hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

死ぬ覚悟を決めた人は立派に仕事をやり遂げる

昨年度の1学期、僕は、毎日心に血を流しながら授業をしていた。それは外から見ても分からない。外から見たらあるいは楽しそうに授業をしているように見えていたかもしれない。でも本人はそうじゃない。ただ心に血が流れていることが分かっているだけだ。それが具体的にはどんな症状なのかを語ることもできない。ただ「血が流れている」としか表現できなかった。そして家に帰ってお酒を飲む。何もかもが嫌で、自分のことも嫌で消えてなくなりたいと思いながら酒を飲む。そんな状態だった僕のことを妻は分かっていたのだろう。分かっていたからこそ、ほっておいてくれた。そのことが今僕がこうして文章を書き続けられることの一番の要因である。

 

カントリー・ストロング」を久しぶりに観た。主人公のケリーは、アルコール依存症の元カントリー界の女王。少しずつ心の傷も癒えてきたところにプロモーターでもある夫から復活コンサートのスケジュールを無理矢理組まされた。1回目は途中で退場。2回目は泥酔して登場できず。3回目、もう後がない。場所は入院のきっかけとなった因縁の場所ダラスである。ケリーはもう死ぬ覚悟を決めていた(と僕は思う)。だからこそ堂々と最初から最後までショーをやり切った。そしてショーが終わった直後大量に睡眠薬を飲む。心を病んだ人が元気に仕事をしている時、それは死を決めた時かもしれない。腹を括ったからかもしれない。

 

僕は今、どこを歩いているのだろう。少なくともケリーのように立派な仕事をやってはいない。「カントリー・ストロング」は最後には優しい終わり方をするが、死んでしまったケリーのことを思わずにはいられないヘビイな映画だった。元気じゃない人が観るのはあんまりお勧めできないな。