僕はまず最初に「スティル・アライブ」という曲について書く義務がある。「スティル・アライブ」・・・俺はまだ生きてるぜ、という歌こそ僕が一番人前で歌った歌だからだ。今日はこの曲に絞って書いてみよう。
「スティル・アライブ」は、吉井のソロデビューシングル「TALI」のB面に収録されていた。A面の元気の良さとは裏腹にとても元気がない。ホームレコーディングのような音質で、吉井はとてもとても頼りない声で歌っている。
暗い曲調がとても好みに合っていたので、早速ギター教室に持っていったが、「これは貴方ならコードを見つけられる。」と言われて焦った。しかし確かに簡単なコードで、「何で分からなかったんだ、俺」と落ち込むことにもなった。
♪思い出したい忘れたくない街を歩いた 金色に輝く間を
♪ひらひらと肩にのった言葉の枯葉 最後の一枚は「さよなら」
♪そう思い出だけがレイドバック ズタズタなのさ ポッカリ穴があいて精神ブラックホール
この部分は僕にしては珍しくはっきりと自分が体験したある出来事を思い描きながら歌っていた。
♪毎日が争いで時々平和 本当は反対だと思ってた
♪暗いことを言うようだけど鳥と話したい この先の事など尋ねたい
♪そう生きることがどんどん辛くなっても ビールの泡のように最後は消える
ここは、仕事の事(大変なクラスを持っていた。発病前夜の時期)をイメージしながら。
♪スティル・アライブ僕らだって楽しくたって
♪スティル・アライブあなただってうれしくたって
ここを吉井は弱弱しく歌っている。後のライブではそうではなくなったが。僕は、弱弱しいと言うより自分に言い聞かせるように歌っていた。前にも書いたが、僕はこの曲を路上ライブで1日何回も歌って(歌わされて)いた。最初にまず1回、調子が出てきたと思ったらもう1回、変なお兄ちゃんにリクエストされて数回歌っていた。(それにしても当時の僕は、昼間大変なクラスを受け持ち、仕事が終わってからジムへ行き、その後駅前で歌うという無茶なことをやっていたな)
うん。僕にとってソロになってからの吉井和哉に自分を投影していたところがある。少しずつ元気になっていく吉井のアルバムがリリースされるのを楽しみに待っていた。
でも、ギター教室の先生にとってはあまりお好みじゃなかったらしい。いい曲とそうでもない曲の差が激しいそうだ。そうか。トモフスキーとは違うんだ、と思った次第でした。
イエロー・モンキー復活もいいんだけどね。もう1回ソロを出してくれないかな。