hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

1981年、鮎川誠の「どうもありがとう」は「サンキュー」よりかっこよかった

1982年。鮎川誠の「クール・ソロ」が発表された年である。「クール・ソロ」は産休中だったシーナがいない(途中1曲だけ参加するが)状態のロケッツのライブアルバムである。1981年日比谷野音でのライブを録音したものだ。

 

時々しか歌わないが彼のヴォーカルに痺れていた僕は、早速レコード屋で購入した。彼のヴォーカルは、朴訥でどこか訛っていて真っ直ぐだった。乱暴な言い方をすれば麻薬をやっていなさそうな声だった。それでもロックしている声だった。

 

「クール・ソロ」は素晴らしいライブアルバムで今でも聴いている。特に「どぶねずみ」が素晴らしい。

 

その「どぶねずみ」が終わった瞬間「どうもありがとう」と鮎川は、客に感謝の気持ちを伝える。当時ロックバンドのヴォーカリストは、曲が終わって客に感謝の意を伝える際には99.9%「サンキュー」と言うのが普通だった。そこに日本語の「どうもありがとう」だ。しかも「どうも」を付けて言うのが何とも鮎川らしくて可愛くて格好良かった。当時「どうもありがとう」と言うのは、ロックじゃない世界の人達だったので、結構衝撃的でもあった(清志郎は、同時期に「サンキュー」も「どうもありがとう」も日本のロックの響きにした)。でも僕は妄想する。サンハウス時代から鮎川は、普通に「どうもありがとう」と客に言っていたであろうことを。

 

あ、もちろん鮎川も「サンキュー」とか「サンキュー、どうもありがとう」って言っていたけどね。でも「どぶねずみ」が終わった瞬間の「どうもありがとう」がとてつもなくかっこいいんだ。

 

その後、この言葉は、ローザ・ルクセンブルグボ・ガンボス時代のどんとに引き継がれていったように思う。ふにゃふにゃした言い方だったけどね。

 

そういえば、昔々鮎川誠が渋谷陽一の「サウンドストリート」に出演したことがあったっけ。当時渋谷の提示する曲ばかり聴いていた僕だが、鮎川誠が選んできた曲がかっこよくてまたまた痺れたのを思い出した(イギー・ポップの「five foot one」とか)。