hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

秋の夜長にビーチ・ボーイズ

「カジマヤ」という響きを聞いて、ピンと来た貴方、貴方は相当食いしん坊か新潟県民ですね。それじゃあ「加島屋」はどうだろう?「ああ、あの・・・」という貴方。貴方の家にも食いしん坊か新潟県の方がいるはずです。

 

僕が初めて「加島屋」を知ったのは、高校3年か大学に入った頃だと記憶している。「ちょっと騙されたと思って食べてみろ」と姉に言われたのが初めてだった。僕は一口食べて、あまりの美味しさに頭がクラクラした。

 

もうそろそろ何を食べたか発表してもいいだろう。それは「鮭茶漬け」である。なんだ、そんなもんか、と思った貴方は損をしていますよ。「加島屋」の鮭茶漬けを食べる幸せを僕の数少ない読者にも是非味わってほしい。とか言いいながら僕もここ数年は食べてないなあ。

 

それでですね、ここが少年時代の僕のエライところなんだけど、何か閃くものがあったんですよ。微かだけど。何?今何が閃いた?と少年時代の僕は頭の中に潜り、いろいろ探ってみた。そして見つけた。見つけたのはロッキングオンという記事の海の中でだった。僕は「加島屋」という文字だけでロッキングオンに辿り着いた自分を褒めたよ。ロッキングンを1冊1冊チェックして「加島屋」という文字を探した。そして見つけた。その記事はロッキングオンを買い始めた頃の号に掲載されていた。「加島屋」という新潟のお店の鮭茶漬けは相当美味い。これはね、鮭の身を丁寧にほぐし、(多分)足で丹念に踏んで作り上げた逸品なのだよ。是非ご賞味あれ、という内容だったと記憶している。

 

記事を見つけた僕は狂喜し、姉にも見せた。姉も感心してくれた。あの当時のロッキングオンはこういう記事も掲載していたのだ。そういえば「渋谷陽一のもしもし編集室」(だっけ?)というマンガもあったな。ロッキングオンにものどかな時代があったのだ。

 

最近ふとそのことを思い出し、スマホで検索してみたらあったよ、加島屋。勿論現代なんだから通販もしている。僕は軽々しくポチっとしないように今踏ん張っているところだ。値段もそれなりだしね。クセになっちゃあいかんから、ここぞという時にとっておこうというわけだ。

 

今日はもう完全に松村雄策ペースだな。1000字以上書いちゃったよ。タイトルに偽りあり、と言われないように頑張るとするか。

 

 

というわけで、ビーチ・ボーイズである。何故今ビーチ・ボーイズかというと、僕にしては珍しく中山康樹著「ジョン・レノンから始まるロック名盤」を早くも読破し、その本でビーチ・ボーイズから2枚ものアルバムが取り上げられていて、その2枚に痛く感動したからだ。(←一文が長い)

 

それは、「サンフラワー」(1970)と「ラヴ・ユー」(1977)というアルバムだ。「サンフラワー」は12曲36分で「ラヴ・ユー」は14曲34分である。例によって僕はこの曲数と時間がとても気に入った。

 

 

僕のビーチ・ボーイズ歴は浅くて薄い。勿論「グッド・ヴァイブレーション」の素晴らしさはいつ聴いても僕をどこかに連れて行ってくれるし、「Wouldn’t Be Nice」だっていつ聴いてもウットリする。しかし後が続かない。一応「ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ」みたいなのは2枚ほど買ったよ。「ペット・サウンズ」も勿論買った。しかし僕にはビーチ・ボーイズという波はこなかった。当時の僕はバリバリの「ギザギザロック」派だったからな。しかしこの歳になってブライアン・ウィルソンの荒みっぷりも分かるようになったからかどうかは知らないが、彼らのサウンドが心に沁みるようになったことは事実だ。

 

