僕が20代の頃贔屓にしていたバンドは、ニューエストモデル、ルースターズ、ストリートスライダーズだった。どのバンドも僕の心を鷲掴みにした。ヴォーカルもそのサウンドも。ただ一つを除いては。
それは、英語を使っていたことである。
ルースターズは「She Made Me Cry」や「ニュールンベルクでささやいて」等の曲を全部英語で歌っていた。
スライダーズは、「Easy Action」など、歌詞の一部に英語を使っていた。
そしてニューエスト・モデルは、「知識を得て、心を開き、自転車に乗れ！」という曲の非常に大事なサビで「Get the Knowledge , Free Your Mind」と歌っていた。
僕はその点についてだけはどうしても合点がいかなかった。こんなに優れたバンド達なのに。英語を使わずとも世間と戦っていけるだろうに。
ただ、ニューエスト・モデルだけは、歌詞カードに日本語の歌詞とその英訳を載せていたから、ワールドワイドに届けたいという意味でも、また日本にいる英語圏の人にもこの歌詞を届けたかったのだろうと推測される。だからこそ、ニューエスト・モデルに対する期待は高かった。理論武装も備えた高性能バンドだったから。
今はソロや、ソウルフラワ―・ユニオンで活躍している中川敬よ。今からでもいいから、この歌を全部日本語にして歌ってくれ。アコギでもいいから。この歌のタイトルは素晴らしいし、今でも有効だからさ。頼むよ。
うーん、この話はちょっとまだ言い足りない。
