hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

僕は「危機」だったな

あいかーちゃんさんは「こわれもの」だったのか。僕は「危機」でした。

 

何の話かというと、イエスである。イエスのどのアルバムにやられたのか?が昨日のあいかーちゃんさんの記事に書かれていたのだ。そこで、僕の場合は、「こわれもの」の次作の「危機」にやられちゃったというわけだ。微妙なやられ方だったけれど。

 

「危機」を買ったのは、中学生の時で、多分僕が買った5枚目くらいののレコードだったと思う。何故イエスを選び、「危機」を買ったのかはよく思い出せない。リアルタイムでは「究極」「トーマト」なんかが発表されていたはずだ。多分ジャケ買いだったのだろう。この緑を基調にしたジャケットが好きでイエスのロゴをよくノートに書いていた。

 

しかし中学生の僕にとって、またロック初心者の僕にとってイエスは高いハードルだった。まず曲が長い。正座して聴いているとつらくなってくる。何故正座なのかといえば当時プログレッシブ・ロックの代表的なバンドの一つとして紹介されていたのだから真面目に聴かねば、という意識が強くてつい姿勢も正したわけだ。当時のプログレはえらかったのだ。(←僕の思い込み)

 

また、この音楽を分かろうとしなければいけない、という気持ちも強かったのだと思う。それまでに買ったレコードは、ゴダイゴ(今聴いても悪くない)、ボストン(今では考えられない)、エルビス・コステロ(今もよく聴く)、ディーボ(懐かしい)で、まあ曲も短いし、分かりやすいっちゃあ分かりやすい作品だった。

 

僕は真面目だったのでよく「危機」を最初から最後まで聴いていた。そのうちに気に入ったのはヴォーカルのジョン・アンダーソンの声だった。「Close to the Edge・・・」(サビになるのかな?)と歌う箇所は特にお気に入りだった。しかし、1曲の中で曲調がころころ変わるので今何の曲を聴いているのかよく分からなくなることがあった。そういいうところが微妙なやられ方だったというわけだ。

 

それでも結構聴いていたな、今思えば。だって大人になって改めて「危機」を購入して聴くとちゃんと身体に残っていることが分かったからだ。2曲目「And You and I」の始まりなんかは聴くと「これこれ」って思ってしまう(途中からわけが分からなくなるところも同じだった)。

 

3曲目は最初のギターやキーボードに魅せられたかな。中盤のギターも鮮明に記憶に残っている(「これこれ」って思ってしまう)。でもやはり全編通してジョン・アンダーソンの声が一番魅力的だった。

 

僕が持っているプログレのアルバムはこの1枚だけだ。他のイエスの作品は友だちに借りたがどうも今一つピンとこなかった。ピンク・フロイドは「Wish You Were Here」だけ聴く。「原子心母」も「狂気」も鈍い僕にはピンとこなかった。ELPにいたっては、さっぱりだ。唯一クリムゾンの「太陽と戦慄」は「おう!すごい!」と思った。しかし、「おう!すごい!」だけでは聴き続ける動機にはならないんだよな。

 

後にバグルストレバー・ホーンがイエスに加入して新生イエスになった時はびっくりしたな。ラジオで聴いただけであったが、「危機」しか聴いていない僕でも「おいおい、ジョン・アンダーソンの方が俺は好きだぞ」と思ってしまったよ。

 

今も聴きながらこの記事を書いているんだけど、改めていい作品だと思った。前述のフロイド、ELP、クリムゾンの方がよっぽど正座で聴くことを強いる音だ。大人になるとイエスは中学生の時より少しは「分かる」ようになった。