思えば56歳になる少し前にこのブログを開設した。それから「〇回目の誕生日に」と題した記事を書くのは5回目である。ブログを開設したことが随分と昔のように思える。書いた記事数は、2000近くいっているのではないだろうか。Kindle本を出版するにあたり、過去記事は削除したので正確には分からないが、グータラ過ごしてきた僕としては人生でベスト5に入るくらいの快挙であると思っている。
しかしながら、今年のブログ活動は低調だった。多い時は年に320を超える記事を書いてきたというのに、今年は100ちょっとだ。これに対しては忸怩たる思いである。それだけ頭を使っていなかったとも言えるからだ。
頭を使っていないということは、それだけ心動く体験が少なかったとも言える。確かにレコードを聴く機会は減った。もっと言えば音楽自体を聴く時間が少なかった。それは記事の内容にも表れている。その代わりに増えたのが、本を読むことだ。
これは、夏の終わり頃に「このままじゃあいかん」と思い、スティーヴン・キングの本を買った時から始まった。残念ながら彼の本(「ビリー・サマーズ」)は完読していないが、達兄ぃから紹介してもらった藤原伊織作品を全部読んだ。そこから勢いがついて、今では毎日何ページかは必ず読むようになった。今は、「宙わたる教室」を書いた伊予原新の「オオルリ流星群」という本を読んでいる。
というわけで、毎年今年を振り返って刺激を受けた音楽を書き留めてきたが、今年は藤原伊織で決まりである。今年一番の衝撃だったと力強く言える。この際だから彼の作品を列挙しておこう。
「ダックスフントのワープ」(1987)
「テロリストのパラソル」(1995)
「ひまわりの祝祭」(1995)
「雪が降る」(1998)
「てのひらの闇」(1999)
「蚊トンボ白髭の冒険」(2002)
「シリウスの道」(2005)
「ダナエ」(2007)
「遊戯」(2007)
「名残り火 てのひらの闇Ⅱ」(2007)
僕のお気に入りは、「蚊トンボ白髭の冒険」と「名残り火 てのひらの闇Ⅱ」だ。
これについては、以前も書いた。主人公と彼を取り巻く人たちのキャラがとにかく魅力的だ。最初はそんなに活躍しないかな、と思ったサブキャラもいつの間にか勝手に動き回っている。そうだなあ、「名残り火」ではサブキャラがこんな動きをする。
主人公(商社マン)が部下(女性)と一緒に、とある偉い人に会いに行く。それはもうとんでもなく偉い人だ。そしてまあ気に入られるわけだ。とんでもなく偉い人はどっかに飲みに行こうと2人を誘う。そこで部下は、いつも主人公と行っている店はどうかと提案する。どこにでもある店だ。
しかしその店は、かなり癖の強い女性が切り盛りしている。偉い人はそんな店に行ったこともないから珍しがるが、女主人は彼にそっけない態度をとる。やべえと思った部下だったが、偉い人はその店を気に入り、一人でもその店に行くようになる。
そのうちに偉い人は、主人公に「バイク買おうと思ってるんだが」と相談する。そしてなんとハーレーを速攻で買っちゃう。そしてそして何と偉い人は、主人公や部下の知らないうちに女主人と仲良くなって結婚までしちゃうのだ。偉い人なんだから、結構いい歳なんだよ。
これは、物語の本編から外れた話である。主人公が事件の解明に向けてあっちへ行ったりこっちに行ったりしている間に、サブキャラはどんどんその個性を際立させ、動き出す。このように軸となるストーリーとサブのストーリーが絶妙に絡み合いながら物語は進んでいく。しかも決して長編というわけではない。
もっともっと彼ら彼女らが何をするのかを見たい、そう思っているうちに物語は終わってしまう。その後は深い満足感を味わうと同時に「よしっ、次の作品を読もう」という気持ちに掻き立てられる。10作という少ない作品ではあったが、この期間は幸せホルモンが出まくっていた。
惜しいと思ったのは遺作となった「遊戯」である。これは、連作ものではあったが、徐々に登場人物が絡み合い、大きな物語となるはずだったと思われる。しかし残念ながら作品は完成することなく、藤原はこの世を去った。
こうして僕は、藤原伊織にのめり込むという時間を過ごすことができた。そこからも次々と本を買い続け今に至っている。読書から遠ざかっていた僕が再び物語の魅力に気づくことができたのは大きなことだった。
今年前半のことも思い出さなきゃ。1月から3月までは、まだ教諭という身分だったので、今よりずっと緊張感を持って生活していたように思う。そして3月いっぱいで退職して、4月中にあまりにものんべんだらりとしていたことから危機感を抱いた僕は、GW後にkindle本を作ろうと思いついた。そこからの2か月ほどは、このブログを元にしてkindle本作りに精を出すことになる。
夏までに4冊出して、もう1冊教育に関する記事をまとめてみたいと思っていたが、頓挫したまんまだ。激変する教育界には、数年前の記事はあんまり有効じゃないかも、と思ったのが大きな原因である。
そして夏がやって来た。今年も昨年に劣らず猛暑だったのが僕の行動を鈍らせた。でも今思えばkindle本があまりにも売れなかったから「もういいや」という気持ちからダラダラした生活が始まったのだろうと思う。
とまあ、この1年を駆け足で振り返ってみたが、毎年この日の話題は、仕事と健康と寿命のことだった。仕事は今やってない。健康については悪くなっていると思う。寿命については正直考えたくない。以上だ。これ以上書く気力もない。
来年は、4月から学習支援員として働くことになるかもしれない。ホントは今年中に教委に連絡するつもりだったが、今一つ気持ちを奮い立たせることができなかった。今の教育現場に対する不安もある。しかし少なくとも1月中には決めなければいけないことだ。決心した時はきっとこのブログで書くことになるだろう。
取り敢えず言えることは、50代後半の人で、まあまあ健康ではあるが、60歳になったら仕事を辞めようと思っている人には、それはよした方がいい、ゆるりとでいいからもう少し働き続けた方がシャキッと生活できるよということだろうか。
まあ世間もそんな風に(60代以降も働き続ける。下手すりゃあ70歳まで)なってることだし、僕が言わなくてもみんな働くんだろうけどね。
精神疾患者としては、2年くらいの休暇はちょうどいいのかもしれない。授業の悪夢を見るのは、これは一生続くだろうと諦めている。
というわけで61歳になった僕だが、今年も誕生日に記事を書くことができてよかったよかったという話でした。
それでは。