hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

「便利」を手に入れるのに手こずりそうだ

今日、オクリンクを使って授業をした。と書くと偉そうだが、ICTの先生に全部やってもらった。「国民主権」の学習をした後に「優れた天皇が現われたとして、天皇主権にする?それとも国民主権にする?」という問いを作り、子ども達にどちらかを選ばせ、その理由を書かせた。

 

赤と青のカードを(パソコン上に)用意し、天皇主権を選んだ人は赤のカードに、国民主権を選んだ人は青のカードに理由を書く。6年児童なのでスムーズにクロムブックを操作していた。問題は中味である。不思議なもので(大人もそうだが)、キーボードを前にすると、分からないなりに何とか文章にしようとする児童が多いように感じた。

 

ICTの先生は時間を見計らって書いたカードをモニター上に上げていく。ここでまず、今赤が多いか青が多いかが一目でわかる。その数が気になる児童は「赤が多い」とか「青が多くなった」とか言っている。まあ、気になるわな。僕も気になる。それにしてもこのスピード感は素晴らしいと思った。

 

 

しまったなあ。クロムブックを持って帰れば、児童が何を書いたのかがここで紹介できるのに。また機会があったらブログに書き留めておこう。

 

 

僕は、「まず同じ意見の人のカードを読んでみてください」と言った。そして「自分と共通しているなと思うところを見つけなさい」、また「自分と違う視点で書いているなと思うところも見つけないさい」と言った。そして「それを読んだら違う立場のカードを読んでみてください」と言った。

 

その後に「友だちのカードを読んだ後に最終的な自分の考えを書きなさい」「最初に書いた時より、説得力がないとダメだよ」と言った。児童は黙って自分の最終弁論を書いて提出していた。

 

ここで時間が来た。僕にしては珍しく時間オーバーだ。何とか全員に提出させてこの時間は終わった。

 

この授業を終えて分かったことは、モニターに映したらすぐに他人の考えを自分のパソコンで知ることができるということだ。知ることで救われるのは、その時点で何も書けないでいる児童だろう。言葉にできないでいる児童もここで何かしら書くことができそうだ。ただいつもいつも他の児童の意見に頼られてもその子にとってはよろしくないだろうから、いつみんなの意見をモニターに映すかの按配が大切だ。

 

次に思ったことは、この作業をしている段階で音声による意見交換が行われないということだ。長く教員をしていると、この点が不安になる。本当にそれでいいのか?と思ってしまう。このことを後でICTの先生に訊ねると、例えば最終弁論をかいた後、誰が何を書いたか氏名を公表し、自分と違う意見の人を探して、クロムブックを持って意見交換ができると教えてくれた。なるほど。そうすれば「対話」が生まれるな。しかし、時間がかかる。ということは今日みたいな少ない情報で考えさせたものよりも、単元を貫く大きな問いに対する自分の考えを持たせて、2時間括りで授業を組んでやる方がいい。

 

 

最後に、これを1人でやれんのか?である。今日のようにどちらかを選び、考えを書くというのがこれからできそうである。明日もやろうと思う。

 

 

しかしまだまだ考えることはありそうだ。それにこれで本当にいいのか?とモヤモヤとした気持ちも拭いきれない。例えば鉛筆を持って書くという作業が激減するが本当にそれでいいのか?とか、クラス全員の前で発表する、つまり公の場で自分の考えを話すという時間が激減するのも気になる。それでいいのか?この2点が今のところモヤモヤの中味だ。ICTの先生は、自分の子どもの(ICTの)授業を見て、「本当にこれでいいのか?鉛筆で書く時間も必要なのでは?」と思ったそうだ。

 

問題の最終弁論であるが、まだじっくり読んだわけではないが、最初に書いたものと比べて「豊か」になっているように思えた。それは字数からも窺うことができた。

 

何より驚いたのは、このクラスで一番学力が下位の児童がタイピングができないながらも、文字を手書きし、入力していたことだ。パソコンという機械をいじるという行為の楽しさがそうさせたのだと思うとこれからも続けていくべきだと思えた。しかしこのような便利なものを使いこなすにはまだまだ時間がかかると思った。

 

この便利グッズを手中に収めてから、教職を退きたいものである。

 

 

 

今日は5年2クラスは主にプリント学習、3年2組は方位の学習と比較的落ち着いて授業ができた。こういう日も作らないとこちらが持たない。5限目は空き時間だったので力を振り絞って3の1に行ったが、教頭が授業をしていたので自分の教室に戻ってスヤスヤ寝ていた。

 

明日明後日はいよいよ3の1の授業だ。気合を入れなければ。それに今一番僕の精神を削っている6の2の授業もある。どうなるかな。ちょっと心配だ。

 

 

 

授業以外のことも書いておこう。今、僕が気になっているのはジャッキー・ロビンソンだ。この人は、人種差別がまだ厳しいアメリカで、黒人大リーガーとしてブルックリン・ドジャースに入団し、注目を集めた人である。彼を初めて知ったのはロバート・B・パーカーの「ダブルプレー」という本である。もう売ってしまった本なので、改めて買い直した。

 

テレビでも彼のことを扱う番組があって、それも早く観たいと思っている。ひとつは2月に放送された「ザ・プロファイラー ジャッキー・ロビンソン 人種の壁を破ったメジャーリーガー」という番組、もう一つは先日WOWOWで放送された映画「42~世界を変えた男~」である。なぜ今になって彼のことが気になっているのか自分でも分からない。しかし早く本を読んで録画してある番組を観たいという思いに駆られている。

 

 

 

明日に備えなければ。それでは。よい夜を。