そういえばブライアン・ウィルソンが長いブランクを打ち破り、リリースした初ソロアルバムはすぐに買ったな。調べたら1988年のことだった。音楽雑誌が大々的に取り上げていたので思わず購入した。このアルバムは少し無理して結構聴いた。勿論気に入りました。2004年には遂に37年の月日を経て「スマイル」を完成させている。その頃(2005年だと思う)僕は、東京出張の際にJUNさんと会い、ユーノスロードスターのカーステで、「スマイル」を聴かせてもらっている。あの時はピンとこなかった。今聴いたら楽しめるかもしれない。話は横道にそれるが、2005年から数年後にもう一度東京に出張で行き、JUNさん、もう一人のギターの3人で会った。居酒屋2軒で飲み食いした後、「スタジオに行こう!」って言われたのには驚いたな。「東京ではそんなことするんだ」と思ったものだ。そして秋葉原のスタジオに行ってセッションみたいなことをした。あれは楽しかった。

 

 

 

話を2枚のアルバムに戻そう。僕はまず、「ラヴ・ユー」の方から気に入った。チープな響きのシンセがなかなかよい。そして中山康樹はブライアンの声についてこう書いている。

 

「・・・次にブライアンの声が枯れ果て、ささくれ立ち、まるで別人のような声に変質していたことに衝撃を受ける・・・・『ラヴ・ユー』では、さらに荒廃が進んだように思われた。ドラッグに加え、暴飲暴食によって肥満し、アルコールと喫煙は、ブライアンのトレードマークともいうべき美声を奪い取っていた・・・」

 

そうか?そんなにひどくはないと思うぞ、と思うのは僕がギザギザロックに慣れているせいか、往年のビーチ・ボーイズの美声を知らないのか、あるいはどっちもなのかよく分からないが、今聴くととてもしっくりくる。

 

曲は、凄くいいのと、アイディア一発で作りましたあ、という曲が混在していると思われる。でもそれがいいんだよな。「サンフラワー」もそうだが、どちらのアルバムも「アルバムごと聴いてくれ」という強い意志が感じられる。だから僕は曲をとばしたりしないで1曲目から最後までアルバムごと聴いている。こんな聴き方をするのはいつ以来だろう。でもそういう迫力が2枚のアルバムから感じられる。不思議だ。

 

「サンフラワー」の方は1970年発表ということで、まだ60年代の匂いがする音ではある。つまりはエヴァーグリーンなサウンドがほのかに香っているということだ。コーラスワークも往年のものだと思われる。このアルバムの曲達も「アルバムとしての塊」感を持って僕に迫って来る。おそらく1曲の長さが短いのも関係しているかもしれない。次から次へと曲が進んでいく疾走感がいい(1曲目から飛ばしっぱなしだ)。

 

今だったら3分前後の曲にアイディアを詰め込んで潔く終わって次の曲にいく、なんてことは考えられない。5分くらいは引っ張るはずだ。その結果収録時間が長くなる。「サンフラワー」の方が「ラヴ・ユー」より後に気に入ったと書いたが、1曲1曲の出来は「サンフラワー」の方が遥かに良い、と思う。

 

そんなわけで、3回目くらいの挑戦で僕はビーチ・ボーイズの素晴らしさに気づくことができた、ということになるのかな。それにしても70年代を代表するアルバムとして2枚もビーチ・ボーイズが選ばれる(しかもかつては「なかったこと」にされたアルバム)のは何だか偏向していると思うぞ。本に載せるなら断然「サンフラワー」だろう。

 

今思い出したのだが、昔松村雄策は「イギリス人も狂っているが、実はアメリカ人の方がもっと狂っている」という話をビーチ・ボーイズの伝記を紹介しながら原稿に書いていたな。「アメリカ人の狂いっぷりってどんなんなんだ?」と怖くなったのを覚えている。

 

というわけでビーチ・ボーイズでした。ビーチ・ボーイズ、土曜日だったら一日中聴いていられるな。

 

 

 

それにつけてもビートルズの「レット・イット・ビー」(スーパー・デラックス)である。57曲、2時間45分である。どうしよう。