やっと10月に録画しておいたサマーソニック2022をざっとと観た。そしたらザ・リンダ・リンダズが登場したではないか。そうか、来日していたんだ。と思い最初の「Oh!」を聴く。僕の好きな曲だ。メンバー4人中3人はアジア系のアメリカ人で何だか知らないが猫のメイク(ひげが描いてある)をしている。全員10代ではるばるアメリカから日本にやって来て爆音でライヴをする。お客さんも彼女らに対してウェルカムな感じだ。いいなあ、と思っていたら、次の曲のカウントをドラムの女子がとる。「ワン、トゥ、スリー、フォー」のあとに出てきた言葉が「ドォブゥヌェ~ズムィ ミィトゥアイヌィ~」だった。「えっ?」と思いそのまま聴くと「ゥウトゥクゥスィクヌァルィートァイー」と歌うではないか。
これは「どぶねずみみたいに 美しくなりたい」だ。ブ、ブ、ブルーハーツじゃあないか。「リンダリンダ」じゃやないか。びっくりしたよ、もう。彼女達のバンド名の由来となった「リンダリンダ」BY日本が誇るロックンロールバンド、ザ・ブルー・ハーツを日本でカヴァーしたのだ。盛り上がらないわけがない。いやいやお客さん、そもそも原曲を知ってるの?と思ったが客席はどうも大爆発しているみたいだ。
ところどころよく聴き取ることができないが、これはあれですね。僕達が洋楽をカヴァーする時とおんなじですね。それの逆をやっているのだ、と思うとさすがに嬉しい。ヒロトやマーシーもきっと嬉しかっただろう。
↓↓↓ 昔からやってたんだ。
これを見た後に僕がしたことは映画「リンダリンダリンダ」の名場面集(ハードディスクに残してあった)を見ることだった。最初のたどたどしい演奏(「ダメだこりゃ」みたいなことを言っている)から、だんだん上手くなっていき(みんな満足気な顔つき)、コンサート当日の様子。みんな裸足だ。ヴォーカル役のぺ・ドゥナが不安そうにメンバーを見てから意を決して前を向く。そして歌うのは「どぶねずみのように・・・」だ。静かな出だしの後、「リンダリンダ~」と歌うぺ・ドゥナが圧倒的に可愛い。観客は総立ちだ。ギター役の香椎由宇も圧倒的な美しさだ。
「リンダリンダ」を終えると、再びぺ・ドゥナがみんなを見る。今度は笑顔いっぱいだ。次は「終わらない歌」だ。そして映画は終わると、すぐに本家ザ・ブルー・ハーツの「終わらない歌」が始まる。たまらんね。それにしても、ザ・ブルー・ハーツは女子(若ければ若いほどいい)がカヴァーするとすごくかっこいいのは何でだろう?男子じゃこうはいかんよなあ。もうひとつは、ぺ・ドゥナも韓国の人だということで、ザ・リンダ・リンダズと共通している。たどたどしい日本語で歌う若者女子によるザ・ブルー・ハーツのカヴァーは最高だということだ。あーいいものを見たよ。
と、ここで何気なくヤフーニュースを見ていたらウィルコ・ジョンソンが亡くなったというではないか。そうか。膵臓癌だったけれど、治ったということはJUNさんから聞いていた。僕はかなり前に彼についての記事を書いたことがある。
ウィルコ・ジョンソンといえば、ザ・ミッシェル・ガン・エレファント(あ、解散しちゃってます)のアベフトシ(42歳で亡くなっている)が彼の影響を受けたということで知っている人も多いかと思う。
僕は、鮎川誠とのコラボアルバム「ロンドンセッション1,2」を思い出す。ちょうど、気が向いて最近プレイリストにこのアルバムを加えたんだった。パキパキの音を鳴り響かせて気持ちの良いコードカッティングをする彼の演奏スタイルは唯一無二のものだった。あまりいいリスナーとは言えなかったけど、何かの拍子に聴くことがあった。これからもきっと何かの拍子に思い出して聴くことになるだろう。
享年75歳。最後はやはりこれだ。「She does it right」を聴いて彼を偲ぼう。