hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

ライヴアルバム考

ライヴアルバムの魅力はどこにあるのだろうか。僕は原曲をいかにアレンジして演奏しているか、シンガーはどのように歌っているのか等、スタジオヴァージョンとの違いを探し、それを味わうことや、そのアルバムだけに収録されている曲(誰かのカヴァー)を楽しむことだとずっと思ってきた。

 

勿論それもあるだろう。しかし、レコードでライヴ盤を聴いてみて今更ながら思った。ライヴアルバムの魅力とは、まるで会場にいるかのような臨場感を味わうことができることだと。なんでこんな簡単なことが分からなかったのだろう。

 

それを知ったのはレコードで数枚のライヴアルバムを聴いたからだ。ポール・ウェラーデヴィッド・ボウイロキシー・ミュージック、そしてジミヘンとオーティスである。

 

ポール・ウェラーBBC交響楽団と共演しライヴ配信された「アン・オーケストレイテッド・ソングブック」という作品(2021年12月リリース)。デヴィッド・ボウイは1976年の「ナッソー・コロシアム」で行われたライヴである(ボウイの「シン・ホワイト・デューク」時代の貴重なライヴ。彼の死後発表された)。ロキシー・ミュージックは「ハイ・ロード」という4曲入りのミニアルバムである。最後はモンタレーのライヴ(A面がジミ・ヘンドリックス、B面がオーティス・レディング)である。

 

「聴いてもらえばその良さが分かる」で、お終いな話しなのでこの後どうしようか思案中である。しばし待たれよ。

 

 

 

僕は、レコードの魅力が一番発揮されるのはスタジオ盤においてのみだと考えていた。実際何回も記事に書いたようにレコードで聴く音は素晴らしい。だからこそ、何気なくライヴ盤を聴いた時には驚いた。音の立体感や広がりはスタジオ盤に軍配が上がるとしても、その臨場感、生々しさたるや凄まじいものがある。特にポール・ウェラーデヴィッド・ボウイの作品にはぶったまげた。これは最近の録音技術やリマスターに関係あるのかな。

 

 

CDを聴いている期間が一番長い僕としては、そしてレコードの(音質の)魅力に気づいていなかった僕としては今頃になってレコードのライヴ盤を聴いて只々驚くしかなかった。観客の声援があるからライヴアルバムが存在しているわけじゃあない。コンサートの臨場感、生々しさを伝えるために存在するのだ。

 

ポールのアルバムの方は、オーケストラの音の響きを聴くとまるでその場にいるような感覚になる。ポールのヴォーカルは、マイクを目の前にして歌っているポール・ウェラーの姿を鮮明に思い浮かべることができるほど親密に聴こえる。

 

 

ボウイのアルバムはバンドサウンドが素晴らしい。特に1曲目の「ステイション・トゥ・ステイション」は「これからショウが始まるぜ」というバンドの姿勢が良く伝わってきてワクワクする。ボウイもそんなバンドサウンドに乗り、冴えたヴォーカルを聴かせてくれる。まあ、この曲がスペシャルだからどうやってもいいプレイになるんだけど、ライヴだとまた違って聴こえるな。

 

ロキシー・ミュージックのアルバムは4曲だけだが、捨て曲なしだ。特にB面はニール・ヤングの「ライク・ア・ハリケーン」とジョン・レノンの「ジェラス・ガイ」をカヴァーしている。この2曲のカヴァーはロキシー・ミュージックの音楽的嗜好が良く伝わるいいカヴァーだと思う。このレコードのドラムとベースの音の臨場感が気に入って最近よく聴いている。

 

モンタレーのライヴは先の3枚に比べたら記録に近い音質ではあるが、ここはオーティス・レディングの歌いっぷりについて書いておかねばなるまい(前に書いたんだけどね)。もう歌が凄いんだよ。彼の唾まで飛んでくるようなシャウトはスタジオ盤では聴かれないものだ。「ヨーロッパのオーティス・レディング」というライヴ盤も聴いたことはあるが、ここまで凄くはなかった。オーティスファン必聴の作品である。これも永久保存盤だ。(ジミヘン、ごめんよ。ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」のカヴァーもいいと思うぜ)

 

 

 

アーティスト側としては、ライヴアルバムはどう位置付けされているのだろう。何枚かスタジオ盤を発表してから、「そろそろライヴでも出すか」というスタンスなのだろうか。大体がそうであるとは思うが例外もある。ジャクソン・ブラウンは確か全曲新曲のライヴ盤を発表しているはずだ(調べてない)。新生RCサクセションは「ラプソディ」というライヴアルバムからスタートした。両者ともライヴアルバムである必然性があったのだろう。ツェッペリンの「永遠の詩」は自身の映画のサントラとして発表されているし、他にも理由があってライヴアルバムを発表することはありそうだ。

 

 

とにかくライヴ盤は侮れないぞ、という話でした。多分ハズレもあるとは思うんだけどね。今のところ僕が購入したライヴアルバム4枚は全部OKである。

 

 

僕が今一番レコードで聴きたいライヴアルバムは、デヴィッド・ボウイの「ジギー・スターダスト・ザ・モーション・ピクチャー」というアルバムだ。「ジギー・スターダスト」時代のロンドン最終公演を記録したものだが、荒々しいサウンドでボウイのライヴと言ったら長らくこれで決まりだった。いつかレコードで聴いてみたいものである。さきほどの「ナッソー・コロシアム」はボウイライヴアルバムの2位に確定だ。

 

 

他にも僕好みのライヴ盤があるはずだし、これから楽しみだ。

 

 

話は変わるが、ハードオフに行くといつもバカでかいJBLのスピーカーからジャズが流れているんだ。レコードを見に行ったら必ずそのスピーカーの前に座って(ソファが置いてある)、しばらくウットリ聴いている。そこから流れる音といったらもう演奏者の息遣いまでもが聞こえてくるようだ。ジャズなんか聴かない僕でもびっくりするんだから、やはりデカくて性能のいいスピーカーはいいなあ、と思いながら、そして「いやいや、そんなことを考えちゃいかん。家の可愛いスピーカーでも十分楽しめるぞ」とも思いながら名残惜しくその場を去る僕である。

 

実は店にはちょうど縦に細長いJBLも置いてあって、それは僕の家にマッチするくらいのサイズなんだよなあ。僕のジャズマスターより高いけど。(←考えちゃいかんと言ったのに考えている)

 

 

 

明日は遠足で、明後日から5連休だ。じゃあね!!