マドンナが好きだなんて誰にも言えないよ

そう思っていたのは今よりもずっと若い時だ。しかしもう胸を張って言うことにしよう。僕はマドンナのことが好きだ。

 

ぜひライブ映像を観てみてほしい。その素晴らしさ分かるから。

 

と言いながら僕がマドンナのCDを初めて買ったのは、「American Life」(2003)だ。しかもその後の作品はゲオで借りていた。ファンなのにヒドイ奴だ。

 

デビュー当初はキワモノというか、物珍しさで彼女のことを見ていた。しかし、初来日した時のシェイプアップした身体、そのコンサートをちらりと観て、「マドンナ、ただのキワモノじゃないんだ」と思った記憶がある。だが、その後アルバムを聴くこともなく何となく聴こえてくるヒット曲を聴いているだけだった。

 

しかし「American Life」は何だかいつもと違うぞ、という話をちらりと聞いて(米国同時多発テロ事件以来初の新作、チェ・ゲバラをイメージしたジャケット等)思い切って買ってみたのだ。曲の最初は「おっ」と思わせるものばかりだった。今までのダンスチューンと違って何だかシリアスな始まりだ。しかし惜しいかなその後の展開がイマイチで残念な出来だった。

 

しかしその後の「Confessions on a Dance Floor」(2005)「Hard Candy」(2008)には結構ハマったな。思いっ切りダンスチューンの方に振れている。前者は何と言っても「Hung Up」で決まりだ。後者は名曲が目白押しだ。この時のブエノスアイレス公演(STICKY&SWEET TOUR)のライブが素晴らしかった。まずは「CANDY SHOP」から幕が開く。大きな椅子に足を大きく広げて座っているマドンナが登場し、余裕の表情で歌い出す。その後「BEAT GOES ON」へ。バンドが両サイドに見えるのも好感が持てる。1曲の中に男性ダンサー、女性ダンサー、白い車まで登場する。続けてマドンナがエレキギターを持って歌う「HUMAN NATURE」、女性ダンサーとの掛け合いが楽しい「VOGUE」とガンガン飛ばしまくっている。ここで一旦休憩して、縄跳びありポールダンスありの「INTO THE GROOVE」から再びマドンナ登場だ。と、こんな調子で終始客を楽しませてくれるショーを作り上げている。この姿勢はどのツアーでも貫かれている。とにかく客に満足して帰ってもらうんだという気概を感じる。当時50歳くらいのマドンナのパフォーマンスは驚異的だ。

 

話は変わるし、全くずれていると思われる方もいるかもしれないが、僕はビョークとマドンナを重ねて見ているところがある。どちらも新しい音に対して貪欲だという一点において、二人は共通しているのではないかと思うのだ。その印象は今でも変わらない。ただし、マドンナはあくまでダンスチューンを基本にしている。何でもありのビョークとはここが違うかな。

 

またグラミー賞か何かのパフォーマンスの時に段から落ちたがちゃんと歌っていたという逸話も聞いたことがある。口パクじゃなかったんだ、と。

 

エンターテイメントの世界でしっかりと客を楽しませることを大前提にし、また世界に存在する大きなもの(例えば宗教など)に立ち向かっているマドンナを僕は支持したい。