hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

午後2時のピンク・フロイド(「エコーズ」編)

ピンク・フロイドは絶対にレコードで聴くべきバンドである。

 

 

と、のっけから力強く書けたのは今日が土曜日だからである。平日だったら「多分」なんていうエクスキューズを付けたりするだろうな。でも今日は幸いなことに土曜日なのでこのままの調子で突っ走ろう。

 

 

今聴いているのは1971年発表の「Meddle」(おせっかい)のB面全部を使って収録された「エコーズ」(23分31秒)である。僕は昨日彼らのことを「意味ありげな音を鳴らす」「退屈な音楽だ」と書いた。あれはきっとサブスクで聴いたからだ。B&Wのスピーカーから流れる「エコーズ」の音は確信に満ちている。言い換えればどの楽器の音も緊張感で満ちている。これは一体どういうわけなのだろうか。

 

 

と自分で問うても分からん。分からんが、確信に満ちている音=緊張感がある音=気持ちよい音だということだ。気持ち良さなら少しは書けるかな。

 

 

この時のフロイドのメンバーは、ロジャー・ウォーターズ(ベース)、リチャード・ライト(キーボード)、ニック・メイスン(ドラムス)、デヴィッド・ギルモア(ギター)の4人である。「エコーズ」のヴォーカルはデヴィッド・ギルモアリチャード・ライト

 

 

ニック・メイスンは「『エコーズ』ではじめてピンク・フロイドがスタートした」と言っている。(byウィキ)

 

 

冒頭でしばらく流れる「ビィーン」という音からもう既に気持ちがいい。ここからキーボード、ギターが絡みつき、ドラムスが入って本格的に曲の幕が上がる。僕はまずドラムスが気に入った。ドラムスを気に入るのは僕の場合、大概がそのタイム感に身を委ねられるからだ。ニックのドラムは結構手数が多い(合間があればフィルインを入れてくる)けれど、そんなにうるさく感じない。それどころかこういう叩き方じゃないとピンク・フロイドサウンドにならないんじゃないかと思うくらいだ。音と音の間の空気が気持ち良い。

 

 

そうこうしているうちに今度はデヴィッド・ギルモアのギターに耳を奪われる。空気を切り裂くようなギターが僕の部屋を駆け巡る。

 

 

なんて言ってるうちにリックのキーボードが段々その存在感を増してくる。中盤は完全にリックの独壇場だ。さきほども書いたがどの音も緊張感いっぱいだ。

 

 

こういう大柄な曲はロック喫茶かなんかに行って大音量で聴くと最高だろうな。このアルバムが発表された当時はついでにマリファナかなんかを一発キメて聴いていたのだろう。僕は残念ながらそんな体験はないが、花村萬月マリファナを吸いながらジョン・リー・フッカーピンク・フロイドを聴いている時はこんな風に聴こえるんだよという描写は読んだことがある。素面でも十分イケる音ではあるが、興味はある。死ぬまでに1回は何かをキメて音楽を聴きたいものだ(一応冗談ということにしておこう)。

 

 

話を戻そう。ピンク・フロイドの音楽性がこういう形で結実したのは、建築学出身(デヴィッド以外の3人)の強みを生かし、構成力を高めていったからだとも言われている。ロジャー・ウォーターズ曰く「建築家のロジャーとニック」VS「音楽家のデイヴとリック」という構図になっていたらしい。(byウィキ)リズム隊が建築学出身だったのか。このことと音がどういう関係なのかは僕には分からないが、「構築」という言葉はピンク・フロイドの音楽に合っているような気がする。そして「構築」には「音響」という要素も含まれているように思う。

 

 

最後のもうひと盛り上がりもやはりニックのドラムスが印象に残った。

 

 

今回は「エコーズ」1曲に絞って書いたが、A面5曲もそれぞれ味わい深い作品だった。ブルースなんかもやっちゃっている。フロイドのブルース、いいな。

 

 

 

 

どうもスピーカーを買ってから、聴きたい音楽が変わってきた。アップルミュージックで聴く音楽が飛躍的に広がったことは前に書いたことがあるが、僕にとってはそれ以来の大きな変化である。大げさに言うと革命的って言うの?そんな感じ。今のオーディオ環境でこれだけショックを受けているんだから、もっとお金をかけたらさぞかし驚くだろうな。

 

 

スティーリー・ダンの「ガウチョ」、ピーター・ガブリエルの「Ⅲ」、プリンスの「パレード」、クイーンの「オペラ座の夜」、そしてピンク・フロイドの諸作品は、もちろん作品自体が素晴らしいことは誰もが認めるところだ。しかしオーディオ環境によって作品の印象が大きく変わる音楽であることもまた確かなことだと思う。他にもそういうアーティストはいるはずである。そこら辺を(どこら辺だろう?ジェフ・ベックとか?)をこれからグイグイ聴いていきたい今日この頃である。

 

 

それにしても昔はヴォーカルの声質が全てだった僕だが、遠いところまできたものだ。とにかく今持っているレコードを再点検しよう。

 

 

 

今からちょこっと教材研究しようと思う。2学期に入ってからの休日時間は濃厚に過ごしたいものである。