hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

やっとキラキラに気づいた

人間やればできるものである。僕の一番の苦手は、市役所に行っていろいろな手続きをすることだ。車を購入するにあたっていろいろな書類を市役所で揃えなければいけなかった。車に関してはややこしいことになっていた。簡単に言うと、僕が今乗っている車は、父の名義になっている。父は亡くなっている。本当は勿論父が亡くなった時に必要な手続きをしなければいけなかったのだが、今日までずるずると引き延ばしていた(「原戸籍って何だ?」とかいろいろ分からないことだらけだったので放っておいた)。ひとえに市役所が苦手だったからだ。

 

覚悟を決めて、必要な書類を車屋で確認し、市役所へ向かった。そして受付に行って自動車の名義変更をしたいことを伝え、必要な書類はこれだけあるんですけど、と言った。受付の人は丁寧に説明し、申込書を書き込む時も僕に張り付いていてくれた。最近の市役所ってこんなに親切なんだ。待っている時に周りを見ると、何語か分からない人にも対応している。至れり尽くせりだ。

 

そんなに丁寧に対応してくれたのに、結局僕は1回目で必要な書類を入手することができず、もう一度市役所に行ってやっと名義変更に必要な書類を揃えることができた。まあ2回行くのは想定内だった。あとは、「遺産分割協議書」だけだ。車は「遺産」になるそうで、相続人(僕の場合母と姉と僕)のうち誰を車の相続人にするか協議して決めなければいけないのだそうだ。この場合、僕が相続人になるので、母と姉に署名と実印を押してもらわなければいけない。姉は東京在住である。明日早速郵送して返信してもらわなければならない。ああ、邪魔くさい。でも、あともう少しだ。

 

市役所に行ったおかげで期日前投票もできたし、まあいいか。よく頑張ったよ。しかし、やりたい時、というか自分が車を購入したいと思った時は素早く行動できるもんだな。困った奴だ。

 

 

 

というわけで、今回はジョージ・ハリスンである。前々回僕はジョージの「クラウド・ナイン」を聴くと書いたが、実際聴いたのは「Let It Roll: Songs of George Harrison」だった。まあ、ベストアルバムですな。これがいいんですよ、旦那。「ベストアルバム」なんだからいいに決まっているか。

 

 

僕がこのアルバムを聴こうと思ったのは「セット・オン・ユー」が1曲目に収録されていたからである。「セット・オン・ユー」は聴いたことあるぞ。非常に気分が盛り上がる曲だ。よし、この際「Let It Roll: Songs of George Harrison」から聴いてみよう、となった次第である。

 

それ以来このアルバムをずっと聴いている。ブログを書くにあたって、記事が仕上がるまではかなりの集中力を持って取り扱う音源を聴いているが、割合あっさりと次に書こうと思う人の音源に移っていた。つまりあんまり聴き込まず「(記事を)書いたら終わり」状態だった。

 

しかし、このアルバムは違う。日曜日からずっと聴きっぱなしだ。そしてこれからも聴き続けるだろう。身体にこのアルバムの音が馴染むまで聴き続けるだろう。こんなことは何十年ぶりかもしれない。いや、正確に書こう。1997年にリリースされたブランキ―・ジェット・シティの「LOVE FRASH FEVER」以来だ。

 

当時のことを少し書かせてもらうと僕はブランキーの大ファンだった。コンサートにも行った。アルバムが出るごとに買っていた。しかし、ニューアルバムが出るたびに最初は違和感を抱いていた。しかし何回も聴くうちにだんだんそれが耳に馴染み、自分の細胞が新たに生まれ変わった、という思いを持つに至った。つまりその頃までは、初めに違和感を抱いても、その音が耳に馴染むまで何回も何回もCDを聴いていたのだ。

 

しかし、ブランキ―以降、そんな風に聴くことは非常に稀になった。このブログで良く扱うボウイやルー・リードにしても最初にビビッとこなければあまり聴かないようになった。これは由々しき問題だな、と思って今に至っているが、やっとそんな人に巡り合えた(←大げさかな?)。

 

とにかくこのアルバムは全曲いい。ベストアルバムなんだから当然なんだけど。通して聴いて3回目くらいで「うん?これはいいな」と思い、それからは聴き始めたら最後まで聴かないと気が収まらなくなった。

 

これを聴いていると幸せな気持ちになる。ここは重要かもしれない。ジョージの音楽は人を幸せにするんだ。一体その秘密は何なのだろうか。

 

ここからはよく言われていることだろうと思う。

 

まずメロディが素晴らしい。なんでこんなメロディが考えつくんだろう、そして聴き込む程に心地よくなってくる中毒性がある。「浮遊感のあるメロディ」という言葉も使われていそうだ。このメロディには「ジョージ印」がしっかり付けられていると思う。つまり、ジョージにしか書けないメロディだということだ。変わったコードでも使っているのかな。メロディは、さっきの「浮遊感」「割とストレート」「何だか変わった感じ」等に分けられるかもしれない。そしてこのメロディに乗って歌うジョージのヴォーカルも気弱な感じがして、勿論よい。

 

次に心地よいのはジョージのスライドギターである。いろいろな曲で惜しげもなくスライドギターを弾いているが、こんなスライドギターを弾くのはジョージだけじゃなかろうか。他の人はスライドと言えば、もっとブルースフィーリング溢れたプレイをすることが多いと思う。しかしジョージのスライドからはあまりブルース臭さが感じられない。そういえばギターの先生は「ジョージはレギュラーチューニングでスライドを弾くことが多い」と言っていた。それが関係あるのかな。スライドギターにも「ジョージ印」が付いている。

 

問題は歌詞である。例によって僕は歌詞を読み込んでいない。ジョージの歌詞なら読んでみたい、と思っている。でも今は只々この気持ちよい音に身を沈めていたい。

 

それで、まだ僕はこれからいろいろなジョージのアルバムを聴くことができるのだ。こういうのを「幸せ」というんだな。

 

 

「セット・オン・ユー」はカヴァー曲だが、ズボラな僕は深く掘り下げることはしない、ような気がする。それはもう少しジョージを聴いてからだな。「イズント・イット・ア・ピティ」はスケールの大きな曲だな。デモ音源も興味深く聴くことができ、満足だった。「FAB」から「サムシング」へと続く流れもよかった。「ブロウ・アウェイ」も好きだ。こんなことを言っているときりがない。

 

 

とにかくやっとジョージ・ハリスンは聴く人の人生を幸せにさせるキラキラした音楽を創ることができる人だということがよーく分かった。