見合わせていた」という煽り文句を読んで興味を持ったからだ。死んだ動物がある場所に置くと蘇って戻って来る。生前とは違う全く違う「何か」になって・・・。そこに人間を置いてきたらどうなる?・・・というこの物語は確かにかなり怖かった。

 

しかし、キングの物語の世界に魅了された僕はその後何冊か読むことになる。そして意を決して「シャイニング」を買った。何故そんな決心をしなければいけなかったかというと、キューブリックの映画「シャイニング」の方を既に観ていたからだ。まああれは、ジャック・ニコルソンが怖かったのだが。何となく本の方には手を出しづらかった。

 

そして・・・。やはり本の「シャイニング」は怖かった。主人公ジャックは雪に埋もれて閉鎖されるホテルの管理人として家族と訪れるが、徐々に狂気に落ちていく。ホテルでの生活が細かく描かれ、ジャックが少しずつ狂っていく様子を読むうちに僕は物語の世界に引き込まれて心底怖くなった。これは訳者の深町眞理子のせいだ(?)。淡々とした文体が恐ろしさを助長していた。その結果(読んだのは実家だった)トイレに行くのに「行くぞ!」と決心しなければいけなかったのをよく覚えている。

 

 

でもキングで一番のお気に入りは、「デッド・ゾーン」なんだよね。映画も良かった。二番目が「ファイアスターター」。映画はイマイチだった。どちらも超能力者が主人公の切ない話です。

 

「IT」「ミザリー」以降はあまり読んでいない。キングの汲めども尽きぬあの熱量はどこから来るんだろう。