今日はのっけから断定的な口調でタイトルを書いたが、自信はない。どこまで書けるか不安である。YMOファンから猛反発されそうだ。
昨年の春に(レコード環境になった2か月後)、音盤祭でYMOの「パブリック・プレッシャー(公的抑圧)」を購入した。聴いてみたら何だかしょぼくて、今度売ろうコーナーに眠らせておいた。秋には「イエロー・マジック・オーケストラ」(←ファーストアルバム)をアップルミュージックで聴いた。「ふーん・・・まあ・・・いいかも・・・」と思った。
先週の音盤祭で「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァ―」(1979)が安価だったので買ってみた。それを先日聴いてみてぶっ飛んだ。かっこいいじゃないか。そして思ったのがタイトルに書いた「フィジカル」である。YMOはコンピュータのピコピコ音ばかり鳴らしている人たちではない。れっきとした肉体を伴ったバンドなのだと思った。
だってドラムもベースもキーボードもちゃんと演奏しているよ。しかもどれもかっこいいよ。僕は特に細野晴臣のベースが気に入ったな。ブンブン(何かを)言っているベースである。高橋幸宏が刻むビートは正確無比だ。でも人間が叩いていることが伝わる。坂本龍一?バンバン鍵盤に向かって弾いているいるじゃないか。
曲もいい。有名どころの曲はもちろん素晴らしい。それにA面2曲目は、沖縄民謡のお囃子をサンディが担当している。YMOにも沖縄音楽を取り入れていたのが驚きであった。
僕が一番心に残ったのは、ビートルズのカヴァー「デイ・トリッパ―」だ。曲の出来はともかく、この曲をこんな風にカヴァーしたことは当時のロック界に対する大いなる挑発だったのではないだろうか、なんて思ってしまう。だって天下のビートルズだよ。「デイ・トリッパ―」という選曲も正しいような気がしてくる。
「デイ・トリッパ―」にはギターで鮎川誠が参加している。鮎川は、曲を聴いていつものレスポールではなくストラトキャスターとアンプを持参して弾いたという話だ。僕はディーヴォがカヴァーしたローリング・ストーンズの「サティスファクション」を思い出した。あれも挑発的な曲だったよな。
当時は全然思わなかったけれど、先ほども書いたようにこれは大いなる挑発である。コンピュータを取り入れつつ、しっかりと肉体性をも獲得している。「テクノ」あるいは「テクノポップ」なんて言われちゃってたけど、本人たちはどう思っていたのだろう。メンバーはいろいろな人のバックを務めていてそれこそ海千山千だったはずだ。それがこの3人が集まってこういう音楽を作った。絶対何らかの「アンチ」があったはずである。
ところで聴く人たちはこのアルバムのどこに反応していたのだろう。それも気になるな。やっぱりメロディなのかな。
検索するとこのアルバムに関する逸話をたくさん読むことができる。今までの音楽と違うものを作ろうとしていたことがよく分かる逸話ばかりだ。だからYMO=フィジカルなバンド=ロック・ミュージックだというのが僕が思ったことだ。
そう思って急いで「今度売ろうコーナー」から「パブリック・プレッシャー」を取り出して聴いてみたが、残念なことにイマイチなんだよね。まずベースが奥に引っ込んでてよろしくない、というかそれが全てである。それさえクリアしていれば画期的なライヴ盤になっただろうに、勿体ない。
というわけでもう一度ファーストから聴いてみようと思った次第である。しかし今頃気づくなんて俺もどうかしてるよね。
今日は3週間ぶりの精神科受診だった。前回主治医には「コーチングを勉強しなきゃダメ」ときつく言われていた。勿論僕はそんなことは無視していた。しかしちょろっとは勉強しなきゃと思って、いろいろ検索してみたが、どうも違うような気がしてきた。コーチングより、コーピングの方じゃないかな、先生の言ってることはと思ったので、そっち方面をいろいろ調べて診察に臨んだ。
「先生、『コーチング』じゃなくてもしかしたら『コーピング』だったんですか?」と訊くと、主治医は「いや、『コーチング』の方や」と言い、続けて「実は私もまだ勉強しとらんのや」と言うではないか。
おいおい、患者に言うならまずは概要だけでもいいから教えてくださいよ、と思った次第である。
今日は2つのことを言われた。「hanamiさん、あんただけがつらいんじゃないよ。もっと苦しんどる人がたくさんいることを知って」と「何か楽しいことを計画しなさい。例えばタイに旅行するとか」である。
僕は「旅行なら計画していますよ。数年後に(←妻が責任重大な職から離れた時に)バリに行こうって言ってます」と言った。主治医は「数年後なんてそんな先のこと言ってもダメや。その頃には世界中で戦争が起こっとるわ」と言った。
僕は確かにその通りだと思った。
それでは時間が来たので終わります。
確かに終わったんだけどね、記事をアップして確認してみて「よしっ」と思ったら下の方に「今頃YMO」っていうタイトルで去年の4月に記事を書いていることに気づいた。焦った僕はその記事を読んでみた。参ったね、大体同じことを書いているじゃないか。とうとう僕の脳みそも劣化し始めているらしい。そのことを肝に銘じておこう。
じゃあね。