hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

アナログ盤「ハックニー・ダイヤモンズ」

先日、ザ・ローリング・ストーンズのニューアルバム「ハックニー・ダイヤモンズ」のアナログ盤が届いた。早速聴いた僕だが、少々複雑な気持ちになったのでなかなかこのアルバムについて書けずにいた。今日も上手く今の気持ちを書けるかは分からない。

 

 

最初に聴いた時はぶっ飛んだよ。あまりの迫力に。サブスクなんか聴いてられないよって思った。音圧っていうのかな、それが凄い。どの楽器もスピーカーを通してガンガンぼくに迫ってくる。今まで聴こえなかったギターの音もしっかり聴こえてきた。ダイラさんの言ってたベースの迫力も満点とまでは思わなかったけれど、サブスク音源と比べられないほどだ。それにミックのヴォーカル。これがもしかしたら一番凄いかもしれない。80歳の声じゃないよ、全く。

 

 

僕のお気に入りはB面だったけれど、A面もしっかり聴かせてくれる曲が並んでいることも分かった。ポール・マッカートニーが参加している曲も元気があって好きだ。A面6曲B面6曲なのもいいし、レディー・ガガと一緒に歌っている大作「スウィート・サウンズ・オブ・ヘヴン」以外は曲の長さがコンパクトなのも好感が持てる。あとはそうだなあ、音の残像がはっきりと聴こえてきて気持ちがいい。そう、とにかく聴いていて気持ちがいいんだよ。もしかしたらテイストは「タトゥー・ユー」(1981)に似ているかもしれない。

 

 

これは文句なしに2023年11月現在最も素晴らしいロックンロールアルバムである。なのに複雑な思いを抱くってどうわけなんだという話なんだけど・・・

 

 

なんだかね、うーん、間違っているかもしれないけれど、「ギザギザ」が感じられないんだよね。素晴らしすぎるっていうか、現代の最高の音「だけ」を鳴らしているっていうか。

 

 

古くは「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」「悪魔を憐れむ歌」「ストリート・ファイティング・マン」「ギミ―・シェルター」「ミッドナイト・ランブラー」等のギザギザ上等みたいな曲を演奏してきたんだよ、彼らは。それは「ラヴ・イン・ヴェイン」などのブルースナンバーにも感じられたものだ。そんな音を鳴らしていたのは時代のせいだと言う方もいるかもしれない。でも仮にもストーンズだよ。

 

 

1971年発表の「スティッキー・フィンガーズ」なんかは全曲ギザギザしていたし、パンク全盛の時にはディスコビートを取り入れた「ミス・ユー」なんていう挑発的な曲を発表していた。

 

 

2005年発表された(オリジナル作品としては)前作の「ア・ビガー・バン」にもそんな挑発的な曲が入っていた。「スウィート・ネオ・コン」とかね。

 

 

と書いていればキリがないほど尖がっていたり揺れていたりしたストーンズエスタブリッシュな存在っていうのかな、エスタブリッシュって何だっけ?「確立された」か。うん、そんな風味がするんだよね。別にいい子ちゃんになったとは全然思ってはいないんだけどさ。

 

 

きっと現代の全世代の人に聴いてもらいたかったのであろう。そして自身のバンド活動の確立をも目指したのだろう。だとしたら何回も書くが申し分ない出来である。若い人にも是非推薦したいアルバムである。そして「気に入ったのなら一度『レット・イット・ブリード』というアルバムも聴いてみないか?」と言いたくなる。

 

 

僕としては勝手にこれがストーズのラストアルバムだと思っているからきっとこれで「大団円」ということなのだろう。それは理解できるだけに複雑な気持ちになったのかもしれない。

 

 

そして過去記事に書いたが、ラストナンバーが「ローリング・ストーン・ブルース」だということで僕としてはこのアルバムのことを納得しているというのが正直な気持ちだ。何回も書いて申し訳ないが、この曲だけは曲順といい、曲調といい、録音具合といい、他の曲とは異質に聴こえる。ミックとキースとロニーだけで演奏するこの曲がストーンズのラストの曲なのである。それが現代の最高のブルースナンバーであったことに乾杯しようじゃないか。

 

 

 

さて、「レット・イット・ブリード」(1969)と「スティッキー・フィンガーズ」(1971)を連続して聴いてみよう。新たな発見があるかもしれない。もし新たな発見があったり、ギザギザ具合を再確認できたりするとしたら、それは2023年に発表されたこのアルバムのおかげであることは間違いない。

 

 

ホントは酒を飲みながら聴いてみたいけれど、平日なので我慢我慢。

 

 

 

それじゃあ、おやすみなさい!

 

 

ここで記事をアップしたけれど、ヤフーニュースでキースが「まだやるぜ。未発表曲もあるし」とインタビューで語っていた。ホントかよ。