hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

ジョン・レノンが最初で最後?

僕がレコードを聴くスタイルはこんな感じだ。座椅子に寄りかかり、手を組み、目を閉じる。これが一番集中して聴くことができる。勿論いつもいつもこんなスタイルで聴かないけど、集中して聴きたい時はこれに限る。いろんな音が聴こえてきて実に気持ちが良い。今日は「ジョンの魂」をこのスタイルで聴いた。改めて思ったのが次のようなことだ。

 

「ゴッド」で「アイ・ドント・ビリーヴ~」とあらゆる概念や宗教や自分が多大な影響を受けた人を否定していくくだりがある。そして最後の「アイ・ドント・ビリーヴ」は「ビートルズ」だった。

 

こんな風にいろいろな名詞を列挙することは「ギヴ・ピース・ア・チャンス」でやっている。しかし最後の最後に自分にとって最も大切だったであろうビートルズを否定すること。こんなことをやってのけたのはジョンが最初で最後ではないだろうか。

 

今日はこの話題に迫ることができればいいな。

 

まずは「列挙」である。「ギヴ・ピース・ア・チャンス」、「ゴッド」と固有名詞を連呼するのは今までありそうでなかった発明なのではないだろうか。発表順としては「ギヴ・ピース・ア・チャンス」の方が先なのでジョンは「これは使える」と思ったのかもしれない。

 

「ギヴ・ピース・ア・チャンス」では「みんなが話題にするのはバギズムだのシャギズムだのドラッギズムだのマディズムだのラギズムだのタギズムだの・・・」といろいろなイズムを連呼するところから始まる。その後もいろいろなことを連呼する。そしてサビは「でも僕らが言ってるのは『平和にチャンスを』ってことなんだ」と歌っている。

 

僕は曲としてはそんなに「ギヴ・ピース・ア・チャンス」は好きではないが、アイディアは秀逸だと思っている。そしてこのアイディアを早速使ったのが直後に発表したソロアルバムからの「ゴッド」であったと思われる。

 

「神は私たちの苦痛を計る概念に過ぎない」から始まるこの曲は、よく考えてみると出だしから「これはキリスト教圏で歌って大丈夫なのか?」と思ってしまう。その後、魔法、易経、聖書、タロット、ヒトラー・・・・エルヴィス・プレスリーボブ・ディランと「アイ・ドント・ビリーヴ~」が続き、最後はビートルズさえも信じないと歌う。

 

最後の最後、「僕はヨーコと自分を信じる」「愛する友よ、頑張っていこう、夢は終わった」と歌われる。当時もセンセーショナルだったが、今聴いても衝撃だ。たくさんいるスーパースターの中でこんなこと歌ってるのはジョンだけだよ。「夢は終わった」なんて言葉で締めくくられちゃあファンはたまらなく辛いよね。


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この痛いくらいの自己否定はその後誰もしていないと思われるが、「列挙」という手法を使っている人(バンド)を僕は知っている。ご存知RCサクセションである。またいつものバンドかぁ、と思わないで下さいよ、奥さん。しょうがないじゃない、思い浮かんじゃったんだから。じゃあいきますよ。

 

アルバム「BEAT POPS」のA面5曲目に「エリーゼのために」という曲がある。その曲の後半で「あの娘の好きな・・・」といろいろなバンドやミュージシャンの名前が連呼される。

 

♪あの娘の好きな ヤードバーズ

♪あの娘の好きな グレース・ジョーンズ

♪あの娘の好きな デボラ・ハリー

♪あの娘の好きな プリテンダーズ

♪あの娘の好きな チャーリー・ワッツ

 

♪あの娘の好きな キース・ムーン

♪あの娘の好きな ゲイリー・グリッター

♪あの娘の好きな ジャニス・ジョプリン

♪あの娘の嫌いな 仲井戸麗市

♪あの娘の好きな マーク・ボラン

♪あの娘の好きな ローランド・カーク

♪あの娘の好きな エディ・コクラン

♪あの娘の好きな エルモア・ジェイムズ

♪あの娘の好きな ビッグ«O»

 

こうやって最後まで書く僕もしつこいが清志郎もしつこい。これは初めて聴いた時はワクワクしたなあ。「ゴッド」なんて知らなかったもんだから、清志郎ってスゴイ!と思ったのであった。人選もイカしてる。途中でチャボのことを入れているのも笑える。清志郎のしたことは今までに書いたこと(「愛し合ってるかい?」とか)同様、敬愛するミュージシャンからアイディアをリスペクトを持ちつつ拝借し、日本流に(清志郎流に)表現する、ということだ。これが簡単なようで難しいと思うんだよね。

 

 

 

いかん、今日は自己否定ソングを歌ったのはジョンが最初で最後ではないだろうか?までいくつもりだったのに。いきそうにないな。どうしよう?これもしょうがないよね。いつものことか。それに土曜日だもん、のんびりしようよ。あ、もし他にも自己否定ソングを歌っている大物ミュージシャンがいたら黙ってないで教えてね。

 

 

 

じゃあね、バイバイ!