ブログを書くにあたって、もう自分が聴いていたアーティストは出尽くしたと思っていた。だから新しいアーティストを開拓するか、今まで書いてきたアーティストのより深い考察をするかのどちらかになるのかなあと思っていたら、ふとした拍子に思い出した。それがヒュー・コーンウェルである。元ストラングラーズのヴォーカル・ギター担当でリーダーだった人である。(最近この「ふとした拍子」が多くなって困る。その時思い出せないのだ)
ストラングラーズは、イギリス出身のパンクバンド(だった)。1974年に結成され、現在も活動を続けている。1977年にメジャー・デビューし、「夜獣の館」「ノー・モア・ヒーローズ」「ブラック・アンド・ホワイト」「レイヴン」等をUKチャートに送り込み、代表的なパンクバンドとして絶大な人気を誇った。僕は「Xサーツ」というライブアルバムを買って聴いていた。当時の喧騒がそのままパッケージされた作品で聴くのが結構怖かったと記憶している。
しかし1980年に入ってからおかしく(?)なった。「メニンブラック」「ラ・フォリー」「黒豹」等のアルバムはパンクではなくなった。なんていうかヨーロッパ的な内省的なアルバムを創るようになった。日本ではもう人気は下降していたが本国のイギリスではこの路線変更も大いに受け入れられ高い評価を受けている。僕も最初聴いて戸惑ったクチだ。しかし聴くうちにこれが気持ちよくなってきた。
ヒューは1990年に10thアルバム「10」を最後にグループを脱退した。ヴォーカリスト、ギタリスト、リーダーを失ってもストラングラーズは活動し続けている。ここら辺はえらい。
それでヒューはというと、1988年から(ストラングラーズ時代に2枚のソロアルバムを発表している)現在までコンスタントに15枚ほどのアルバムを残している。
僕はヒュー・コーンウェルの知的なヴォーカルとギターが好きだった。ある日アップルミュージックで検索してみるとアルバムがザクザク出てきたからビックリした。ライブアルバムではストラングラーズ時代の曲も演奏している。
また俳優や文筆業にも取り組んでいるインテリな人だ。現在71歳。
僕が好きな曲は「Shaking Like a Leaf」という曲だ。キンクスの「サニー・アフタヌーン」のようなイントロ(ありがちですよね、イギリスでは)で曲調もブリティッシュ然としている(トム・ロビンソン・バンドの「グラッド・トゥ・ビー・ゲイ」みたいな感じ)。ストラングラーズでこの曲をやっていたが(ホーンセクション付きで派手)、どちらのヴァージョンもいい。
ストラングラーズのお気に入りも書いておくか。1曲だけ選べと言われたら、「Waltzinblack」だ。インストなのだが、ヨーロッパヨーロッパしていて気持ちいい。でも1曲だけ選ぶのは難しいな。
今日も1日が終わる。今日は何だか仕事中も病院にいる時もピリピリしていた。病院では子供じみた理由で少し揉めてしまった。恥ずかしいことだ。何だか暗雲が垂れ込めてきそうだ。