hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

どうして気づくのが遅いんだろう

その作品が素晴らしいことに気づくのて遅い。どうしてか?答えは明白だ。その時一生懸命聴いていないからだ。あとでゆっくり聴こう、なんて思っている限りその作品の素晴らしさには気づかないことが多い。

 

例えば大江慎也の「THE GREATEST MUSIC」(2006)。もう14年も経っているんだ。この作品の素晴らしさに14年経ってやっと気づいた俺は何なんだ、と猛省した。しかし14年前っていってもつい最近のように思えるぞ。歳をとるって都合のいいこともあるんだな。

 

こんな曲が収められていた。

 

♪「何処へ行こうか」

頭の闇がとれた夜/これから何処へ行こうか/町は多分楽しそうに/人が溢れかえって/行くのもかなり面倒だけど/ここにいてもつまらないし/気がついたら外にいたくらいの/そんなところがあったらいいけれど/恋人たちが街を歩く/そんな光景を思い浮かべ/風が吹いている車が走る/みんな笑っているだろう/争いはひとまず忘れて/気儘な想いに身をゆだね/抑圧された若い人が/叫ぶのを聞いたことがある/俯いて向いて歩く人がいた/やがて彼らは旅立っていった…

 

精神の病に苦しんでいた大江が「頭の闇がとれた夜」と始める詩を書いただけでもうグッとくるではないか。それから「これから何処へ行こうか」と来る。もう何処へでも行けるんだ、とつい涙ぐんでしまうのは僕だけか?

 

また、「君と一緒にいたい」と歌う「STAY WITH YOU」。こんなラブソングも歌っている。ひとりぼっちじゃないんだな。

 

思えば1980年にルースターズでデビューして40年。その間ルースターズ脱退、ソロ活動、バンドを経て長い沈黙に入る。そしてフジロックで正式にルースターズ解散コンサートを行ったのが2004年。フジロックに向けてのドキュメンタリー映像での大江を見て僕は安心した。よかった。生きてる。そして饒舌に喋ってるじゃないか。本番のコンサートは最高だった。これで大江も本格的に活動するのかなと思ったが、「UN」という地元のバンドとアルバムを作ったり、盟友の花田裕之とライブを単発的に行ったりするにとどまっていた。そして2006年のこのアルバムである。これ以後アルバムは出していない。出していないが2009年頃から単発でルースターズを結成してDVDも出している(2013年)。

 

14年の沈黙くらいもうどうってことないが、もう一度アルバムを出してほしいな。今度は一発目から一生懸命聴くからさ。