hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

ローリング・ストーンズについて書こう!

ただ今、9月6日の午前3時である。思えば、ずっとこんな時間に起きてせっせとブログを書いていた時期があった。昨日は昼寝もせずに本を読んだりギターを弾いたりブログを書いたりしていた。ちょうどよい疲れだったのだろうか、僕は21時頃知らないうちにリビングで寝ていた。その後目が覚めて、寝室に行ったのだけど、浅い眠りが続いたし、変な夢をいっぱい見た。それでも目覚めはよかった。

 

今日はぜひ、ローリング・ストーンズについて書きたいと思うのだけれど、どうなるかな。チャーリーの訃報を聞いて以来、なんだかんだでストーンズを聴いている日が続いている。(主に70年代のストーンズを聴いている)そして「オレ!オレ!オレ!」というストーンズキューバハバナでライブを行うまでのドキュメントとその時のライブを家に帰ってから少しずつ観ていた。

 

ドキュメントでは、どうしてもチャーリー・ワッツに目が向いてしまう。彼の言葉で印象に残っているのは「俺は、みんな(客)を踊らせるためにドラムを叩いているんだ」というものである。きっと彼はデビュー当時からそういう心算でプレイしてきたんだろう。そしてそのためにキースのギターだけを集中して聴きながら叩いていたのだろう。

 

昨日はそのチャーリー・ワッツのプレイを紐解くユーチューブ番組も観た。スネアを叩く時にハイハットを抜くのはよく知られている。チャーリー曰く「スネアと一緒にハイハットを叩くと音が濁る」らしい。そして驚いたのは(今頃驚くなよという話でもあるが)、彼はプルビートで演奏しているということだ。

 

拍を「押す」ように振り下ろしでリズムを取る(ハイハットに着地と同時にカウントを取る)のを「プッシュビート」、拍を「引く」ように振り上げでリズムを取る(引いた瞬間にカウントを取る)のを「プルビート」と言うらしいが、チャーリーはプルビートで演奏しているということだ。海外ではこの割合は半々らしいが、日本では99%プッシュビートらしい。勿論僕もそうだ。

 

そしてミックは「プッシュビート」でカウントし、キースは「プルビート」でカウントするんだって。カウントの仕方にこんなズレがあるんじゃあ、そりゃあ、まとまらないよな。その結果生まれたリズムを「揺れ」とか「グルーヴ」と呼ぶのかな。

 

このユーチューブ番組の先生は次にフォームに着目する。「音が出る」というのは動作の結果なので、チャーリーのフォームに注目すると、先生曰くチャーリ―は「肘主導」だと言う。肘主導の人は「手の平」と動きがリンクしている。そのバランスの良さが安定した音を出す、らしい。

 

チャーリー・ワッツの演奏は、曲によって揺れたり走ったりしているが、それは他のメンバーのリズムのとり方がそれぞれ違う(さっきも書いた)ので、それを聞きながら、ズレを無視したり合わせたりしているからくるもので、チャーリーのドラムプレイ自体は、バランスの取れたものであるとのことだ。

 

最初に書いたがチャーリーはまず「キースのギターだけ聞いている」。キースの弾き方によって叩き方を変えている。そうやって作った土台にミックが乗っかって歌う。このことがストーンズの非常に危ういと同時にスリルある演奏の秘密だそうだ。

 

 

ドキュメントの話に戻るが、僕が一番感動したシーンはミックとキースが2人で「カントリー・ホンク」を演奏した場面である。ペルーで「ここで『ホンキ―・トンク・ウィメン』が出来たんだったよな」と話すキース、「そうそう」と応えるミックの様子は、年寄りが昔話をしているんじゃなくて、2人とも少年になって話していた。そしておもむろにキースがギターを弾き出す。それも「レット・イット・ブリード」での「カントリー・ホンク」ヴァージョンだ。キースに合わせてそのままミックはフルで歌い切った。いつでもここに戻ることができるんだ、そしてそのことがこんなに長く続いた秘訣なのだと思った。

 

ライブの話も書いとこう。僕はキースの「今日はこんな感じでいこうかな」とか「ちょっと実験ね」という感じで弾くギターが好きだ。常に今まで何回も演奏してきた曲(50年に渡って演奏し続けている曲もある。それってちょっと想像できないな)にどうにかして新しい息吹を吹き込もうとする姿勢が好きだ。そしてそれを嬉しそうにアイコンタクトでチャーリーに伝えるところなんかは僕も嬉しくなってしまう。客を煽るミックを「おい、いつまでやってんだろうね」とロン・ウッド達と暖かく見守り、次の演奏に備える姿も好きだ。だからどうしてもキースにばかり目がいってしまう。

 

しかし、ミックもすごい。みんな言うが、70超えているんだよ。なのになんであんなに動けるんだ?フロントマンとしてミック以上の人はいないと他のメンバーは確信しているだろう。だからこそミックが客を煽っている時も暖かく見守っているのだろう。ミックはミックで後は他のメンバーが何とかしてくれると思ってやっているんだろう。あと特筆すべきはアンコールまでよくあの声が持つな、ということである。あんな真似は誰にもできない。

 

ハバナでは、アンコールの1曲目で「無情の世界」を演奏した。オリジナル通りに大人数のコーラスをつけてやったのは初めてではないだろうか。僕は初めて聴いた。そしてこのコンサートを成功させようとするストーンズの強い意志を感じた。最後のサティスファクションはゆったりしたテンポで余裕しゃくしゃくの演奏だ。この曲もいろいろな歴史を経てこのようなスタイルになった。昔はもっと性急に演奏してたよな。

 

 

そのストーンズチャーリー・ワッツ抜きでやるライブはどういうものになるのだろう。チャーリーに対して恥ずかしくないよう演奏しようと固く決意していることだけは間違いない。