hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

敬意をもって音をいじる~ザ・ビートルズ「赤盤」~

ザ・ビートルズの「赤盤」(2023ミックス)を聴いた。全38曲、1時間35分である。まだ1回しか聴いていないので、これから何回も聴くうちに変わるかもしれないが、初めて聴いた時の印象を書き留めておこう。

 

 

まず僕はレコードが届く前に、我慢できなくて時々観ているサッカリンさんのユーチューブ番組を観てしまった。これまで数々のビートルズ関連の動画を作ってきた人だ。ビートルズ初心者の僕にとってもとても面白い動画である。そのサッカリンさんが「赤盤」「青盤」2023ミックスについて話している、これは観たいぞ、となった。だから今日書くことはその動画の影響をかなり受けている。これはパクリじゃないか?くらいのことを書くことになるかもしれない。


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勝手に貼り付けちゃったけど、いいのかな?怒られたら素直に謝ろう。

 

 

ココアパウダーと水とミルクを混ぜてココアを作った(この例え話からしてもうサッカリンさんからのパクリだ)。そのココアをココアパウダーと水とミルクにもう1回戻すのは不可能である。しかし、今回のリミックスの際、それが可能になった。つまりギターとベースとドラム、ヴォーカル等が一緒に入っているトラックからそれぞれの音を取り出すことができたということだ。しかしジョンとジョージのギターを分離させることは難しかった曲もあったみたいだ。

 

 

今までビートルズのレコードは所謂「泣き別れミックス」の曲が多数あった。つまり、片側にヴォーカル、反対側に主な楽器が鳴っているというミックスである。それぞれの音(楽器やヴォーカル)を分離することが可能になったことで、その「泣き別れミックス」が解消されているんだって。

 

 

曲ごとの細かい分析はいろいろなところでされているだろうから、1回聴いてみた今、大雑把に言うとどう感じたのかを書いてみよう。

 

 

まず、ドラムとベースがほぼ真ん中から聴こえてくる。そして音がデカい。一番驚いたのは「ア・ハード・デイズ・ナイト」のイントロの最初の音である。あまりにもデカくて妻が飛び起きて文句を言ったほどだ。ほぼどの曲もドラムとベースが真ん中寄りに配置されているので聴きやすいことは確かである。今風になったとも言えるだろう。

 

 

次はギターである。ドラムとベースを真ん中寄りに配置することで今まで聴こえなかった音が聴こえるようになった(と思われる)。マニアの人は「こう弾いていたのか!」なんて思ったりするのかもしれない。今風に言うと「答え合わせ」ができるミックスになっているのではないだろうか。僕は(多分)ジョンが弾いているアコギがとにかく気持ちよく聴くことができたのが嬉しい。

 

 

ヴォーカルも真ん中寄りになった。「泣き別れミックス」は、ジョージ・マーティンがCD化する際に少しだけヴォーカルを真ん中に寄せたらしい。そしてそれから何十年も経って息子のジャイルズがヴォーカルを更に真ん中に寄せた。ついにヴォーカルと楽器が出会ったというわけである。

 

 

曲でいうと「デイ・トリッパ―」に衝撃を受けた。こんなハードだったっけ?というくらいの迫力である。つまり、ジャイルズ・マーティンは音を取り出して定位を変える(リミックスする)だけではなく、音を太くするというか強くするというか、とにかく何らかのエフェクトをかけて音をいじっているのである。その結果「デイ・トリッパ―」はパンチの効いたハード・ロックに変身した。こんなことして許されるのだろうか?

 

 

僕はいろいろ思うところがあったが、レコードを最後まで聴いて、許される、と思った。乱暴なことを言わせてもらうと、この作品はザ・ローリング・ストーンズの新作「ハックニー・ダイヤモンズ」と同じである。世界中の万人に聴いてもらうために作ったのだ。そのために現代の最新の技術を駆使して、今を生きている人たちに向けて作ったのだと思う。そして何より、ジャイルズは敬意をもって音をいじっていると感じた。だからいいんじゃない?

 

 

松村雄策なら何て言うだろう。きっと面白がったと思うな。天国で「お見事お見事、あっぱれあっぱれ」と拍手喝采しているかもしれない。でも、50代60代のビートルマニアの人たちは「何てことするんだ。これはビートルズに対する冒涜だ」と立腹する人もいると思われる。そういうビートルズ原理主義者(?)の人は今までのレコードを聴いていればいいのだと思う。

 

 

僕はどうするだろう。きっとこれを聴いたり、昔のを聴いたりするだろう。「泣き別れミックス」に僕は変態的というか、ギザギザした意志を感じているんだよね。

 

 

とにもかくにもこんなに大規模なことができる、しちゃうっていうのは、ビートルズがあまりにも偉大だからこそだ。今の人には「こ~れは聴かなきゃダメでしょ?これがロックだよ。50年数年前に世界中が熱狂した音楽だよ」と力強く言いたい。

 

 

あ、書き忘れてた。今まで僕はジョージのギターって何だかたどたどしく聴こえることがあって「うーん・・・」と思っていたけれど、そんなことは全然なかった。ジョージのギターはビートルズの各楽曲に絶大な影響を与えていることがよく分かった。最初っからセンスよかったんだね、ジョージ。今まで舐めててごめんよ、と言いたい。まあ僕の耳が阿呆だったんだな。特に「抱きしめたい」で聴こえてくるアクセントをつけるためのギターはホントに気持ちいいよ。

 

 

 

一応いろんな人に失礼のないように気を遣って書いたつもりだが、これが「赤盤」を最初に聴いて思ったことである。この調子だとホントに数年後には全オリジナルアルバムでこういうリミックスがされていそうである。でもビートルズの音をいじっていいのはジャイルズ・マーティンだけにしてもらいたい。彼の作品(作品と言ってもいいと思う)だけでもうお腹一杯だよ。

 

 

只今午前4時40分。もう1回寝なきゃ、今日持たないぞ。じゃあね!

 

 

 

今日はもう1回寝ることができたけれど、午前で沈没した。午後の6年生の歴史の学習では、動画に頼るしかなかった。月曜日は毎週なかなか厳しいということが今更ながらだが分かった。うん、無理せずそぅっと、が大切ですな。

 

 

 

ではでは。赤盤について間違えてたらごめんなさい。