hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

オルタ3(と平沢進を少し)

先日AIグールドについて書いたが、その時の番組の中で「オルタ3」というアンドロイドも紹介されていた。これは、渋谷慶一郎が大学と企業に呼び掛けて共同開発したアンドロイドの名前である。その制作の背景にあるのは、生命を人工的に作り出す「人工生命」の考え方だという。基本的なシステムを作った東京大学大学院教授の池上高志氏は、「音楽に使った理由の一つとして、オーケストラと指揮者も双方向のコミュニケーションだ」ということ、「(オルタ3が)呼吸するように生きているとかそういうことがあると心が通うし、リアクションしてくれるものだと思うと、(心が)段々つながってくると思う」と話している。

 

番組後半には渋谷慶一郎の即興演奏にあわせて歌う場面が放送された。

 

オルタ3の紹介の際に、アナウンサーが「今歌ってもらうことはできるんですか?」と問うと、「僕が好きなように勝手に弾くとついてきて、その場でメロディを作って僕に合わせて歌い続けるんですよ」「僕も即興。オルタも即興」と渋谷氏は答える。

 

そして「どんなところが魅力ですか?」という問いに対しては、「即興でも滅茶苦茶な即興ってあるじゃないですか。でも(それについていって、しかも)ちょっと読めないメロディを歌うんですよね」「ただそれが完全にランダムな奇想天外なものじゃなくて、少しずれているっていうか。(そして)それに合わせてこっちが弾いていると、今度自分の即興が変わる」そして、高橋克典が「そこから新たな自分を掘り起こされるという部分も…」と言うと渋谷氏は「それは正直言ってあります」と答えた。

 

演奏後、高橋克典は、「最先端の物なのに、ものすごい過去の気持ち、こんなに正直いろんな気持ちが湧いて出てくるとは思いませんでした」とコメントすると、渋谷氏は「それがすごく大事だと思っている。嬉しいとか悲しいとか泣ける、とか以外の感情って人間にはたくさんあって、まだ体験したことのない感情が眠っていて、それをこういう人間(と)だけじゃない(形で)、音楽をやることで掘り起こせたら、テクノロジーの使い方としては面白いと思う。」と答えていた。

 

僕は、池上氏の使った「双方向」という言葉に引っかかった。「双方向」ということは、「インタラクティブ」であり、「インタラクティブ・ライブ?」「平沢進?」と連想してしまった。しかし、この場合の「双方向」はオーケストラあるいはピアノとオルタ3との関係のことを指している。平沢は、演者と観客との関係だ。でも、平沢進は、オルタ3を見てどう思うだろう。気になる。

 

かつて平沢は、「(人間が)非人間的で何が悪いんですか?」と宣った人である。かたやオルタ3は機械が人間に近づくためのものである。両者は相反しているのであろうか?うーんよく分からん。僕だったら、オルタ3を10体ほど借りて、自分がタクトを振ってオルタ3からさまざまな声を引き出したいな。

 

また平沢進について何か書きたくなってきた。

 

                                                                                                         (  )は私の補足