hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

「ベック・オラ」(1曲目だけ)について

「ベック・オラ」は1969年リリースのジェフ・ベック・グループのアルバムである。今日はこのアルバムの1曲目「All Shook Up」に絞って書いてみたい。上手く書けるかは自信がない。

 

「All Shook Up」はエルヴィス・プレスリーが歌っていたナンバーである。こっちは割かしのんびりした曲調だが、ジェフ・ベック・グループのはバリバリハードである。いや、ちょっと違うな。当時も今もハードロックの原型みたいな言い方をされているけれど、僕は少し違う印象を持った。もう少し基本情報を書いておこう。

 

 

メンバーはヴォーカルがロッド・スチュワート、ベースがロン・ウッド、ドラマーがトニー・ニューマン、ピアノがニッキー・ホプキンスである。勿論バンマスはジェフ・ベックである。

 

 

同じ年にレッド・ツェッペリンがファーストアルバムをリリースしている。こっちは1月19日発売だから、ジェフ・ベック・グループよりも早く発表したことになる(録音は1968年10月)。発売当時、好意的な記事もあったが、「このバンドが伝えていることは、3か月前にジェフ・ベック・グループが表現したものと変わらず、しかもそれより上手くない」と、ジェフ・ベック・グループの作品(1968年発表の「トゥルース」だと思われる)と比べられてこき下ろした記事もあった。しかし、バンドは成功し・・・後の快進撃は書かなくてもいいだろう。ツェッペリンと比べて書くといいかもしれない。

 

 

僕が「All Shook Up」について言いたいことは、「早すぎた音楽」ということだ。それもかなり早すぎたと思う。

 

 

ツェッペリンジミー・ペイジが中心になって今までのブルース・ミュージックをさらに発展させてそれまで無名だったロバート・プラントジョン・ボーナムをメンバーにしてバンドを作った。そしてアルバムを発表した。その作品は多くのファンに受け入れられた。対する「ベック・オラ」のチャートアクションはアメリカで最高15位、イギリスで最高39位とふるわなかった。この差は一体なんだろう。

 

 

ということで「早すぎた」という話になる。どういう点で早すぎたかといと、・・・・うーん・・・・ハードロックというよりファンキーな感じがしない?特にギターとベースとドラムス。この3つの楽器だけ聴いているとファンキーに聴こえる。ファンキーって何だ?とかファンキーが早過ぎる音楽ってどういうわけなんだ?と言われると俯くしかないが。

 

 

ニッキー・ホプキンスのピアノはこの曲に多大な貢献をしているし、ファンキーなんだけど、3者とはまた別のファンキーさなんだよね。そしてロッドのヴォーカル。これも最高だよ。最高なんだけど、ちょっとウォームな感じというか、微妙な汗臭さを感じる。それこそブルースをユニークな声で歌うとこうなったというか。唯一無二のヴォーカルなんだけど、ジェフの奏でる鋭いギターとは合っていないと思う。僕はもっと金属的な響きを持ったヴォーカルがいいと思ったな。いや、いっそのことインストでもいいかもしれない。

 

 

ツェッペリンがブルースから1歩はみ出した音楽を創り出したならば、この「All Shook Up」は5年先、いや10年先、いや現代にも受け入れられるファンキーな音楽だと思うがどうだろう。まだ1曲しか聴いていないので自信を持って言えないが、後にスティーヴィー・ワンダーに「迷信」を提供したり、「ワイアード」なんていうロック・ミュージックをはみ出したアルバムなんかを発表したりの萌芽が垣間見えるんだよね。ちょっと大げさかな?

 


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今日の桜並木を画家が描いたら、ピンクっぽい色を必ず使うはずだ。それくらい蕾が「早く!」と言っていた。

 

 

 

それでは。